9-1.閉じ込められた生活(side:アンジェラ)
「ねぇ、一体いつまでここに閉じ込める気?」
私は苛立ちを押さえることが出来ず吐き捨てるように尋ねた
「アンジェラ様が2人のお子を産み落とされるまでと命じられております」
では、とお辞儀してメイドは出て行った
帝王の言った通り私は本当につながれていた
あんなのただの比喩だと思ってたのに何でこんなことに…?
部屋の中央にある柱に繋がれた鎖の反対端は私の左足首の錠だった
あの日屋敷に戻るなりこの部屋に通された
エリナは私の身支度を整える中で驚くほど自然にこの足の枷と錠を取り付けていた
気付いたときには既に鎖の反対側は柱につなぎ留められていて逃げ出すことも叶わなかった
バスルームもトイレも当然のようにある
部屋の中は自由に行き来できるもののこの部屋から出ることは叶わない
万が一鎖を外せたとしても窓の下でもドアの前でも護衛が見張っている
「ちょっと!マックスを呼びなさい」
「申し訳ありません。ただいま絵に没頭なさっていますので」
この返事を一体何回きいただろう?
「それ、ここに来てから10日ずっと同じことしか言ってない。くだらない言い訳はもうたくさんよ!」
「事実でございます。短くて2週間、長ければ3か月ほどアトリエから出られることはございません」
「は…?」
それが何を意味するのか理解するのを私の頭は拒んだ
最悪3か月もこのまま放置されるなどありえない
この私が3か月もこのまま蔑ろにされるなんてむしろあってはならないのよ?
「これは命令よ。呼んできなさい。マックスの妻である私が言ってるの。それがどういう意味か分かるわよね?」
メイドに掴みかかって言うとメイドは恐怖から震えながらかろうじて首を縦に振る
「さっさと行きなさい」
部屋から蹴り出して自分はベッドにダイブする
あれから30分は立ったはずなのにまだあの豚は来ない
その間苛立ちをぶつけるように気持ちを吐き出していた
言葉にすれば少しはこのムカつきもマシにはなるはず
なのにどれだけ吐き出そうとこの待たされる時間がそれを叶えてくれない
「ちょっと!いつになったら来るのよ!?」
「申し訳ありません。私にはわかりかねます」
淡々と答える私に付けられたこのメイド
何をどれだけ言っても顔色一つ変えやしない
それが余計に憎たらしいわ
「本当に役に立たないメイドね!今度お父様にあったら首にしてやるから!」
側に有った本をメイドに投げつける
でも届かなくて余計に腹が立つだけだった
「呼んでると聞いたが?」
突然ドアが開いてようやく豚が入ってきたのは1時間が過ぎてからだった




