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ケース3:戦隊の人選がガチ過ぎる件


 ケース3:戦隊の人選がガチ過ぎる件

 

 明日とも知れぬ総力戦を潜り抜けたビンクジ帝国。


 余りの激しさに廃墟を通り越して荒野に変えてしまいそうだった赤い悪魔ども――もとい戦隊ヒーロー軍団との壮絶な戦いは本国から増援をよこさねばならない事態になっていた。

 

 だが増援部隊もヒーローロボの奇襲にあったりで結局総戦力の十倍以上の戦力を喪失。

 地球に辿り着いたのは極僅かだった。


 本国の方も地球産戦隊ヒーロー達の襲撃に遭って苦戦しており、ただの楽な遠征が最早帝国の存亡を賭けた戦いに発展してしまっている。


 銀河連邦に泣きつきたいところだったが、生憎帝国は銀河連邦とは犬猿の仲であり、地球との戦争も再三の警告や勧告を突っぱねて行った経緯があった――人の忠告は素直に受け取っておく者である。

 人生の教訓を得たグリロードだが今を生き延びねば単なる遺言になるため、その類い希な頭脳を常時フル回転させねばならない。


 さて、ヒーローオールスター物ラスト十分前ぐらいの敵役みたいな危機的状況であったが、幸運にもグリロードは己の秘めたる司令官としての才が目覚め、次々と戦隊ヒーロー達を討ち滅ぼす事に成功したのだ。もう大戦果と言って良いが先に大惨敗を経験しているのでプラマイゼロ。

 

「やっと!! やっとマトモな侵略活動に移せる!!」


 そんな事よりもグリロードは人目を気にせず涙を全開にしながらガッツポーズをした。


 地球に来て以来ずっと炎の匂いが洗濯しても肌に染みついてしまうほどむせる状態だったのだ。

 んな状況から解放されれば誰だって泣きながらガッツポーズしたくもなる。

  

 しかし奴らは再び現れた。


 五人だけだが明らかに人選が普通ではない。

 全員が屈強な筋肉の塊で鋭い眼光、体や顔に激しい古傷がある厳つい男達。

 横並びで歩けばどんな悪党も裸足で逃出しそうな程の迫力がある。 


 誰がどう見ても一流の戦士達だった。

 紛争地帯を数十年掛けて十カ国以上渡り歩いていそうである。 


 つーかこいつら変身するよりも生身で戦った方が強そうな気がするのはきっと何かの間違いだろう。

 

 戦闘員達は果敢に挑むが手首を折られたり、首の骨を折られたり、投げ飛ばされたり、ナイフで刺し殺されたり、爆弾の弓矢で吹っ飛ばされたり、ロケットランチャーで粉々にされたり、機関銃で蜂の巣にされたり――かと思えばガソリンスタンドの爆発で吹っ飛ばしたり、火炎瓶を投げつけられたり――とても朝の特撮物らしからぬ映像が流れていた。


 もう日曜朝の七時半と言うより木曜か金曜ロードショーみたいな酷い光景だ。


 怪人達も必死に抵抗したがレールガンやスティンガーミサイル、RPGー7などの猛攻を受けて爆発した。

 それを凌いでも戦闘ヘリや爆撃機の航空支援まで多用して本気で殺しに掛かる始末。

 その様相は「お前が死ぬまで攻撃するのを止めない」を言葉通りに実行していた。


 グリーロードの地ベタを這いずるような地獄の戦いは続く――


 

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