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ケース6:もうゴールしてもいいよね?


 ケース6:もうゴールしてもいいよね?



 ヤンデレブーム時代のアニメよろしくスプラッタな死に様をしていく帝国兵士達。

 グリロードはピンクに愛され過ぎて夜も眠れない日々が続いた。


 しかし、奇跡は起きてくれた。

 

 爽やかな戦隊を演じていたらしいがチームワークどころか互いに疑心暗鬼を引き起こし、遂には仲間割れを起こして共倒れが起きてどうにか生き延びる事が出来た。

 

「あぁ……なんかもう侵略とかどうでもよくなってきた……」


 次々と現れるとキチガ――既存の戦隊とは一風変わったヒーロー達の猛攻はグリロードのSAN値をガリガリと削り切っていた。

 特に女性兵士がピンクの手でハラワタを(自主規制)されたのを見た時はこの世に生まれた事を後悔したモノだ。


 しかし現実は非情である。

 次に現れたスーパー戦隊は一見すると普通のスーパー戦隊……では無かった。

 全員が美少女だった。


(またヤンデレとか混ざってるんじゃ無いだろうな……)


 グリロードは深く警戒しつつ心の奥底では「もうマトモであってくれ」と願うばかりだった。

 

 その願いが叶ったのか彼女達は普通のスーパー戦隊だったのだ。

 生身でもそこそこ強いし、変身ポーズはちゃんと決める。必殺技もお約束を守るし戦隊ロボを出すタイミングも普通だった。


 負けたと言うのにグリロードは歓喜に打ち震えて喜んだ。


 だが――彼女達の経歴は普通ではなかった。


 念のため釘を差しておくが別に脅威となる要素は無い。

 紛争地帯出身だとか諜報機関で訓練を受けた工作員だとか戦闘用アンドロイドだとかサイボーグだとか、ましてやエスパーとかではなかった。


 なんというか……経歴が生々し過ぎるのだ。

 

 継母の元で育っただとか、愛人の子とか、余命はもう僅かだとか、十代で子供を産んでしまったとか、経済面が苦しく高校中退だとか……もう別の意味で仮面の下の涙を拭ってしまいたくなるような経歴だにも関わらず可愛らしく一生懸命戦っているのだ。


 この分だと四クールを待たずして半クールぐらいで全滅しそうな儚さが漂っている。


 その上五人全員が此方に好意の感情を向けてくれる。いや、ハニートラップとかじゃなくて。


 内容も甘ったるい声色で切なげに「戦わないといけないんだね?」とか無理して笑顔を作って「もし殺されるのならグリロードがいいな」など……赤い悪魔どもやロードショーレンジャー、ゆとり戦隊に生々しい戦隊との戦いを潜り抜けたグリロードの良心が痛んだ。 


「私の愛を受け入れないなんて……いけない子……」


「お前まだ生きていたのか!?」


 何気にあのヤンデレピンクも追加戦士枠で戦列に加わっていた。


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