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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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6-3.そんなつもりではなかった(side:ナイジェル)

「50人近くの雑用をしていたとはいえ、それを1人あたりにすれば大したことはないだろう?その程度の業務が増えて支障が出るのであればそんな人材は不要だ」

「それはもっともですがしかし…」

まずい。まず過ぎる

この流れは私の地位が危ぶまれる!


「それとも()()魔術師団は、成人したばかりの小娘が一人抜けただけで立ち行かなる程度の集団だったか?ならば魔術師団自体の存在意義を考え直さねばならんな」

帝王は私の逃げ道をことごとく塞いできた

これ以上反対するのはどう考えてもまずい

反論すればするほど追い詰められてしまう…


「お、お待ちください!アリシャナの脱退は認めます。これまで通り帝王のお役に立つよう…」

「当然だ。それが出来ぬのならそなたの進退も含め考え直すだけの話だ」

私にはもう何も言えなかった


「ナイジェル、我が何も知らぬ愚王だとでも思っていたか?」

帝王の視線が私の背後の本棚に向いているような気が…?


「と、とんでもないです!」

まさか全て知られている…?

そんなはずはないはずだ。知っていればこれまで見逃されてきたはずが…

「本当にそうかな?まぁ、それは今問わずともその内わかる事か」

「それは…どういう…?」

「さぁな」

帝王は意味ありげに笑いながら立ち去った


「まずい…」

つぶやきながら自らの執務室を見回した

綺麗にかたづけられたデスクに書棚、そのどこに何があるのかさえ見当もつかない

「単にアリシャナを痛めつけたかっただけなんだ…それなのに私はどこで間違えたのだ…?」

部屋の中をウロウロしながらブツブツとつぶやいているとノックの音が響いた


「入れ」

「失礼します。師団長、こちらの書類の処理ですが、いつものようにお願いします」

「あ、あぁ分かった」

書類を受け取りその団員に助けを求めたいのを必死にこらえて見送った

扉が閉まった途端書類を食い入るように見るがなんの書類か見当もつかない

いつものようにと言った団員に今さら問いただすことなど出来るわけがない

そんなことをすれば私はとてつもない恥をさらすことになるではないか…


「書類の処理は全てアリシャナにさせていたのにこんなことになるとは…」

焦りから冷や汗の止まらない中、必死で思考を巡らせるがいい考えは浮かばない

最初の3年ほどは大したことはさせていなかったが、この5年程は補佐として全て押し付けてきたのがあだとなってしまった

「何とか代わりを用意しなければ…」

そうつぶやきながら必死で逃れる道を探し続けた

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 知っていてあえて何もしなかった帝王もクズですね。 タグに、王もクズ、ドアマットも入れてほしいです。 [一言] ざまぁ話というのは、主人公痛めつけるのが好きですよね。 そこまでドアマット…
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