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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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23-6.裁判

「ナイジェル、そなたの罪は簡単に償えるものではない。実験体として敵意を向けられる中で少しでもその行いを悔いる、人としての心が目覚めればよいがな」

「…」

ナイジェルの目は何も映していなかった

ただ宙を見つめている


「これを持ってナイジェル・ブラックストーンの裁判を終了する。皆ご苦労であった」

帝王がその場から姿を消すとそこら中でざわつき始めた


「行こうリーシャ」

エイドリアンはアリシャナを促し裏口から外に出る

先に言ってあったのかすでに馬車が待っていた


「気になることがある。リーシャとアンジェラは…」

「リアンは本当に鋭い」

アリシャナは苦笑する

「私とアンジェラは異母姉妹です。妊娠した私の母がブラックストーン家に入った時に嫉妬に狂い、ナイジェルを殺そうとして返り討ちにあったそうです。だからナイジェルはアンジェラに対して強く出ることが出来ず甘やかしました」

「なるほど…じゃぁ帝王がリーシャを気にかける理由は?」

「え…?」

予想外の質問にアリシャナはエイドリアンの顔を見る


「何もない、はずはないよな?」

肯定的な質問

誤魔化すことは許さないとその目が言っている


アリシャナは大きく息を吐いた

「…知ってる人は限られているようですが…母は帝王の奥様の末の妹です。だから、リアンが心配するようなことは何も」

満足ですか?とでも言うようにエイドリアンの頬に手を添えた


「帝王がそのことを知ったのは比較的最近なんです。母は兄弟が多く、嫁いだ理由があまり表に出せるようなものでもなかったので…」

裁判の中で知らされた真実を思い返せばその通りだとエイドリアンは頷いた

「それまでは祝福のカギである事はご存知でしたけど…いくら特別なスキルがあったとしても多用する方では無いので」

「…」

「ここ数年のナイジェルの動きが見逃せないものになってきたために、色々調べ始めた中で私の素性も知ったと」

「そう…か」

エイドリアンはアリシャナの手を握り口元に運ぶとその甲に口づける


「それからは気にかけてくれていたようですが…それでも私は許すことが出来ないままです」

「許す?」

「帝王が国の為にリアンを…スターリング家を犠牲にしようとしたことを。国の為の最小限の犠牲と言われれば理解出来ないわけではないですけど…」

「リーシャ…」

エイドリアンはアリシャナを抱きしめる


「その気持ちだけで充分だ。許すとか許さないとか…もうそう言うのはどうでもいい」

「リアン…」

「裁判も終わった。今日から新しく始めるってのはどうだ?」

「いい…かもしれませんね」

アリシャナは笑みを零した

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