第4話 西リンダリア帝国共通語を日本語に翻訳してお送りしております
連続的に降りかかるエイダへの呪い、次なる症状にうんざりしていると目の前に解呪師が現れた、気障っぽい若い男だ。身長は五尺四寸ほど、体重は百二十一ポンドくらい。男は〈異端児クリストファー〉と名乗った。
「これは麗しいお嬢さん、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、とはこのことだ。お困りのようだね、この私が助けてあげよう。いざ鎌倉、のときは我々解呪師の出番だ」
「いやなんか、気味の悪い人形が捨てても捨てても部屋に出現するのです。今また捨てに行くところだったんですが」エイダは手に持っていた木彫りの人形を差し出した。
「むむ、これは恐ろしい。悪鬼羅刹の類だ! 私に会えたのは幸運だお嬢さん。まさに地獄で仏というやつだったな。臥薪嘗胆の修行で味わったスパルタ教育の成果を見せてくれよう。我が剣を受けよ!」
人形に剣を振るうクリストファーだったが、謎の力によって弾き返されてしまった。
「くっ、この私の攻撃が失敗するとは。河童の川流れというやつだな、だが悪魔め、その手は桑名の焼き蛤。本体はこの人形ではなく、周囲のどこかだな!? よし、見切ったぞ、そこだ!」
クリストファーが道端の茂みを貫くとおぞましい悲鳴がした。どうやら悪魔に的中したようだ。
「この呪いの根源が、あの人形を媒介として宿主の生命力を吸い取り力を蓄えていたのだろう。だがこれで仕舞い……いや!?」
クリストファーが飛びのくと眼前に巨大な悪魔が姿を現していた。破れかぶれで真の力を解放したようだ。
「なんというでかさだ。東京スカイツリーくらいのサイズはあるぞ! だがこの程度で怯む私ではない! 我が力を受けよ悪魔め! 南無三!」
火炎瓶を投げカラシニコフを乱射し、ひるんだ所で解呪師の剣を渾身の力で振るうクリストファー。しかし、悪魔はびくともせず、通用しないのか? とエイダが思ったそのとき、敵の体に巨大な亀裂が走り、そのまま塵と化した。
「どうだ、これがオリンピックなら金メダル級の活躍ではないか。三途の川を渡るがいい、悪魔め」と十字を切るクリストファー。「怪我はないかなお嬢さん」
「ありがとうございます、おかげで助かりました」
「お安い御用さ。一応大事ないかレントゲンを撮ったほうが良いかもね。さてハンバーグでも食べるか」
颯爽とこの伊達男は歩いて行ったが翌日土左衛門で発見された。




