表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/77

9-2.閉じ込められた生活(side:アンジェラ)

ノックぐらいしなさいよと思ったけど…豚には無理ね

「ええ、呼んだわ。嫁いできたのに顔を見せないってどういうことかと思ってね」

これまで男は皆私に傅いてきたのよ?

その私を妻に出来たんだから敬って当然なのにこの豚は10日も顔さえ出さなかった

理由次第ではお父様に連絡を取って懲らしめてやらないと…


「どうもこうも私の優先順位の一番上は絵を描くことだ。それは父上もご存知だしあなたは望んで嫁いできたわけじゃないだろう?私のことなどその辺の豚としか思っていないと聞いたが?」

ありえない答えが返ってきた

私が一番じゃないなんて許せない!


「そうよ。でも背に腹は代えられないじゃない。私はあんたの子を2人産むまでここから出してもらえないのよ!?あんたなんかに抱かれるなんて吐き気がするけどそれしか手段がないなら受け入れるわ。だからあんたも役目を果たしなさいよ!」

本当は絶対嫌だけど…別の男を呼び込むことも出来なさそうだから諦めるしかないわね

こうなったらとっとと2人産んで憂さ晴らしするしかないわ

そう思っていたのに…


「…少なくともそんな態度の女性を抱く気にはならない。今の君を抱くなら娼館に行った方がましだ。3か月時間を差し上げよう。あなたは一度自分の立場をきちんと理解した方がいい」

「どういう意味よ?」

「帝王の血を引く家の者として恥ずかしくないふるまいを身に着けてください。あなたに選ぶ権利があるように私にも選ぶ権利がありますから」


「は…?」

耳を疑った

この豚は私を選ばないと言っているように聞こえるのは気のせいかしら?


「明日から家庭教師を寄越します。全員が合格を出せば…そうですね、私の仕事が落ち着いていて私の気が向けば、この部屋を訪れて差し上げますよ」

「何…言って…」

「次にお会いできるのがいつかは分かりませんが…まぁそれもあなたの努力次第でしょう」

失礼、とそう話を終わらせてマックスは出て行った


「ちょっと待ちなさいよ!」

私がどれだけ叫んでも豚は振り向きもせずに去ってしまった


豚がここに来ない以上私の望みは叶わない

「ちょっと待ってよ…」


なんて言った?

恥ずかしくない振る舞いを身につけろ?

家庭教師を寄越す?

合格しても豚の仕事と気分次第?


私はその場にへたり込んだ

よくわからないけど私の思っていた状況と違うということだけは分かる


「何でこんなことに…?」

その言葉をこの先嫌というほど繰り返すことになるなどこの時の私は思いもしなかった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ