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15-苺-  作者: 悠-haruka-
2/2

【2】

 


『相澤春』


「はい」



入学式が始まり、新1年生の名前が呼ばれていく。




俺は返事をすることに、なんだか緊張していた。



声が裏返ったらどうしようとか、掠れたらどうしようとか、くだらないことで。



『神絵海』


「はぃ‥っ」



………あぁ!


やっちゃった!掠れた!


考えすぎたっ…



案の定、俺は掠れた弱々しい返事をしてしまった。



次々に生徒の名前が呼ばれていく中で、俺は一人肩を落としていた。




そんな俺を、可笑しそうに見てるやつがいたなんて、俺は気付くはずもない。



 


入学式も無事終わり、生徒はそれぞれ教室に戻っていく。



悲しいことに、俺と春は違うクラスだった。




あぁ…友達できるかな…


俺、春みたいに周りにいっぱい人が集まることとか少なかったから、結構人見知りなんだよなぁ…


春は、きっともう友達できてるんだろうな。


はぁっと溜め息を吐く。




そんなことを考えながら、うーんと唸っていたら、隣から声をかけられた。



「なぁ、大丈夫?そんな難しそうな顔して」


「はぇっ…?」



うわ、なにやってんだ俺。


今の間抜けな声…


恥ずかしいッ!




「ぷっ、入学式のときも返事に失敗してたよな」


「え、あ、うぅ…」 



隣のやつに笑いながらそう言われて、また恥ずかしくなる。



 


「俺、夏野皐月(ナツノサツキ)。よろしく、神絵海くん」



そう言って、夏野皐月はふわっと笑いながら、俺に右手を差し出す。




うわぁ…格好いいなぁ…


なんだか、春に負けず劣らずだ。


でも身長は、座ってても俺たちより高いってわかるから、もしかしたら全体的に見て、春より格好いいかもしれない。





「…海くんっ?」


「えっ?あ、はい!よろしくっ」



ぼーっとその顔を見つめていた俺を不思議に思った夏野皐月は名前を呼ぶ。



我に帰った俺は、ぎこちなく挨拶をして手を握った。



 


「海くん、やっぱりおもしろいな」



夏野皐月は、可笑しそうに笑いながら俺の頭をポンポン撫でた。




「あの、海でいいよっ?あっ、でもなんで夏野くんは俺の名前…?」



初対面の人に頭を撫でられて、しかも見惚れるような笑顔を向けられてることに顔を赤くする。


その上、友達できるかななんて心配してた今だから、声をかけてもらえたことにも驚いた。




あぁ、バカか俺は…


なに男相手に顔赤くしてんだよ…




そんな俺を不思議そうに見ながら夏野皐月は言う。



「顔赤いぞ?大丈夫か?それと、俺のことも皐月でいいよ」


「あ、うん!…皐月」


「うん。それで、海の名前知ってたのは━━」

 


皐月はそこで一度、間をあけた。




「…?」 



俺は、その良くわからない微妙な間に首を傾げ、目で先を促すように見つめる。



 


「んー、一目惚れ?」




……え?


今、なんて?




「一目惚れしたから名前知りたくて、入学式で呼ばれるときに聞いてた」





…はいっ?!


一目惚れ?!


なんですかそれっ!!



元々大きい目を更に見開き、口を開けたまま固まってしまった俺を見て、皐月はぷっ、と吹き出した。




「なーんてなっ!海は可愛いから、からかいたくなるな。まあ入学式で名前覚えたのは本当なんだけど」




なッ……!!




可愛いって…


しかもそんなニコニコしながら言われても…



やっぱり男の俺が可愛いとか言われるのは、なんだか微妙な気分だ。


 


それより冗談かよっ!!


びっくりしたぁ…


焦った自分が恥ずかしい。



 


こうして、高校にはいって初めての友達ができた。



こんなにはやく友達できると思わなかったなぁ…


自分でもびっくりだ。


なんか、バチ当たったりとかしないかな?




なんてことを考えてるうちに、HRが終った。




「よし、じゃあ明日からよろしくな。お前らいきなり休んだりすんなよ?俺に会えないのは寂しいだろ?はい号令」



と、なんか教師らしくない担任の言葉を聞いて、日直が号令をかけて解散。




それにしても、教師のくせに格好よかったな。


見惚れているクラスメートもいた。


自己紹介のときに27歳って言ってたかな。


皐月と話してたからあんまり覚えてないけど。 


身長は、180くらいあるだろうか。スタイルがいい。


そして大人の色気を醸しだしている感じだ。




一人でそんなことを考えながら帰る準備をしていると、先に準備を終えた春が、俺たちの教室にはいってきた。



 


「うーみー!帰ろーぜ!」


「ぉわっ!!」



突然肩に重みが掛り、蹌踉めく。



少しバランスを崩した俺の腕を、誰かが支えるようにパシッと掴んだ。




「あ、わりぃわりぃ」


と言って、笑いながら俺から離れる春。




「ったく、お前は。いきなりだと対処が遅れるだろ?まあ大丈夫だっ‥━━


「ちゃんと限度考えて行動しないと危ないだろ?」




まあ大丈夫だったからいいけど。


と、言おうとした俺の言葉は腕を掴んでるやつに遮られた。



 


俺を支えて、声をかけてきたのは皐月だった。




「あ、すんませ…、って、でかッ!!!」



危ないと注意されたことに謝ろうと振り向いた春は、皐月の背の高さに驚いている。




「あ、皐月だったんだ!支えてくれてありがとうっ。春、この人は夏野皐月。さっき声かけてくれて友達になったんだ!」



そう言って俺は皐月を紹介した。




うん、まあ春が驚くのも無理はない。



さっきは座ってたから、俺もそこまで気にしてなかったけど、立ち上がってる皐月は本当に背が高い。


今更驚いた。


俺たちとは、軽く20cm差くらいはあるんじゃないだろうか。





「あ、俺、相澤春。海とは幼馴染みなんだ。よろしくな!」



はっと気付いたように、春も名前を言って皐月に右手を差し出す。



「あぁ、よろしく」 


差し出された右手を、あのふわっとした笑顔で握る皐月。



 


「へっ…」



ん?


なんか今、春が変な声を出したぞ。




「あ、春、顔真っ赤だ」



春の顔を覗き込んで言う。


春は皐月の笑顔に魅せられて、真っ赤になっていた。




すると春は、サッと皐月から手を離して、俺の肩に腕を回しながら小声で話してくる。




「なぁ、皐月って、めちゃくちゃイケメンだな?」



うん、それは俺も思う。



「イケメン過ぎて恐くないすか、先輩?」


と、ふざけたように返す。


それに春ものってきて返事をする。



「なんかわかるな。オーラがな。イケメンオーラがちょっと恐いな、後輩」



顔を寄せてうんうんと頷きながら、ふざけた口調でコソコソ話す。



そんな俺たちを不思議に思った皐月が、いつの間にかすぐ後ろに立っていた。



 


皐月は突然、俺たちの頭をクシャクシャと撫でた。



「んゎっ!」


「ぅあっ」



いきなりのことにびっくりした俺たちは、勢いよく同時に後ろを振り返る。



そこにはニコニコ笑いながら俺たちを見下ろす皐月。




うわぁ…


ほんとにでかいなこんちくしょう!!





…じゃなくてっ



「ん、皐月?」


「どうしたんだ?」



俺たちはわけがわからないと目で訴えながら、皐月にどうしたのかと聞く。




そして皐月の口から出た答えは━━‥







「海も春も、ちっこくて可愛いなーと思って」



 


「「……はっ?!」」




俺は唖然とする。


もちろん春もだ。




何を言うのかと思えば…


可愛いとかちっこいとか…




「うー、皐月ぃ!男の俺たちに向かって可愛いってなんだよぅ!しかもちっこいってぇ!皐月の身長分けろよぉ!」



春が泣き真似をして、ふざけながら皐月に言う。




…そうなんだよな。


春はこういうキャラだからいつも周りに人が集まってて、賑やかなんだ。


常に笑いの中心にいる。



俺は泣き真似をする春を見ながら、一人感心する。




そんな俺たちを、皐月は可笑しそうに笑いながら見ていた。


 

 


俺たちよりも背が高い皐月は、少し腰を曲げて頭の高さを俺たちに合わせると、俺と春の首に左右それぞれの腕を回し、その腕で頭を包むようにする。



「「……ッ!?」」



突然のことに、俺たちは目を丸くする。


だが、皐月はそんな俺たちを気にもせず、更に包んだ頭をクイっと寄せて、自分の頭にくっつける。




「えっ、と…皐月?」


「お、おいっ…、いきなり何すんだよ?」




俺たちは驚きを隠せない。



皐月の端整な顔が目の前にあって、顔が熱くなっていくのがわかる。


俺と春の顔は、案の定真っ赤だ。



そして皐月は少し頭を離して、ふわっと微笑みながら言う。


 

「あぁ、なんか2人が可愛かったから、つい」




俺たちの顔は、一気に温度を上げる。




「……?」


顔を赤くしながら黙ってしまった俺たちを、皐月は不思議そうに見ている。




漸くその視線に気付いて、はっとしたように2人で口を開いた。



「はっ?!なっ、なんだよそれ!」


「おいっ、俺は可愛くなんかないぞ!!」




黙り込んだと思ったら、ぶーぶー文句を言い始めた俺たちを見て、皐月はまた可笑しそうに笑った。



 


暫く笑いながら3人で話してると、何故か周りが異様な空気になっていることに気付く。




「…な、なぁ?俺たち、なんか囲まれてないか?」



2人の袖をクイクイと引っ張りながらそう言うと、春と皐月もここで漸く周りをぐるっと見渡した。




「お、なんか俺ら、クラスの注目の的だな」


一瞬驚いた顔をしたが、すぐにニコニコ笑って、視線が集まることに慣れているように言う皐月。



「うわっ、すげぇ…、イケメン揃い…」


と、周りの人たちがイケメンなことに、驚きながら言う春。




…お前はそこかよっ!


心の中で俺は春につっこみをいれる。



もう今更だとは思うが、春はイケメン好きだ。



ホモ…、とかゆうわけでは、ないと思うんだけどな。


多分バイってやつなんだろう。



まあ俺自身、別に偏見はもたないからホモでもバイでも、全然気にはしないんだけどさ。


好きなもんは好き!


それでいいじゃん?


なんて。



 


こうして俺たち3人は、それぞれいろんな意味で周りを見渡していた。





すると突然、どこからか軽快な声が聞こえてくる。




「ったくも〜、君たち3人がそんなクラスの真ん中でじゃれ合ってたら、視線集めちゃうのなんて当たり前じゃーん」



その声の主は明るくそう言って、あははっと笑う。




「……え、誰?」


「どっから喋ってんだ?」



ポカンとする俺と春。


キョロキョロと周りを見るクラスメートたち。




「………」



そんな中、皐月だけはやれやれというような表情をして微笑んでいた。



気のせいかな? 


俺には何故かその皐月の表情が、愛しいものを思い浮かべているような表情に見える。


…まあ、いいか。




シーンとした教室にまた明るい声が響く。



「まったく〜。さっきから見てたけど、3人ともほんと美形なんだからさっ」



そう言いながら、さっき突然言葉を発したであろう人物が、座っていた教卓からトン、と降りると俺たちを囲む輪の中に入ってきた。



 


俺たち3人に近づいてきたその男は、スッと皐月のすぐ右隣に立つ。



それがこれまた、なかなか整った顔つきだ。


そして、でかいと思っていた皐月よりも、更に2、3cmでかいくらいの身長。



……何者だ。





そんなことを考えているうちに、その男は左手で皐月の腰を引き寄せ、右手でその顎を捉えていた。


顔と顔の間は、もう鼻が触れる程に隙間がない。



僅かに上を向かされた皐月の顔に、その男の少し伸ばされた赤みがかった茶色い髪の毛が触れる。



擽ったそうに目を細めた皐月に、その男は口端を上げて怪しく笑いながら言う。




「気をつけないと、きっと3人ともすぐ襲われちゃうよ?」


 



……は?襲われる?



俺と春は目が点になる。



だが皐月はそんな俺たちを他所に、意外に驚きもせず呆れた顔をしながら淡々と返す。



「…ったく。おいコラ、離れろ変態野郎。お前が1番怖いよ」





今のこの状況に、全く驚いていない。


こういうことをされることに、皐月は慣れているんだろうか?



いろいろと不思議に思いながら、俺と春は互いに顔を見合わせた。



 


「そんな冷たいこと言わないでよ〜。キスしてあげよっか?」


「バカ野郎」


「いてっ」




クイっと顎を上げられた皐月は、パシっと男の頭を叩いていた。



バカ野郎と言いながらも、皐月の顔はほんのり赤くなっているようにも見える。




なんだろう、この2人…。


凄く画になる。


それより、そういう関係なんだろうか?




俺と春は、ぼーっと2人のやり取りを見つめる。


もちろんイケメン好きの春は、顔が赤くなっている。


クラスメートたちの視線もこの2人に釘付けだ。



それもそのはず。


2人とも背が高くてスタイルはいいし、端整な顔つきだ。 


その上、無駄に色気を放っているのだから、注目の的になるのは当たり前。





そして漸く皐月が俺たちの視線に気付く。



「あぁ、ごめんごめん。こいつ、俺の幼馴染み。見ての通り変態だから2人とも気をつけろよ」


と言う皐月。



なるほど、幼馴染みか。


皐月がああいうことをされても慣れていることに、やっと納得がいった。




「んも〜、変態変態って酷いなぁ。どーも、皐月の幼馴染みの忍乃秋斗(オシノアキト)でーす」



皐月に文句を言いながらも明るく自己紹介をする。




そして忍乃秋人は俺と春の目の前に立つと、ポン、と俺たちの頭に手を置いた。



 


「よろしく。秋人って呼んでね、子猫ちゃんたち?」



「……なっ」


「子猫ちゃんたちって…」




自分がでかいからってバカにしてんのかっ!


俺たちはむっと秋人を睨みつけてやる。




そこで皐月が止めに入る。



「おい、やめとけよ」


「だぁって可愛いんだもんこの2人〜」



……だから可愛いってなんなんだよ。


皐月も皐月で止めに入っておきながら笑ってるし…。


というか、皐月もさっきそんな理由で同じようなことしてただろ。




ん?そういえば、さっきから可愛い可愛いって言われてるけど、春も可愛いほうの部類にはいるのか?


俺は母さん譲りの中性的な顔つきで、(認めたくないけど!)可愛いって言われることもある。


認めたくないけどな!?


そんな俺にとって、春はイケメンで格好いい部類だった。


羨ましいって思ってた。


だから俺は、春に可愛いって言葉はしっくりこない。


やっぱり身長だろうか?


身長が高い2人からみて、小さめな春は可愛い部類になるんだろうか?



 


あーもうっ!


こんちくしょうっ!!




「「お前ら何cmだっ!」」




……あっ、しまった。


目の前で笑うでかい2人になんだか腹が立って、思わず俺まで聞いてしまった。


聞いたら逆に、自分たちががっかりしてしまいそうな気がする…。




答えなくていい、答えてくれるな…!


と思っていても、聞いてしまったのは俺たちだ。




「185くらいかな」


「俺188くらい〜」





━━━‥‥‥。



どうやら俺の予想は、ぴったりだったらしい。



顎に右手をあてて、少し考えるようにしながら答える皐月は、やっぱり俺たちより20cmでかい。


ニコニコと笑いながら答える秋人は、やっぱり皐月よりも3cmでかかった。





「「━━はぁ〜…」」



俺と春は同士に溜め息を吐き、やっぱり聞かなきゃ良かった、と後悔した。



そんな俺たちを、首を傾げて不思議そうに見る皐月と、え〜?なになに〜?と聞いてくる秋人は無視して、俺と春は互いに慰めるように肩を叩き合った。



 


「それじゃ、ここで」


「また明日な」




あれから教室を出て、校門までの長い道を、春と皐月と秋人と俺でわいわい騒ぎながら歩いてきた。


帰路が分かれるからと、校門のところで俺と春は2人に手を振る。




「おう、またな」


「じゃあね〜」



皐月と秋人も、俺たちにそう返して手を上げた。


背を向けて帰っていく2人の姿を見て、俺たちも2人とは逆の方向に歩き出す。





「は〜それにしても、イケメンが多いって噂、本当だったんだなぁ」



春が幸せそうに溜め息を吐きながら言う。



「ほんとイケメン好きだよな、春は」



俺は少し呆れながら言う。




「だってイケメンは目の保養だよ!可愛い海も、目の保養だけどな〜!」



と言いながら、ガバッと俺に抱きついてくる春。




「ったく、バカかお前は」



そういいながらも、相変わらずおもしろいやつだと思ってしまう俺は、ずっとこいつと親友でいたいと思った。



 


「そういえば海、生徒会長様見たか?」


「は?生徒会長、様?」



ポカンとする俺。



「なんだ見てないのかよ?入学式に壇上で祝辞のスピーチしてただろ?」


「んー…見てないな。多分俺そのとき沈んでたから」



呆れたように聞いてくる春に、俺は笑って返す。



そう。


返事に失敗してからは、気分が沈んでて、その後の入学式の記憶がない。


見てないものは、しょうがないのだ。




「その生徒会長がどうかしたのか?」


呆れた視線を向けてくる春に、次は俺が聞き返す。



「あぁ!それがそれがっ、めちゃくちゃイケメンなんだ!藤堂雅(トウドウミヤビ)様!」



何を言うのかと思えば…


またそういう話か。


しかも様とかつけちゃってるし、ちょっと興奮しすぎじゃないか?




「凄かったんだぜ、壇上に上がったとき!1年生は初めて見るあの人に見惚れてるだけだったけど、2、3年生からは黄色い声があがっててさぁ!」




…いやいや、黄色い声っておかしいだろ。


ここ男子校だろ?



一人眉間に皺を寄せる俺に構いもせず、春はどんどん話を進めていく。



 


「なっ、俺たちも生徒会にはいろーぜ!明日言いに行こう!」


「…はっ?何勝手に話進めてんだよお前は!」




生徒会なんてそんな面倒臭そうなの、俺はやりたくないぞ!




「なぁ、お願い!!一緒に生徒会はいろーぜ?」



パンっと顔の前で手を合わせてお願いしてくる春。


なんだか断れない。


俺は、はぁっと溜め息を吐く。



「…ったく、わかったよ。明日言いに行こう」



そう言うと春の顔がパッと明るくなって、俺に抱きついてきた。



「ありがと海ー!やっぱりお前は最高の親友だな!」



そう言いながら俺をギュウギュウ抱き締めてくる。




「ちょ、苦しい…」


「あ、わりぃ!嬉しくてつい締めすぎた」


「ったく、お前は」


「っへへ」





こうしていろんな話をしながら歩いていたら、いつの間にか豪華な家がいくつも並ぶ住宅地まで来ていた。


道路をはさんで向かえ合わせになっている俺たちの家の前に辿り着き、「また明日な」と言葉を交してそれぞれ家に入った。




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