ATM
ビジネス街のとある銀行。
昼休みともなるとATMは長蛇の列だ。一郎はその列の中にいた。
スマホをいじりながら順番を待つ。少しずつ人々が前に進む。
「今日はなんか進むのが早いな・・・」
ちょっと気になったが、早く進むのはいいことだと、それほど気に留めなかった。
必要なお金を下ろして、会社に戻る。
数日後またATMに並ぶ。その日もまた長蛇の列。少しずつ前に進む。
「今日は一段と進むのが早いな・・・機械が高性能になったのかな・・・」
何気なしに人の出入りを見る。そしてある事に気づいた。
「出てくる人が少ない」
数十人の列、ATMは10台以上、結構早く進んでる、なのに銀行から出てくる人は5分に1人くらいじゃないか。
「どういうことだ?裏口があるのか?」
自分の順番が来たので空いたATMへと向かう。裏口はなさそうだ。
カードを入れて暗証番号を押す。現金を引き出す。お金を取り画面を見る。
《登録しますか?》
画面が問いかける。
こんな画面あったっけ?何の登録?
いつも現金しか見てなかったので気が付かなかったのかな?でも何の登録?
わざわざ銀行に聞くのもめんどくさい。
とりあえず《いいえ》を押して銀行を出た。
数日後またATMへ。この日はあまり並んでいなかった。いつものようにお金を引き出す。
《登録しますか?》
画面が聞いてくる。ちゃんとした銀行だし、変な詐欺でもないだろう。
「何かわからんが、めんどくさいので押しとくか・・・」
《はい》
地球から、いや銀河系からはるか遠く。
地球で言うヘラクレス座の球状星団の中に、地球とよく似た星があった。
地球同様に人間はいるものの、支配しているのはロボットたちだ。人間は地球で言う昆虫のような扱いだった。
ロボットの子供たちが遊んでいる。今流行のバトルゲームだ。自分の持っている人間を戦わせ強さを争うのだ。
「くそっ、また負けたよ。もう人間がなくなっちゃったよ。」
子供ロボットは言う。
「ちょっと自動機で出してくるね。まだ500匹はいるはずだから・・」
そう言うと子供ロボットは自動人間引出機(ATM)へ行った。
「えーっと、銀河銀行 地球支店っと・・・暗証番号は・・・・」




