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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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6-2.そんなつもりではなかった(side:ナイジェル)

「あぁ、もう一つ」

「…?」

浮かべられたにこやかな笑みが逆に恐怖心をあおる

「二度と顔を見せるなと言われたとも言っていたな」

「は…?」

いかん

予想外の言葉に間抜けな反応をしてしまったではないか…


「だとすればお前自身が魔術師団から追い出したともとれる」

「なっ…私はそう言うつもりでは…!」

だがしかしそう取れなくもないではないか…そんなつもりは全くなかったというのに…!

そもそもこれまでのようにいつもの捨て台詞だったはずだ

それがなぜ今回だけはこんな大事になっているんだ?

これまで通り次の日には何もなかったかのようにふるまえばまだ可愛げがあるものを…


「何にせよアリシャナはその言葉に従ったまでだろう。ブラックストーン家と縁を切り、今はスターリング家の者となった。スターリング家もブラックストーン家とのかかわりは拒否するようだ」

「そんなはずは…」

スターリング家からそんな話は来ていないはず…

でも帝王がいってるということはあの男がそう宣言したということか?

なんという余計なことを…!


「このことを我が知っているということがどういうことかは分かるな?」

威圧を含んだ声音で言われ私の体は震えた

圧倒的な力の差は過去より身に染みて知っている

逆らい、怒らせれば私だけでなく一族の命の保証はないだろう

実際そうして消えていった一族をいくつも見てきただけにただの脅しでないことは明白だ


だが私は認めるわけにはいかないのだ

「しかし…アリシャナが突然抜けると業務に支障が…」

()()()()にだ?」

「それは…」

言いかけて慌てて言葉を飲み込んだ

私の業務だと悟られるわけにはいかない…何かうまい言い訳を…


「魔術師団に入れた際に言ってあったな?未成年の内は雑用以外に携わらせることは認めないと。それが法で定められている以上、魔術師団の中でも例外は認めないともな」

「確かに聞いております」

ここは反論すべきではないと反射的に肯定した

でも嫌な汗が止まらない


「アリシャナが成人したのは1か月ほど前だったか?」

「はい」

「であれば大した業務は出来ないはずだな。それなのに雑用係が抜けて誰が困るというのだ?魔術師団には雑用レベルの業務をこなせない者しかいないのか?」

「いえ、決してそのようなことは…」

団員は全く困ることもない

アリシャナがしてたのは私の仕事だけだ

こんなことなら団員の仕事も手伝わせていれば…

今さら悔やんでもどうしようもないのだがそう思わずにいられない

歯を食いしばり何とか抜け道を探していると帝王はさらに続けた

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