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悪筆の君が王宮文官になる方法  作者: メジロ
第一部 ジャネット十二才・フィル八才
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やきもちやきのフィルへ


まったくあなたって本当におバカさんよ。これからどんなにあたしに友だちが出来ても、あなたがあたしの一番の親友だってことに変わりはないわ。

あなたの可愛いくせっ毛と、チョコレート色の目が一等好きよ。笑うとほっぺがぷっくりするところも、右のえくぼも好き。でもそれよりも大好きなところは、やさしい心をもっていることね。

サミーはあたしが過ごした夏を知らないし、あなたと作った秘密基地のことも知らないし、あなたのパパが作ってくれたツリーハウスやハンモックも持ってないわ。そういうのは全部あなたとあたしだけの宝物よ。


だから、あたし以外に友だちはいらないなんて、そんな悲しいこと言わないでね。サミーのことも、好きになれなかったらならなくてもいいのよ。でも、話してもいないし会ってすらいないのに大きらいだなんて!

あなた、そんなことしてたらこの先ずっとやきもちをやき続けなきゃいけなくなるわ。あたしはびじんでかわいい女の子で、その上性格もいいんだから、友だちになりたい子がたくさんいるんですからね。


そういえば、やっとパパの部屋がかたづいたのよ。けっきょく最後までのこっちゃったわ。壁のひとつが全部本棚になってるんだけどね、それいっぱいに本やら石やらが詰まってるの。本当、重くてたいへんだったんだから。

ひっこしの時に、箱の中で割れちゃった石がいくつかあったの。あたし、引っ越し屋さんにくじょうを入れるべきだって言ったのよ、そのために高いかかくたいで頼んたんだから。でも、パパは仕方がないねって言ったっきりよ。本当に大切な石はずっと持ち歩いてるからいいんだって。フーンって感じ。

で、その割れちゃった石だけど、すごくきれいだからあたしにくれたの。二つに割れちゃったうちの欠片を一つあげるね。もう片方はあたしが持ってるから、おそろいね。

親友のあかしよ。だからもういじけて泣いちゃダメだからね。


それじゃ、今日はこれくらいにしておくわ。


あなたのことが大大大好きなジャネットより


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