2話 出会いの季節
彼女は綺麗な黒髪、整った顔立ち、スタイルのよさすべてにおいて完璧なまさに《美少女》の代名詞といっても過言ではなかった。さらに彼女の目はとても暗くて何かを背負っているようであった
彼女は俺のこともとい周りの人間をすべて無視するように歩いて行った
「俺もいくか……」
俺は、高校への桜舞い散る坂を黙々と登った。
* * *
2日目ということで余裕を持って教室に向かったつもりであったが同じ思考の奴が多いのかクラス内の8割がもう登校していた。
俺も席に座り周りを見渡してみせるすると、昨日ぼやけた目でしかクラスを見渡せていなかったが誰もが初対面のように感じる。左手前に目をやると、他とは違う雰囲気を醸し出す少女が居た。
『同じクラスだったのか』
彼女はまさに今日の朝に見た少女であった
「おはよーございまーす!」
教室に入って来た男子生の大声はクラス中の視線を集中させた、そしてその男は俺の席の前に座る
するとその男は、俺の方へ目を向け
「おっす早瀬!」
『こいつ昨日だけで名前覚えたのか……』
「お……おす」
俺のコミュニケーション能力を最大限に使った応答をした。
「今日から授業だなー」
「ああ」
「宿題とかあったっけ」
「ないと思う」
なんてこの男はこんなにも慣れなれしいんだ……俺は名前を知らんというのに。
「あ……あの君と俺って初対面だよな?」
「えっ、昨日あったじゃん」
男は不思議そうな顔で言う。
「ま……まあそうだけど俺は君の名前しらないなーなんて」
俺は作り笑顔で言う。
「すまない!」
男は勢いよく謝る
「いや気にしてないから……」
「それじゃー改めて俺は高尾悠斗だ、これからよろしく!」
と言って俺に手を差し伸べる俺も一応握手する。
「よろしく……」
続く
次回は3/14までには投稿の予定です