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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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15-1.真相

「アリシャナ」

沈黙を破ったのはエイドリアンだった


「このままではお前の身が亡びるとはどういうことだ?帝王の言う全ての真実とはなんだ?」

「…」

「あの日帝王と何を話していた?あの時に何の約束をした?」

あの日が帝王の屋敷に出向いた時の事を指しているのは明白だった


「言いたく…ありません…」

「俺にお前が弱っていくのをただ見ていろと?」

「そういう意味では…」

アリシャナは咄嗟に反論しようとしていた


「アリシャナ、俺は最初からお前に惹かれていたようだ。アリシャナの事を知る度愛しいと思う気持ちは大きくなる」

エイドリアンはそう言いながらアリシャナの頬を両手で包み込む

「愛してる…お前に同じように愛を返してくれとは言わない。でも、一人で何もかも抱え込まないでくれ」

「リアン様…」

アリシャナの目から涙が溢れ出すのを見てエイドリアンはアリシャナを抱き起した

薄いナイトウェアだけでは寒いだろうと側に合ったガウンを肩から掛けて抱き上げる


「リアン様…?」

何をするつもりなのだろうかと不思議そうな目を向ける

エイドリアンはソファに身を預けると自らの膝の上にアリシャナをおろした

「全て話すまで逃がさない」

「…!」

逃れられないよう抱き寄せられてアリシャナは戸惑っていた

「どれだけ長くなっても、まとまってなくても構わない。祝福の事もアリシャナの力の事も全て話してくれ」

真っすぐ見るその目には強い決意が秘められていた


もうごまかすことは出来ないと悟ったアリシャナは覚悟を決めるしかないと諦めた

「…魔力を封じられている間、リアン様はご自身の負の感情の強さに比例して、まわりのあらゆる負の影響をその身に取り込むんです」

「負の感情に比例して?」

「はい。だから帝王はリアン様の祝福を呪いと恐れられるまま放置しただけでなく、帝王にとって都合の悪い者を失脚させると同時にリアン様をさらなる孤独に追い込もうとした」

「…まさか帝王の命での婚約は…」

「お相手は帝王に反旗を翻そうとした者や、今の地位に胡坐をかき邪魔になった者の娘だったと」

それはナイジェルとアンジェラの事をみれば疑う余地もなかった


「負の影響とは?」

「代表的なものは暴動や犯罪。今の帝王になってからそれらは一切起こっていません」

「確かにこの20年ほどは騎士団が平和ボケしていると父さんが言っていたが…20年…?」

「リアン様が誕生されてから、です。この国の平和はリアン様やスターリング家の孤独の上に成り立っていたということです」


「帝王はそれを認めたのか?」

怒気のこもった声だった


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