シーン2!(裏話)
これは、俺が駅から本庄家へ歩いていた時に起こった出来事である。
俺は躊躇いもなく切られたことに腹を立て、エロース様に電話をした。
「……もしもし、こちら女神のエロースですが、ご予約でしょうか?」
「いや、アモルだよ! 何予約させようとしてんですか!」
「えっ、あ、ゴメン。切るね」
「ちょっ、なんで俺だと切るんですか!」
「だってあんたのこと嫌いだから」
「……」
なぜ俺がここに送り込まれたという疑問に対する事の真相を知った瞬間だった。
「うっそぴょーん! あはははは! はあ……まあ、そんなに嘘でもないけど」
「………… もう一度聞きますよ、何でさっき俺の電話切ったんですか!」
「電話はかけたら、切るのは常識でしょ。問題でもあるの?」
「いや、問題ではないんですけど……」
「じゃあ、大丈夫じゃない。ああ、わかった! もしかしてあたしの声に恋しくなっちゃったんでしょ?」
「そ、そんな訳ないですよ!」
「そんな、嘘だー。アモル程の変態キューピッドに限ってこんなにスレンダーで、可愛くて、出てる所がうまく出てる体を持っているあたしみたいな上司を恋しくないはずがないよー」
「い、いや、そ、そ、そんなこと断じてありませんよ! あ、あ、ありませんからね!」
「正直言わないと…… 脱ぐわよ」
「わーお! 断固隠し通してやる」
「正直言わないと…… ちぎるわよ」
「何を!?」
恐ろしい部位が無理やり剥がされそうで、引いてしまった。
「あ、そう。じゃあ、大丈夫よね。だってこれ、通話料高いからあんまり長く話せないのよ」
「これ通話料かかってんですか! IP電話的なもんじゃないんですか、これ!」
「普通の電話だよ。だってさ、考えてみてよ。通話料、海を飛び越えただけでも目を張るくらい高いんだからさ、世界と世界だったらもうべらぼうだし。ああ、でもそっちからはいつでも電話してくれてもいいよ。ちなみにこの通話料、経費に入いんないから、アモルの給料から減らしておくね」
「えええぇ!?」
「だから、じゃんじゃん話していいんだよ。じゃあ、早速お喋りしようか! 今日は天界のかの有名なデパートに行ったんだけどさ、プリンが突然頭から降ってきて、甘いのは嫌だから金属バットを構えてたらミシンの上で一服しようって思って……」
「ピーッ、ピーッ……」
俺は今回は俺から切った。
ああ、こいつは本物だ。
今でいい。
俺をクビにしてくれ。