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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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21-1.お父様の裁判(side:アンジェラ)

いつものように泣き叫びたいほど厳しい教育を受けていた

「本当にどうしようもないお方ですわね」

礼儀作法を教える教師はそう言って冷たい視線を向けてくる

「ちょっとの違い位勘弁してよ…」

『パシッ』

「言葉遣いがなっておりません。口答えもはしたないと何度お伝えすれば理解できるのです?それともあなたにはこの国の言葉から教える必要があるのですか?」

そう言いながらこの女は私の左腕を扇子で叩く

「そんな言い方しなくてもいいじゃない…」

思わずつぶやくと更に扇子で叩かれた

どれだけ叩けば気が済むのよ?!

いつかこの女をボコボコにしてやるんだから!


豚が教師を寄越すと言いに来たのが1か月くらい前、たったそれだけの期間で私の左腕は目をそむけたくなるほど汚くなった

赤く腫れあがったような跡が無数にある

痛みは麻痺してきたのかあまり感じないのが救いかしら


宣言通り豚はここには来ない

何度メイドに命令しても条件をクリアしてからおっしゃってくださいと返される

こんなことしてたらいつまでたっても満たされないじゃない!


正直最近体がうずくのよね…

誰もいない時に自分で何とかしようとしてるけどどうにもならない

どういうわけかこの部屋に来るのは女だけ

騎士や護衛まで女だなんて思いもしなかった

男ならちょっと抱かせてあげればここから逃げられるはずのに…

そんなことを考えていると耳障りな言葉が聞こえてきた


「全く…この程度の事、4~5歳の少女でも完璧にこなすというのに…」

何よ…そんなことわざわざ言わなくてもいいじゃない…

正直地味に凹むんだから!


「10歳で魔法師団に入られたアリシャナ様は、その時点でお教えすることが一つもないほど完璧なマナーを身に着けておられましたのに…」

心底嘆かわしそうに言うこの女を殴ってやりたい

でもここに来る教師に暴力を奮ったら執事からその数の10倍鞭で打たれる

あんな痛い思いは二度とごめんだわ


「同じ家でお育ちになったはずなのに…どこをどう間違えればこのような差が生まれるのです?アリシャナ様は文句のつけようのない最高のレディー、それに引き換えお姉さまであるあなたは子供以下とは…あまりにも嘆かわしい」

「それを何とかするのがあなたの役目なんでしょ?だったらとっとと…」

「こればかりはご自身の努力なしには…ねぇ」

教師はあざ笑うように言う


「これだけは言わせていただきます。私がこれまで指導させていただいたご令嬢は100人を越えますが、あなたを除いたすべての方は遅くても3か月で合格を言い渡せるレベルになっておられます。年齢も5歳児からですからあなたが出来ないのは私の責任ではございません」

「な…」

「言い返したくなるほど気に障るならこの程度の事いい加減にマスターしていただけますか?合格された暁には文句でも何でも聞いて差し上げますわ」

腹立つこの女!

苛立ち、言い返そうとしたもののその言葉が出てこない

この女を丸め込めるだけの言葉が私には浮かばないのだ

だから私にとって最後の手段ともいえる言葉を吐き出していた

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