プロローグ~始まりの話
彼女しか知らない始まりの話
死ぬ前に人は今までの人生を振り返るらしい。
私は魔王の部下に嬲られながら愚かな人生を思い出していた。
6歳の時祖父母に祖国グランデ王国の王に売られた。どうやら私は王の私生児らしい金の瞳を持っていたそれだけなのに。王宮に入っては継母に意地悪をされる日々に一筋の光が見えたのは13歳の時精霊教会で洗
礼を受けた時精霊の祝福を受けたその時だけだった。
「フッ、、、、、グランデ王国の至宝も無様なものだな。セレーヌ殿いや黒曜のセレーヌ」
しほう、、、、至宝?何を言ってるのか私にはわからない
そんな言葉は子供に使われる言葉だよ
私なんかが、、、、なんで私だけこんな目に合うのだろう何がいけなかったのかな
もうすぐ死ぬというのに笑みがこぼれる
6歳前はスラムで育った。
親の愛情すら知らない私だったけど子供が欲しいただそれだけの些細な望みさえ叶わないなんて
あぁ思い出すなきっとこれは死ぬ前に見る走馬灯なのだろう
子供を愛しい目で見て幸せそうに愛でる母親の姿
「貴様!!!何がおかしい!!!!!!」
ガはッ!!!
血が真っ赤な血が口から次々と出てくるもう長くはない
痛みは尋常じゃない苦しい悔しい 私の人生はこんなにも愚かだったなんて
もう一度やり直せたらーーーーーーーー
あの母親のような幸せをつかみたいなぁ
私の意識は暗く血なまぐさい牢の中で途絶えたのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
99回目の 回帰
「やった!!!やったわよ!!セレーヌ・フォン・オーグラウス・グランデ!!!」
興奮のあまり王宮の廊下を走りながら自分の名前を叫んでしまう
始まりは魔王に攫われ魔王の部下に嬲り殺されるというものだった去年は19歳
回帰が始まったのはあの日から
99回目にして自身を殺した敵と平和交渉が結べそうなのだ!!!!!!
私は回帰が始まったあの日から必死に生きたでも結局は19歳魔王の部下に殺された歳でどうしても死んでしまうどんなに職を変えても王宮から逃げても
家族や騎士、魔族、隣国どの人にも殺されたけどそれでも私は生きたかったし子供が欲しかった
私だけの幸せ私だけの至宝、99回私は幸せをつかむまであきらめきれない
もしかしたら今回は19歳という壁を越えられるかもしれない。
速足で自室に戻ると
そこは真っ赤に染まった血まみれの惨状だった。
「、、、、ど、、、して」
今回はうまくいったうまくいったはずなのになんで
変な被り物を被ったおかしな男が侍女の髪の毛を持ち頭を振り回していた。
「やぁっと帰って来た金色ちゃん♡」
こんな男と会うのは初めてだ99回にしてはじめての事が起きる。
動揺?なのかな手足も震えて体が動かない。
「あららこんなに震えちゃって~(笑)」
被り物で顔はわからないけど声色はこの現状を楽しんでいるように思える。
変な男は私に距離を一瞬にして距離を詰めてくる。
99回回帰した私はいろんな経験をしてきたからわかる
私はこいつによって死ぬのだっと。
「あなたは誰なの、、、、」
男は私の頬から目を往復して撫でてくる。
「、、、す、、、、た」
「お、、、か、、、た」
男が何か言っているその言葉に耳を研ぎ澄ませていると
急に私の瞼に力を入れ目を抉り取っていった。
「っっつ!!!!!!!」
「これだよ!!!!!!!これぇええぇぇぇ!!!」
男は私を生きたまま食べ始める
痛みにはどんなに回帰を繰り返しても慣れない。
どうしてなの、、、今回はうまくやってたと思ったのに、、、。
至宝それはこの上なく大切な宝という意味。
99回 回帰13歳~19歳 約6年=594年