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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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16-3.真相(side:エイドリアン)

「帝王は最初から私が成人すればリアン様に嫁がせる予定だったと思います」

どういうことだ?それならば最初からアリシャナを婚約者にすれば済む話ではないのか?

それに…

「アリシャナの成人がどう関係する?」


「私たちは力の一部を封じられて生まれて来ます。先代の記憶は時を追うごとに膨大になり、幼いうちにはそれを受け止める前に気が狂ってしまうと…ただ、18になったら儀式をしなければならないと刷り込まれて育ちます」

「儀式?」

「自らの封印を解く儀式です。誰かに教わる必要もなく眠っている間に、意志とは無関係に実行されるようです。目が覚めたらそのことも全て記憶となり理解していました。そしてその時に知りました。祝福の封印を解くための条件と、その条件を揃えるための力を得たことを」

「条件…伴侶と決めた相手と魔力を交換することが出来ればというやつか?」

最初に来た時にアリシャナはそう言っていたはずだ


「違う…のか?」

黙ってしまったアリシャナに言いしれない不安が沸き上がる


「…大筋はその通りです。ただ、魔力交換するためにはリアン様が祝福を受け入れる意思と、カギとなる言葉が必要なんです。その言葉を引き出すための力を使うことを帝王は望んでいました」

過去形でアリシャナはそう言った

カギとなる言葉を明かさないのも理由があるようにしか取れない


「断ったということか?そのために何かを約束したということか?」

「私が国を守るために力を使うことでリアン様にはもう誰も仕向けないと誓っていただきました」

その言葉に帝王の残した言葉をかけ合わせれば勝手に様々なことが浮かんでくる


情報をつなぎ合わせて真実を読み解くのは得意分野だ

「俺の淀みを浄化するだけでなく…この国の負の影響を…?だから体調が…?」

答えにたどり着いてしまった俺に一瞬目を見開きアリシャナは俯き目を閉じた


「教えてくれアリシャナ。俺の力が解放されたら何が起こるのか。何が出来るのか」

「…」

「アリシャナ?」

「…リアン様がいるだけで負の影響が浄化されます。豊かさも、天候もリアン様の望む通りに操ることが出来てしまう。助けたいと思ったものを助け、守りたいと思ったものを守ることも、もちろんその逆も…でもそれを知ったら周囲の人は最初は感謝しても、徐々にリアン様を利用しようとするでしょう」

ただの便利な道具として利用されると言いたいのだろうか


「今以上の孤独を味わうことになるかもしれません。実際過去にはそれで苦しんだ方もおられます」

アリシャナが俺に隠したかったのはその部分だったのだと嫌でもわかる


だからこそ祝福の封印を解くことが出来ると言ったわりにそれを勧めてくることはなかったのだろう

俺は何も気づけないままアリシャナに守られていたということか

そう思うと自分の無力さに苛立ちを覚えずにいられなかった

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