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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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14-2.苛立ち(side:エイドリアン)

「そなたのそんな表情を見れるとは驚いた」

笑いながらそう言う帝王を前に何とか平静を装い向かいに座った


「一体どうなさったと?命じていただければ…」

何とか取り繕いながら言いかけた言葉は帝王に遮られた


「構わん。アリシャナの事が少し気になったのでな」

「アリシャナを?」

なぜ帝王がアリシャナを気に掛ける?

俺の中で靄っとした何かが沸き上がるのが分かった


「そなたはアリシャナからどこまで聞いておる?」

「どこまで…とは?」

一体何のことだ?


「祝福のことだ」

「!」

耳を疑った

なぜ帝王がそのことを知っている?

権力者に知れるのはまずいと言ったのはアリシャナ自身じゃなかったのか?

どこか裏切られたようなそんな仄ぐらい気持ちが溢れてくる


「誤解するなよ?我はアリシャナに聞いたわけではない。我が産まれた時より授かっているスキルのおかげだ」

「スキル…」

ではアリシャナが裏切ったわけではないということか?

ホッとした

俺は気づかないうちにこんなことで揺らぐほどアリシャナに心を許していたということだろうか?


「アリシャナはまだ寝ているそうだな?」

「はい。最近少し体調がおかしいのか弱ってきているようで…」

そう答えると帝王は何かを考えている素振りを見せた

これほどまでにアリシャナを気に掛けるのが解せない

一体2人の間に何があるというのか…?


「質問を変えよう。そなたは祝福に関して何を聞いている?」

「…私が伴侶と決めた相手と魔力を交換することが出来れば封印された魔力が解放されると。その魔力は国を左右するほどの力だと」

「他には?」

「いえ…」

他、とは一体?

この呪いだか祝福だかわからんものにまだ何かあるというのか?

帝王は一体何を聞きたいんだ?

話せば話すほど疑問ばかりが増えていく


「アリシャナの力については?」

だからなぜ帝王がそんなことを…!?

自らのこぶしを握り締めた痛みでハッとする

帝王がここまでアリシャナの事を気にかけることをこれほどまで不快に思うとは…

こぶしを緩め何とか気持ちを落ち着ける


「私の淀んだ魔力を浄化することができると」

「そなたの淀んだ魔力を…か」

繰り返しながら大きなため息が吐かれた

だから一体何が言いたいのかと叫びたくなるのを必死でこらえた

「アリシャナはただそれを浄化をしていると?」

「はい」

頷きながら『ただ』とつけられたのが引っかかるがそんなことは帝王の次の言葉でかき消された

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