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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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7-3.新しい生活

「あなた方は私たちの入店を拒否なさいませんでした。であれば、私たちはあなた方にとって他の客と同じはずです。その客に対する態度として、先ほどのあなた方の態度は正しいのかとお伺いしているんです」

「…」

真っすぐ目を見て尋ねられたスタッフは目を反らした


「そもそも、先ほどのお話ですがあなた方の中に、エイドリアン様から直接何かの被害を受けられた方がいらっしゃいますか?」

「…いいえ」

「エイドリアン様のこの入れ墨が呪いだと噂されているのは私も存じてます。でもその呪いとされるものを受けられた方をあなた方はご存知なのですか?」

「それは…」

スタッフたちが顔を見合わせ首を横に振る


「あなた方の中にスターリング家の方から何か被害を被った方がおられるというなら謝罪させていたただきます。でも、被害を被ること自体あり得ない。エイドリアン様は噂を知ってるからと、必要以上に人前に姿を現すことさえ避けておられるような優しい方なのですから」

「アリシャナ…」

「アンジェラのことも同じです。あなた方は私とアンジェラが姉妹ということしか知らない。実際どんな関係性だったか等興味も示さない。あなた方はスターリング家に嫁いだ私を災難だとおっしゃいましたが、私にとったらブラックストーン家にいる方が災難でした。そんなことですら軽い気持ちで噂をするあなた達には関係ないのでしょうけれど」

「アリシャナ、もういいから…」

エイドリアンがアリシャナの肩を抱き寄せる

そのアリシャナの体は少し震えていた


「プライベートで貴方達が噂話を楽しまれるのは自由です。でも、あなた方の、興味本位の、無責任な噂話がその相手を傷つけることもあるんです。考えてもみてください。ご家族にただ痣があるからと虐げられても、あなた方は平気でいられますか?」

「…」

スタッフたちが黙り込む

「それに何より、少なくとも今、あなた方はこのお店の看板を背負っておられるはず。そんな方が無責任な噂話を店内でされる等私としては信じられないことです」

アリシャナが言い切った時奥から足音が近づいてきた


「あなたのおっしゃる通りです。彼女たちの分も謝罪させていただきます」

年配の女性がアリシャナ達の前で立ち止まり深く頭を下げた

それを見てスタッフたちも頭を下げている

「私共を含め国を守る総指揮を取られているバックス様のご家族の皆様に対して感謝こそすれ、根も葉もないうわさ話をするなどあってはならないことです。勿論アリシャナ様に対しても…随分立派になられましたね」

女性は目元に涙を浮かべてそう言った

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