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97話 物語は巡る


「ノバラ、どうするつもりだ!」

 白っぽい金髪を潮風になびかせて、エルフが慌てている。


「私の魔法を使うけど! サルーラは魔法が残っているなら、防御に回って!」

「やむを得ない――まさか森ではなく、海の上で果てることになろうとは……」

 珍しく高慢ちきなエルフが落ち込んでいるようだ。

 彼らにとっては森の中で死ぬことが、最良なのだろうか。

 もしそうならば、彼には悪いことして――いや、このエルフは勝手についてきたんじゃない。


「ガオン!」

「ありがとう!」

 私の魔力を注ぎ込んでいるので、ヤミも魔法を使えるようだ。

 小さいネコのときも魔法を使っていたし。


「光弾よ!」

 魔法を唱えると、一瞬で巨大な光の矢が私の前に現れた。

 これは多分――さっきの神様効果だろう。

 私の魔力の出口はチョロチョロとしか出なかったのだが、さっきのでガバっと広がったらしい。


我が敵を撃て!(マジックミサイル)

 一撃でワイバーンの胴体に大穴を開ける魔法が、撃ち出されて巨大な魔物に向かう。

 私の頭に、「もしかしたら、これで決まるのでは?」と、一瞬甘い考えがよぎったのだが――。

 魔法が敵に衝突すると、青い鱗が数枚剥がれて、キラキラと舞う。

 私の魔法による攻撃はそれだけで終わってしまった。


「ギョェェェェ!」

 甲高い鳴き声が波の音に混じる。

 自分の身体を傷つけた敵に対する威嚇だろう。

 ワンテンポ遅れて、青い巨体が私たちが乗る船に突っ込んできた。


「聖なる――」

至高の障壁!(ハイプロテクション)

 私の魔法より早く透明な壁が船の前に現れて、接近する魔物の行く手を阻んだ。

 青い鎧をまとった巨大な身体が、透き通った壁に衝突する。


「ギョェェェェ!」

 シーサーペントが、連続して透明な壁に体当たりを繰り返している。


「ノバラ! 次の手があるなら、早く撃て! 長くは保たん!」

「で、でもどうすれば……」

 あいつに飛び乗って、温め(ウォーム)で加熱するとか?


「「「聖女様!」」」

 ルナホーク様、ヴェスタとアルルもやって来て、私の前に出た。


「あなたたちは、後ろに――」

「聖女様! 次の一手を!」

 そ、そんなことを言われても――ワイバーンを倒した魔法も効かないなんて。


「ガオン!」

 ヤミが言うのには、魔物の全身を覆っている青い鱗に魔法を退ける力があるのではないか?

 ――ということのようだ。


「そ、そんな、それじゃどうすれば……」

 迫りくる終わりのときを前に私は、ない知恵を絞った。


「そうだ!」

 魔物の身体の大半は海中に没している。

 水中で爆発を起こすと、すごい衝撃波が起きると――なにかで見た記憶がある。

 鱗が魔法を退けても、海の中で発生した衝撃波は防げないのではないか?

 軍隊には、それを使って海中にいる潜水艦を壊す武器があるとかなんとか聞いたし。


「でも!」

 水中での爆発が敵にダメージを与えるというのであれば、海に落下した兵士たちの命を奪うことになる。


「ううう……」

「ノバラ! 障壁が解ける!」

 サルーラの言葉に私は、覚悟を決めた。

 ここで敵を倒さなければ、どのみち全滅なのだ。


 エルフの障壁が解けて、シーサーペントが突っ込んできた。


「魔法を使うから、私を守って!」

「「「おう!」」」

 騎士と魔導師たちが私の前に立つと、魔法を連射し始めた。

 レオスは、かなりつらそうだ。

 もう魔力が切れるのだろう。


「虚ろな――」

 私は魔法を唱え始めた。

 魔力の出口が広がったので、今の私は大型の魔法も唱えることができる。

 周りから青い光がどんどん集まってきて、海中の中に沈んでいく。

 果たして、海の中でもこの魔法は使えるのだろうか?


 海の中の光はどんどん光度を増し、はち切れんばかりになっている。

 魔物が私の魔法に気がついたのか、こちらに突進してきた。


「ガオォォン!」

 舳先に立ったヤミの身体が光り始める。

 目の前に現れた輝く球体から稲妻が放たれると、閃光が空間を引き裂き、敵の青い鱗に絡みつく。


「ギョェェェェ!」

 シーサーペントの動きが止まった。

 ヤミの魔法は若干効き目があったようである。

 魔物が怯んで後ろに退いたあと、魔法を使ったヤミの身体はかなり小さくなって、柴犬ぐらいの大きさになっていた。


 敵の動きが止まった――と思われたのだが、再び敵の巨大な顔が船目掛けて突進してきた。

 エルフの防御魔法も突破して、ピンクの破片が辺りに飛び散る。

 ルナホーク様とアルルが、船の破片と一緒に吹き飛ばされた。

 私にも鋭く尖った破片が襲う。


「きゃあ!」

 集中が切れて魔法の展開が失敗すると、ピンク色の破片が宙に舞う。

 思わず目を瞑ってしまったのだが――なにも起こらない。

 そっと目を開けると、私の目の前にヴェスタが立ちふさがっていた。


「ヴェスタ!」

「聖女様……」

 彼が私の手の中に倒れ込んできた。

 沢山の木片が鎧を貫通して、身体に食い込んでいる。

 顔にも酷い怪我を負っており、顔がろうそくのように真っ青。

 彼の身体を抱く手には、なにか暖かいものが広がっていく。

 それは私の太ももを伝わり、船の甲板に流れ出た。


「ヴェスタ!」

 彼が私の動きを制し、つぶやいた。


「いけません――魔物を――」

 持ち上げようとした彼の腕がぶらりと垂れ下がる。

 し、死んだ?! 気を失っただけ?!

 私の頭の中で、彼との出会いがぐるぐると回っている。

 頭から血がなくなり、空っぽになりそう。


「ああああっ!」

「に゛ゃー」

 小さくなってしまったヤミが私の前で盾になってくれる。


「陛下!?」

 その声に振り向くと、陛下も血を流して甲板に倒れ込んでいた。


「聖女様!」「聖女様!」

 生き残っている兵士たちが私の名前を呼ぶ。

 ここで、どうにかしなければ、このまま全滅だ。

 私は動かなくなってしまったヴェスタの身体をそっと置くと、魔法の袋から大きな魔石を取り出した。


「サルーラ! これでなんとかならない?!」

 幸いエルフは無事のようだ。

 もう魔力は残っていないようだが、魔石の力を使ってなにか魔法を使えないだろうか?


「やむを得ん」

 彼が諦めたように笑う。


「ごめんなさい!」

「只人の女にうつつを抜かした、これも報いか。今日は死ぬにはいい日というわけだ――むぅ」

 魔石を握ったエルフが、魔法を展開し始めた。

 ドラゴンの魔石に蓄えられている魔力はかなりの量になるはずだ。


「爆ぜよ蒼き衣をまといし小人たちよ――」

 エルフの細身の身体が青い光に包まれる。

 私も同時に、魔法の展開に入った。


「虚ろな――」

 再び、海中に青い光が集まり始める。


「ギョェェ!」

 敵は、小さな羽虫が再び魔法を使おうとしているに気がついたようだ。

 鎌首を動かそうとしたとき、そこにエルフの魔法が炸裂した。


「――我が敵を貫く刃となれ。爆裂小球(プラズマクラスター)!」

 魔物の上空で輝く光の球が炸裂した。

 青いナイフのような光のシャワーがシーサーペントに降り注ぐ。

 光が青い鱗に衝突すると、小爆発を起こして青い破片がキラキラと舞う。


「ギョェェェ!」

 耳をつんざく魔物の甲高い咆哮が、うねる波を一段と高くしたように感じさせる。

 サルーラが使った魔法の攻撃は、敵にかなりのダメージを負わせたようだ。

 彼の攻撃は成功したようだが、その反動からかサルーラが倒れ込んだ。

 ――ごめんなさい。

 私は、心の中で彼に詫びを入れると、魔法を発動した。


「むぅぅ! 爆裂魔法!(エクスプロージョン)

 眼の前の海中が魔物より大きな円形に白く泡立ち、小さな水しぶきを上げる。

 次の瞬間――シーサーペントをまるごと包む巨大な水柱と化した。


 目の前にそそり立つ大きな波が発生して船を襲い、大量の海水で私は押し流された。

 そのまま海に落下すると、身体は冷たい海の中。

 慌てて浮かび上がる。

 波間にヴェスタの身体が見えたので手を伸ばしたのだが、彼の身体は海中に沈んでしまった。


「ヴェスタ!」

 慌てて再度海へと潜るが、暗闇の中に消えてしまった彼はもう見えない。

 私は浮かび上がると、ずぶ濡れのベタベタになって、浮かんでいた木材の破片にしがみついた。

 これは、バラバラになってしまった味方の船の破片だろう。


「うわぁぁ!」

 私は慟哭の感情に押し流された。

 海の上を漂い、泣き叫んでみても彼は戻ってこない。

 私はひどい女だ。

 彼の気持ちを知りながら結局はそれに応えられず、私の騎士は若い命を落としてしまった。


「ああ……」

 目にも海水が入って痛い。

 鼻には磯の香りがこびりつく。


 鼻水を垂らしながら、辺りを見回した。

 私と同じように板に掴まった兵士がいるのだが、ピクリとも動かない。


 船は――転覆せずに無事だが、陛下がどうなったか解らない。

 僚船が1隻かろうじて浮かんでいる。


 魔物は――船の影から見えたシーサーペントは、まだその場にたたずんでいる。

 もしかして、あの攻撃でも駄目だったのだろうか?


 これ以上は――私が絶望しそうになっていると、突然魔物が口から大量の赤いものを吐き出した。

 長い首をぐるぐると回すように、そのまま海に倒れて水しぶきが舞い上がる。

 多分、魔法の大爆発で発生した海中の衝撃波が、魔物の内臓を傷つけたのだろう。

 即死ではないのかもしれないが、もう襲ってくる力は残っていないのかもしれない。


「……うう……」

 魔物を倒したのだが、喜びの感情などは湧き上がってこない。

 ヴェスタを始め、どれだけの人が亡くなったのか解らないのだ。


 もう私にできることは――ただひとつ。


「ノバラ~!」

 私を呼ぶ声が聞こえると、掴まっている木材に白い翼が降りてきた。

 モモちゃんだ。


「モモちゃん……ありがとう」

「俺、ノバラのためなら、なんでもする!」

 彼が私の肩に乗ってきた。


「ありがとう――でも、私のするべきことをしなくちゃ……」

「ノバラ?」

 私は覚悟を決めて深呼吸をすると、天に向けて叫んだ。


「神様! 私のすべてを差し出すから、ここに残っている人たちに救いの手を差し伸べて!」

「止めろ! ノバラ! そんなことはするな!」

 船の上で残っている人たちも、なにか叫んでいる。

 船の柵に掴まりぐったりしているエルフの姿。

 騎士団に支えられた陛下の姿も見える。


「ふぎゃー!」

 黒い毛皮が海の中に飛び込んだ。

 彼もこちらに向かってくるつもりだろうか。

 ネコは水が苦手なはずなのに……。


 脳裏に海に沈んでしまった私の騎士の笑顔が浮かぶ。

 彼と一緒に森に帰って暮らす夢も海の藻屑と消えた――無念だ。


 私は、最後の力を絞って叫んだ。


「神様!」


 ――私の記憶はそこで途切れた。





 気がつくと、真っ暗闇の中。

 どうやらプカプカと浮いている状態のようだが、なにも見えないし聞こえない。

 ここは死者の国であろうか?

 確証はないが、そんな気がした。

 死んでしまったことについては、べつに後悔もないし恐れもない。

 まぁ、やることをやった結果だし。

 さっきまで泣いていた私だが、この暗闇の中で不思議と落ち着いている。

 これが死ぬということだろうか。


 ふう――私は心の中でため息をつく。

 ああ、そういえば、ククナ様に戻るという約束を破ってしまったかもしれない。

 ヴェスタにも――結局、彼の心をもてあそんでしまっただけじゃ……。

 自責の念が私の中に湧き上がる。


 後悔先に立たず。

 う~ん――私の最後の奇跡で、どのぐらいの人が助かっただろうか?


 ヴェスタや皆のことを考えていると、身体の下に青い光りが広がる。

 いや、どっちが上か下か解らないので、下というのはおかしいだろうか。

 しばらくそれを眺めていると――青い景色が海だということが解った。

 その海原に漂う2隻の船。

 ボロボロだが確かに浮かんでおり、甲板に沢山の人がいる。

 海にいる兵士たちの救助も行われているようだ。


 陛下やエルフ、騎士団の知っている顔が並び、アルルも見えている。

 その中には、小さなネコに戻ってしまったヤミの姿も。

 上空にはくるくると円を描いて飛ぶモモちゃんの白い翼。


 私はその人たちの中に、金髪の少年の姿をみつけて胸をなでおろした。

 鎧を脱いでおりズボンに半裸姿だったが、確かにヴェスタである。

 聖女の奇跡を使ったことで、助かったのだろうか。


 さすが神様、なんでもあり。

 それでこそ、私のすべてを差し出した価値があったといえる。

 皆がバタバタと慌てて大騒ぎしているように見えるが――多分、私がいないせいだろう。

 まぁ、私はこの有様なので、いないのは仕方ない。

 気の毒にも思えるが、皆の姿を見て安心した。

 この世界にやって来て、黒い魔女と白い聖女の狭間で色々あったが、今は不思議な充実感に包まれている。


 目を閉じて再び開いたときには、青い海原が消えていた。

 その代わりに、彼方に小さな白い光りが見える。

 私はそこに向けて移動することにした。

 ここがどこなのかまったく解らないが、幸い泳ぐようにすれば動けるようである。

 その証拠に徐々に明かりが近づいてきて、突然に辺りが真っ白になった。


 ------◇◇◇------


 ――私は木々の間で目を覚ました。


「眩しい」

 私の目に飛び込んでくる、陽の光。

 どうやら木の根元で眠ってしまっていたらしい。

 少々歩き疲れて休んだのだが、ちょっと寝不足だったのだろうか。

 眠ったときにはちょうどいい具合の木陰だったのだが……。

 ここらへんには黒狼もいるので気をつけねば。

 私は立ち上がると、黒いワンピースについた葉っぱを払って、森の中を歩き始めた。


 空は天気がよく晴れているが、少し風があるようで、森の中の木々がざわめいている。

 突然、ガサガサと草むらが動く。


「なに?!」

 私は、腰のナイフに手をかけた。


「なーん」

 草むらから出てきたのは、黒い子猫。

 左右の色が違う可愛らしい瞳が、こちらをじ~っと見つめている。


「ネコ? こんな所で?」

 私は子猫を拾いあげた。

 抱えて眺めると――オスだ。


「あなた、行く場所あるの?」

「にゃー」

「それじゃ、私の家に来る? ほら、あなたの黒い毛皮は、黒い服の魔女にピッタリ」

「にゃ」

「決まりね!」

 私は、子猫を肩に乗せると家路を急いだのだが、背の高い草が邪魔をする。

 こういうときには、自分の背の低さが恨めしい。


 鬱蒼とした森の中を進み、川に架かった丸太橋を渡ると私の家だ。

 低い木の柵に囲まれた畑の中を歩いていくと、小さな家。

 元々は、ここらへんを伐採していた木こりの小屋だったらしいのだが、それに私が手を加えた。

 家の横に植えた木もだいぶ大きくなった。

 ここは私だけの小さなお城。


「にゃー」

 私は木でできた扉を開けて、彼を招き入れた。


「はい、いらっしゃい。今日からここがあなたの家ね」

「にゃ」

 家の天井は低いが、私の背にはぴったり。

 子猫が私の肩から降りてテーブルの上に乗った。

 街で買ってきたものを魔法の袋から取り出して、木のテーブルの上に並べる。

 この袋は、お金を貯めて苦労して買った高価な魔道具だが、やはり手に入れてよかった。


「そうだ! ここで暮らすならあなたの名前を決めないとね」

「にゃー」

「う~ん、やっぱり黒いからクロね」

「ぎゃー!」

 彼が小さな口を目一杯に開けて、白い牙を剥き出しにしている。


「ダメダメ、もうクロで決まり! だって、それしか考えられないし」

「ぎゃー!」

 子猫が騒いでいるが、名前が嫌いなのだろうか?

 もしかして人の言葉が解る?

 あとで、あの魔法を使ってみようかしら……。


 私は、袋から出した黒いワンピースを手にとって広げた。


「見て見て! こんな大きなワンピース! 私ってばチビなのに、こんなの買っちゃったのよ。おかしいでしょ? あはは!」

「にゃ」

 私はテーブルの上に乗ると、頭を天井にぶつけながらワンピースを胸に当てた。


「ほら! こんなに大きい! こんなの買っちゃってどうするんだろうね?! あはは!」


 ――その日から、私の小さなお城に同居人が増えた。

 彼は普通のネコではなく、微力ながら魔法も使えるようだ。


「ネコの奴隷になる魔法」によって、意思疎通もできるようになったのだが、かなり知識を有している。

 隣の帝国についても詳しい。


「こんな子猫が、帝国からやってくるなんてことがあるのかしら?」


 ――立派な成猫となったクロと暮らして、それから長い月日がたった。

 家の隣に植えた木も大きくなったある日。


「にゃー」

「はしゃいでいる? ええ! 街で素敵な騎士様に出会ったのよ!」

「にゃ」

「そういうことを言わないで――もう確かに、おばあちゃんだけど!」

 クロと話しながら、部屋の大掃除をした。


「にゃー」

「そうは言っても、第一印象が大事でしょ? ここに訪れる初めての騎士様よ!」

 掃除が終わり畑の草取りをしていると、クロが反応した


「にゃ」

 ――どうやら訪問客らしい。

 男の子の声が聞こえてきた。


「魔女殿~!」

「来た! 彼よ! は~い!」

「にゃ」

 私は可愛らしい声のするほうに小走りになった。

 年甲斐もなく鼓動が早くなり、いつも重い脚も軽やかに感じる。


「ギャー!」

 私は聞こえたけたたましい声に足を止める。

 上を見上げると、三角形の屋根の頂点に白くて小さなハーピーが止まっていた。

 首にぽわぽわを巻いた、いつも遊びにきてくれる子だ。


「あとで、おやつを上げるからね」

「ギャ」

 小走りに柵の所に行くと、そこには小さな騎士が立っていた。


 流れる柔らかそうな金髪と、青い空を濃縮したような綺麗な瞳。

 そう――彼が、私の騎士様。


 END


 

長らく連載しておりました、黒い魔女と白い聖女の狭間で ~アラサー魔女、聖女になる!~

は今回で、最終話となります。


ご愛読ありがとうございました。

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スクウェア・エニックス様より刊行の月刊「Gファンタジー」にてアラフォー男の異世界通販生活コミカライズ連載中! 角川書店様より刊行の月刊「コンプティーク」にて、黒い魔女と白い聖女の狭間で ~アラサー魔女、聖女になる!~のコミカライズ連載中! 異世界で目指せ発明王(笑)のコミカライズ、電子書籍が全7巻発売中~!
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