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ミルク


 俺の名前は岡本光輝。17歳高校2年生だ。

 趣味は小学生の女児で精を吐き出す事。小さな体がもがき苦しむ様を想像するあの背徳感がたまらない。。俺はあの瞬間の為に生きていると言ってもいい。

 そんなある日の事だ。今日も学校でじじいばばあのどうでもいい話を聞く8時間が終わった。

 俺はいつもわざわざ遠回りをして公園の前を通る。その公園は近くに小学校がある事もあり幼女が集まるのだ。俺はここで休憩がてらジュースを買い飲み終えるまで幼女をじっくりと鑑賞する。


 「また、来たんですね」


 俺がベンチに座るや否や一人の幼女が俺に話しかけてきた。


 俺に話しかけて来たのは9歳のルーナちゃんだ。金髪ブロンドの肩付近まで伸ばした髪。慎ましい胸。全てを愛に包む大きな丸い瞳。俺が今一番襲いたいと思っている幼女だ。

 ルーナちゃんと話をし始めたのは今からちょうど1週間前俺がいつものように幼女鑑賞に浸っていると突然話しかけてきたのだ。あまりに突然の事で俺は人生最大の勃起を味わった。ルーナちゃんは産まれ付き体が弱いらしく公園で遊んでる子供達のようには遊べないようだ。夜の遊びは出来るのだろうか?


 「岡本さんは魔法や不思議な力...何てものを信じたりはしますか?」


 急な発言にややビックリして目が丸くなる。日曜朝に放送しているアニメの影響でも受けたのだろうか。勿論俺自身、魔法を信じていないというわけではないのだ。


 「うーん、信じるというより憧れの方が強いかな?そんな力を使って世界を救ってみたいなー、とかね」


 誰しも一人は思ったことがあるだろう。そう答えた瞬間、ルーナちゃんがニコッと一瞬微笑むと立ち上がり、数歩歩いたところで此方を振り向いた所でルーナちゃんが口を開いた。


 「岡本さん、一緒に行きませんか?魔法も不思議な力もある異世界へ...!」


 俺はルーナちゃんの言葉を聞いてキョトンとした表情をしていた。


 「シュ・ラーフ」


 ルーナちゃんの此方に手を翳し、そう言い放った瞬間瞼が急に重くなり強烈な眠気が俺を襲った。ルーナちゃんの手が青白く光っているようにも見えた。

 薄れゆく意識の中、ルーナちゃんは俺を見ていた事が分かった。だが、その笑顔は少し悲しそうにも見えた。この笑顔を見たのを最後に俺は眠った。


 「ごめんなさい」




―――――――――――――――――――――



 「うっ...」


 あれからどれくらいの時間が立ったのだろうか。ルーナちゃんを見たのを最後に記憶が途切れている。床は冷たく寝心地は良くなかったため俺はゆっくりと体を起こした。体が痛い。


 「目を覚ましたようです。アリナ様」


 一人の女の子の声が聞こえた。俺は瞼をゴシゴシと擦り意識を覚醒させるとスカート状の鎧を纏った二人の幼女が姿を現した。どちらも腰には剣をぶら下げている。

 百四十センチほどの背丈。アリナ様と呼ばれた方は銀色の髪が腰まで伸びており、煌めく赤い瞳が俺の瞳と目を合わせていた。それぞれを凝視し合っている。

 隣には側近だろうか。俺の起床を確認すると主と思われる幼女の斜め後ろに赴き跪いた。後ろ髪を左右に分け胸辺りまで垂らしている青い髪。此方も美少女だ。二人とも滅多にお目に掛れない程の美幼女で俺の肉棒が脈打っているのが良く分かる。


 「童の名前はアリナ・アーデルハイト。タルミアラ騎士団団長を務めているのじゃ」


 アリナ・アーデルハイト...そう名乗る少女は腕を組み、此方を見つめている。


 「ここはどこなんだ...?」


 俺は何が起きたのか分からず自己紹介をする余裕もなく、疑問をトシキと名乗る少女にぶつけていた。


 「...異世界人は自己紹介すら出来ないのですか...?」


 飽きれたような口ぶりで隣の側近らしき幼女がこちらを睨む。仕方ないだろう。見知らぬ土地に連れてこられたんだ。...てか、異世界.....人...?


 「良いではないかシャル、まずはこの者の能力を知る事が最優先事項なのじゃ。一戦交えれば、恐らくこの者の能力が分かるのだろう...?」


 嘘だろ...俺、ほんとに異世界に...?いやいやいやいや、おかしいだろ...いきなり異世界って...夢...?てか、ルーナちゃんはどこだ......?


 「えぇ、ルーナ様の話が確かなら...ですが...」


 ルーナ...…?今、確かにこの子”ルーナ様”って…


 「さて...ルーナが呼び出した異世界人が...どれほどの力を持っているか...」


 「リヒト・シュネル!」


 「い、今ルーナちゃんって...」


 ルーナちゃんに付いて問いただそうとした時、アリナが一瞬で視界から消えたと思うといつの間にか自分の懐に潜り込み、剣が目の前まで迫っていた。

死ぬ...!


 ゴンッ


真剣で俺の頭が真っ二つに切られた...と思ったが、頭には低く、重い音が響いた。視界がグラグラと揺れて俺は倒れ込んでいた。


 「木...刀...?」


 何が起こったのかすら分からずその場に倒れ込んだまま、体が一歩も動かない。ただ、死んではいないみたいだ。死ぬほど痛いが...


 「どうした、異世界人!こんなものなのか!早くその力を見せるのじゃ!」


 痛い...頭も割れる様に痛いってのに今度は倒れた俺を蹴るは踏むわ、本当にコイツ子供なのかってくらい力が強い。30秒ほど俺への暴行を咥えた所でやっとアリナの動きが止まった。


 「......興覚めじゃ。羽交い絞めにすれば何か力を発揮するとは思ったが...何もやり返せぬとは......シャル、ミルクを持って来てはくれぬか?少し喉が渇いてきたのじゃ」


 「もうこちらに準備しております。どうぞお召し上がり下さいアリナ様」


 アリナがシャルの差し出したコップの中身を一気にぐびっと飲み干す。


 「っ...!げほっげほっごほっ」


 だが、飲み干す寸前にミルクを思い切り吐き出してしまう。どうやらむせてしまったようだ。アリナが一度口に入れ、吐き出してしまったミルクが床一面に広がる。


 「アリナ様!大丈夫ですか!?今すぐ何か拭くものを...!」


 シャルが慌てふためきおろおろしている。


 「心配はいらんシャル、童は次いでに風呂に入ってくる。その間にあの者を処刑して欲しい。見るだけでも不愉快なのじゃ」


 「はい、アリナ様。私にお任せください」


 (あぁ...ここで俺死ぬのか。最後にまた...ルーナちゃんに会いたかったな......)


 半ば諦めかけていた俺の目の前に一滴の白が映し出された。恐らく、アリナが先ほどまで飲んでいたミルクだろう。


 (最後に...あのミルクを...)


 ゆっくりとホフク前進しながらミルクに近づく。頼む、どうか最後のあのミルクを...俺に...


 「まだ動ける気力があったのですね。まあ...あなたはここで貴方は終わりです。」


 目の前にシャルが立ちふさがっていた。その手には剣が握られていた。今度は木刀ではなく人を貫ける剣だ。


 「最後に...何か言い残すことはありますか?私が聞いてあげますよ?」


 ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ


「!?」


 俺が精一杯伸ばした手はギリギリ一滴のミルクに触れる事が出来た。そのミルクに触れた指を一心不乱に舐め続けた。1ミクロの成分をも逃さないように。


 「な、何をしているのですか!?」


 困惑しているシャルの声など全く気にする素振りすら見せず俺は舌を動かし続けた。指を舐めまわすことに飽きると、今度は床を舐め回し、床に付いているミルクも残さず舐めまわした。


 ちゅっぺろぺろぺろぺろちゅっぺろぺろぺろ


恐らく汚い音が部屋中に響いているのだろう。だが、俺はそんなもの知らない。一心不乱にミルクのあった場所を舐め回した。

 もうミルクの味なんてものはない。だが俺は「床に付いている」ミルクを舐めているんじゃない。「床にミルクがあった」という事実を舐めている。これ程幸せな事はないだろう。


 「...気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」


 シャルは何故か発狂寸前だ。此方に剣を向けている。


 「岡本...光輝」


 「へっ?」


 まだ少しふらつくけど牛乳飲んでちょっと気力が戻ってきた気がする。立って話すことくらいは出来そうだ。自己紹介をしておかなくちゃな...


 「自己紹介がまだだったよね。俺の名前は岡本光輝。17歳。君の名前は...シャル......かな?」


 俺の人生の中でも無いくらいベストな笑顔を浮かべて自己紹介をした。


「ヒッ...」


 アリナが何に怯えているのかガタガタと震えていて、その場に倒れ込んでしまった。


 「何に怯えているんだ?シャルちゃん」


 「き、気安く私の名前を呼ぶな!気持ち悪い!お前など、死んでしまえ......!」


 死んでくれ...か。シャルは俺をジッと見つめ、届かない距離で剣を振り回している。なるほど、この子はツンデレ属性をお持ちのようだ。


 「...こらこら、危ない物を振り回しちゃいけないよ。」


 俺はシャルに満面の笑みを浮かべながら近づいた。安心させるためだ。


 「来るな!来るなぁ!!!」


 シャルは剣を振り続け、一向に俺への警戒心を解かない。何故だろう...こんなにもイケメンが近づいているのにな。まあ、初対面だしなぁ…

 あ、そうだ。頭でも撫でてやれば落ち着くんじゃないか...?

 

 満面の笑みを向けたままゆっくりとシャルに近づいて行くと、やっと剣を振り回すのをやめてくれた。

 

 「ぁ...ヒッ...や、やめ...」


 俺がシャルの頭に手を伸ばし、頭を撫でよとした直前


 バンッ


突然、部屋のドアが開いた。


 「き、貴様!そこで何をしている!!!」


 野太い男の声が聞こえてきた。扉からは全身を鎧で纏った男が此方をじっと見つめている。


 「誰だ...?」


 爆発しそうな怒りを堪えて静かに問う。


 「私はタルミアラ騎士団副団長エーグル・グレイラック!アリナ様からこの部屋の様子を確認する為に遣わされた!貴様が異世界人だな!シャルロッテ様に何を...!」


 俺の心は、無意識に殺意だけに囚われていた。現実世界ではこんな大男が出れば相手にする気は更々ない。だが...今回だけは許せない。シャルちゃんと俺の交流の瞬間を邪魔したことが。気が付くと、俺はエーグルの目の前に居た。どうやって移動したのかは分からなかったが、コイツに痛みを与えたかった。殺したかった。


 「えっ...?」


 (鎧には弱点がある...人体の構造上、関節部分は鎧でカバーできない。今回最も有効なダメージが与えられる場所は...)


 「死ね」


 俺の自分の全力を乗せてエーグルの股間を蹴り上げた。


 「お”ごぅ」


 エーグルが痛々しい声を上げてその場に膝から倒れ込んだ。


 「失せろ」


 こみ上げる殺意を何とか抑えて静かにこの場に立ち去るように言う。


 「き、貴様...その能力はアリナ様と同じ...」


...確かに、さっき一瞬で移動したのはなんだったんだ?


 「シャル!遅いぞ。何をやって...!?」


アリナが扉を開け部屋に入ってきた。

先程は鎧を纏って居たが今回はバスローブの様な姿で姿を現した。


 「ほぅ...」


 思わず歓喜の声が漏れ、にやりと微笑んでしまう。現実世界では滅多に入らない美少女のバスローブ姿である。俺の脳内に永久保存した。


 「なぜ貴様が生きて...しゃ、シャル!?え、エーグル!!どうした!何があった!」


 「ア、アリナ様...その男は恐らく...貴方とおな...じ...」


 エーグルが遂に意識を失いぐったりとその場に倒れ込む。


 「エーグル!大丈夫なのか!?しっかりするのじゃ!シャル!状況を説明するのじゃ!」


 アリナがエーグルの肩を揺らし意識を呼び戻そうとするが全く反応はない。気を失ってしまったようだ。


 「ア、アリナ様...そいつは危険です...お、恐らくアリナ様と同じ...同じスキルを...」


「もう良い、シャル。童には、こやつが敵...と言う事が分かっただけで充分じゃ」


シャルがボロボロと大粒の涙を流しながらアリナに説明しようとするが、アリナがそれを制す。


 「おい...貴様...名を名乗れ」


 そういえばこの子には名前を名乗ってなかったか。


 「あはは、ごめんね~。まだ言ってなかったよね!さっきはいきなりのことすぎて全然喋れなくてさ~。俺の名前は岡本光輝!17歳だよ!これからよろしくね!」


 「ははっはははっ...ルーナも飛んでもない奴をこちらに送って来たものじゃ...ここまで童に殺意が芽生えたのも久しぶりじゃのう...死ね」


 「リヒト・シュネル!!」


 アリナが腰の剣を抜き向かって来た。今度は木刀ではない。恐らく真剣だ。


 ...だが遅い。先程頭の頂点に一発貰ったが、その時よりも遅い。見える。躱せないほどではなかった。


 (今アリナは頭に血が上っている状態だ。頭に血が上っているやつの攻撃は大抵が大振り...当たらなければどうという事はない!)


 アリナが腕を大きく上げて「死ね!」と叫びながら何度も俺を切り刻もうとしてくる。


 「くそっ...ちょこまかと...いい加減死ね!死ねばいいのじゃ!」


 やはり避けられる...寧ろ目が慣れて来て遅くも感じてきた。だが、避けるだけではやはり拉致があかない。ニート並みの体力の俺じゃスタミナ切れで死ぬのも時間の問題だろう。


 「えーっと...こうか?」


 さっきエーデルにやった感じで体を動かしてみたら一瞬で移動できた。


 「お、できるじゃん」


 アリナは驚きの表情で此方を凝視する。


 「き、貴様!その力をどこで...!?」


 「どこで...って言われても何か出来ただけなんだけど...」


 本当にいつの間にか使えるようになって俺すらも良く分からない。だが、これがアリナの使った「リヒト・シュネル」に近い事も分かる。


 「まさか童に似た固有スキルを使うとは...どこまでもバカにしおって...リヒト・シュネル!」


 「なんだ?遅くないか?」


 今までは一瞬で移動していたように見えたものが全く早く感じなかった。今まで躱すのがやっとだった攻撃も簡単に避けられる。


 「くそっくそっ何故童がこのような雑魚に...」


 「...リヒト・シュネル!」


 一瞬でアリナの後ろに回り込んだ。どうやらアリナも気づいてないみたいだ。だが…


 「死ね」


 あと一歩のところでアリナに攻撃を加えられそうだったが、剣を持ったもう一人の鎧の幼女、シャルに防がれる


 「シャル、もう大丈夫なのか?こいつは危険じゃ。二人でやるぞ......」


 まずいな...二人相手は流石に厳しいかもしれない...俺のイケメンスマイルで何とかなるか......?


 「そこまでです」


 俺たちを制する声が聞こえてきた。

 ...どこか聞いたことのある優しく可愛い声。この声は…


 「ルーナちゃん...!」


 俺の顔がパァァッと明るくなったのを感じた。


 「やはり...私の見込んだ通りでしたね...シュ・ラーフ」


 ルーナちゃんがニッコリと微笑み、またあの呪文が唱えられた。


 薄れゆく意識の中でルーナちゃんの微笑んだ顔を1秒でも長くこの脳内に収めようとルーナちゃんを見つめた。

週一ペースで更新出来たらなって思います

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