表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

100回目の回帰

グランデ王国は精霊を信仰している大国

「それではセレーヌ・フォン・オーグラウス・グランデ第一王女殿下の洗礼式(バプテスマ)を始める。」

高らかに宣言された声に私の意識が浮上する。

13歳、今日精霊教会で洗礼を受ける日。この出来事ももう100回目だ

回帰するたびこの教会から毎回毎回始まる。何故なのかその原因は99回の回帰では分からなかった


私は今教皇に向け手を組んでいる状態いわゆるお祈りポーズだ、目の前には聖水鏡と呼ばれる水がありその聖水鏡に自身の髪の毛を一本取り沈めると精霊から洗礼を受けられるらしい。

どういう仕組みなのかはわからないけど99回私は精霊から祝福を受けている


この世界は魔力量が髪の毛の濃さで決まる黒が最上級で白、色なしが魔力皆無である。

私セレーヌは黒髪で瞳は金、自分で言うのもあれだけど容姿はあまりよろしくないのだと思う。継母メリー様がそういっていてから。

金の瞳は精霊から愛されている証拠と再三聞かされてきたけど99回私は魔法が使えなかった。

私は勉強は嫌いだし苦手だ。先生からも宝の持ち腐れと言われるほどに持っているモノはいいらしいたまに髪の毛を切られたりしたけどま別にいいやとしか思ってなかった


髪の毛を切られたことを思い出しているとグランデ王国精霊教会の教皇ビビバ・ブーバが私の髪の毛を優しく一本切り取り聖水鏡に沈めた。

今回もどうせ同じ感じだろうと次は何をするか考えていたら聖水鏡から眩い光が私の目に直撃した


「なっこ、、、、これは、、、、」

と教皇様が意味深なことをつぶやいているが目がしばしばしてそれどころじゃない。

何度も目をぱちぱちさせやっと目が慣れてきたところで教皇に手をガシッと掴まれ勝利した選手が審判に手をあげさせられるポーズをとらされる

少し痛くて顔が引きつったけどそれ以前に驚きが勝った。


え?どういうこと100回目にしてまた初めての出来事が来た

「第一王女殿下は精霊に愛されし子!!愛し子であるぞおおお!!!!」

「しゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


先ほどまで厳粛みたいないや厳粛の塊ですそれが化身かしたんですかってなみの教皇様がものすごく興奮して宣言したあまりの豹変の仕方に驚いていると

教会にいた司教から一般の信徒までもが熱狂に騒ぎ立てていた。

99回は鼻で笑われていた程度だったのに100回目にしてこんな豹変したのはどういうことだろう

私が目をぱちぱちさせている時になんかあったのかな?


教会がなんかお祭り騒ぎになっている中王宮へ逃げるように帰った。

王宮に帰ると国王に呼び出されるこれもまた初めての事だった

グランデ王国の国王は私から見てあまりいい父親ではない。

私はグランデ王国国王ジョールの私生児。彼は何よりも贅沢と女が好きで宝石を何個も身に着けているし側室も多いこれが実父っていうのがショックだ。

そんなダメ父に呼び出されるって私何かしただろうか??


王のもとえへ向かう廊下の途中でメイドのリアとメイや執事のイシス、カイにお菓子や今日はどうだったか聞かれ沈んでいた気分がみんなと話すことで一気に上昇する。とてもいい気分でみんなと話すのはとても楽しいメリー様が現れる前は、、、、、、


「あら雑種がいるわ汚らわしい。」

彼女は私の継母にして王妃のメリー様。

精霊教会で洗礼を受ける前の日も私は彼女から躾を受けていた。

メイドや執事が私の前に立ち私をかばう。

主人がメイド、執事に庇われるというのはいかがなものだろう。彼らが逆に罰せられてしまうと思い彼らの間をすり抜け王妃メリー様にドレスをつまみカーテシーをする。

「グランデ王国王妃メリー様ごきげんよう」


挨拶が終わり顔を上げると彼女が持っていた扇子でぶたれる。

頬が切れたのか生暖かい液体が流れるのを感じた。

「気安く話しかけないでくれる?私の耳が腐るわ雑種。おかしいわねぇ神聖な王宮が何故か薄汚くなっていくわ本当何故かしらねぇ??」


私は黙ったまま床をじっと見つめ去っていくのを待つ。床には私の血がぽたぽたと落ちていく

気分を良くした王妃様が去った後、自身の頬に触れる

痛いなぁ、何回回帰しても痛みにはどうにもなれない

リアやメイ、イシス、カイに心配される早く安心させなければ

「これくらい大丈夫よ!!!ふふん!!私は子供じゃないから泣かないわ!」


笑顔で言うと彼らは驚き声を上げていた

どうしたのかしらと思っていたのだけれど王に呼ばれていたことを思い出し

床の掃除をお願いしてそそくさと王のもとへ王の玉座へと行った。



玉座に入るとたくさんの人がいた。

先ほど見た教皇様や司教様やら何やらお貴族様も今日は何かパーティーでもあるのかしら

とか悠長なことを考えていると

国王が私に手招きをする。

国王のもとへ行きその横に着くよう言われ前を向くと国王がメイいっぱいに息をすい

大声で宣言した。


「こよいセレーヌ・フォン・オーグラウス・グランデ第一王女は精霊の愛し子と精霊教会から認定された。第一王女は我らグランデ王国の至宝なり。我が娘セレーヌに対する非礼、またいかなる所業も許さない!!」

あまりの内容のにびっくりして教皇様ビビデ様を見やる。

屈託のない笑顔を向けられこれまた驚く

頭が追い付かず混乱していると

何故か私に近衛騎士団が形成され近衛騎士団長に第一騎士団長のソル・フレアを付けられていた。


彼はグランデ王国国内最強の騎士で本来私に着くよな人じゃないい

100回目の回帰はなんかおかしい!!!!!


王の玉座を出た後

いろいろありすぎて足元がふらつき意識がブラックアウトした。

魂が抜けてもおかしくないくらい今日というか今回は相当おかしかった。

彼女の100回目はどんな人生になるのだろうか??

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ