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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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26-1.俺への裁き(side:ナイジェル)

裁判の後俺はすぐに牢に入れられた

シリルは俺を愛していると思っていた

たしかにあの舞踏会の日、俺はシリルを追いかけた

あいつはやめてと言いながらも目を潤ませていた

だから俺は…何度もあいつの中で精を放ったんだ

なのに襲われたと思っていたなど思いもしなかった


どれくらいの時間そんな事ばかり考えていたのかわからない

でも気づいたら牢の前に帝王が立っていた


「帝王…」

「根底が覆されたようだな?」

「…」

「お前のうぬぼれと勘違いがシリルの命を奪った。アリシャナはその被害者だ」

「…」

俺は何も言い返せなかった

「逆恨みし、虐げ、すべてを押し付け、お前は何がしたかったのだ?その地位に胡坐をかき下の者を見下してきたようだが結局はブラックストーン家の当主としても、魔術師団長としても無能の一言だったな」

「ぐっ…」

帝王の言葉に返す言葉もない


「さて、裁きを与えよう」

「帝王!それだけはどうか…どうか…!」

ナイジェルは牢の格子を掴み訴える

「そのように泣いて懇願したシリルを襲ったのだろう?」

「!」

目を潤ませたシリルを思い出す

そうだ、あの目は確かに怯えていた

それを俺は気付こうともしなかったんだ…


「お前に虐げられたものは少なくない。お前の元で育ったアンジェラに苦しめられた者もだ」

「アンジェラに…?」

「婚約者を寝取られた令嬢も多い。そのことを抗議すれば野盗に襲わせ自殺に追い込んだこともあるようだな」

「そん…な…」

あのアンジェラが令嬢から婚約者を寝取った?

それも今の言い方だと1人や2人じゃない

だからか?

だから婚約を申し込んで意味の分からん言葉が返ってきたのか?

『私共よりふさわしい方が沢山おられるようですから』

その言葉を何度も返されていたのを思い出す

あれは…寝取った令息から選べばいいだろうという意味だったのか…?


「よく似た父娘ではないか?なぁナイジェル」

『ディフェントヒール』

「!!」

不意を突かれただ帝王を見るしか出来なかった

「これからは国の為に働いてくれ」

「そんな…どうかご慈悲を…!」

騎士団や魔術師団の実験台等やってられるか…!


「これまでさんざん国を食い物にしてきたお前に、ただ牢で時が過ぎるのを待つだけの日々を送れるはずがなかろう?」

「だからそれは…」

「お前が支払うべき金は1兆ルビ(1ルビ=1円)を軽く超える。奴隷として働いても返せるような額じゃない」

「それでも…!」

帝王の言わんとすることは分かる

でもだからといって自分が実験台になることを納得するわけにはいかない


ディフェントヒールを掛けられた犯罪者の苦しむ姿を何度も見てきた

俺自身何度も相手を火あぶりにしてきたんだ

あんなことを自分にされるなど…何としてでも回避しないと…!

俺はもう逃れることしか考えられなくなっていた

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