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古代ギリシャの線文字A(3.合成記号:総論)

作者: 板堂研究所

 線文字Aには複数の単純な記号を組み合わせた合成記号が多数あり、素材の記号を組み合わせて発音すれば日本語になるので、日本語の可能性が高い。


 1.サンプル


 (記号): (構成)        ⇒   音声 (意味)


 A317 :   SI(*41)+ RO(*02)  ⇒ 「中」と同じ形。これは船の白い帆の様でもあり、WHITEの意味があり得る。

 クノッソス宮殿は2~3階建ての平屋の建物で、基本的に白く、柱が赤かったと理解されている。ミノア人はこの宮殿を婉曲にSI-ROと呼び、城と白、両方の意味を持たせた可能性があろう。一般的に日本では城の壁は白く、中国ではレンガ色・褐色等である。


 A512 :  QI(*21)+ SI(*41)  ⇒    QI-SI(岸)?


(A301)をTOと読んだ場合:


 A519 : I(*28)+TO(A301)  ⇒    I-TO (糸)

 A520 : TO(A301)+ I(*28) ⇒    TO-I (とい)


 A526 :  KA(*77)の下に E(*38)  ⇒    KA-E (海、界)

  KAは鏡から来ており、エジプトの上の鏡なら東部地中海なのでKA-Eは「海」。


 A528 :  SI(*41)+DI(*07) ⇒    SI-DI(指示)

 A532 :  SI(*41)+ TA(*66) ⇒    SI-TA(下)

 A535 :  KU(*81)+ WA(*54) ⇒    KU-WA(桑)

 A540 :  SU(*58)+ MI(*73) ⇒    SU-MI(隅、住み、墨)

 A541 :  KA(*77)+ RA(*60) ⇒    KA-RA(から、空)

 A545 :  MU(*23)+ KI (*67) ⇒    MU-KI(向き)

 A547 :  TA(*59)+ TU(*69) ⇒    TA-TU (辰/龍)

 A553 :  TO(*301)+ MI(*73) ⇒    TO-MI(富)

 A554 :  A(*08) + KA(*77)  ⇒   A-KA(赤)/HA-KA (墓)

 A559 : MA(*80) + RU(*26) ⇒  MA-RU(羊毛:ギリシャ語でマロス/ 栗)

 A560 : A559の右にTA(*59)  ⇒ MA-RU-TA(マルタ、丸太)

 A561 :  A559 + ME(*13)  ⇒    MA-RU-ME



 2.その他の「部首」


 漢字に見られるような「部首」を共通とするシリーズがある。


(1)「油」


 合成記号の(A548)から(A552)はスプーンの形が基本であり、上に乗るのは表面張力の強い液体で「水銀」か「油」と見られる。線文字AのJU(AB65)にも似ているので、YUと読めば次の通り。


 A548 : YU-TA/TA-YU。左側の ] を辰と捉えれば、辰砂は赤い水銀の鉱石鉱物なので、「辰の油」で水銀と解釈可能。下記(3)参照。


 A549 : スプーンの上の[ ] をツ(対)と読めばTU-YU。

 A551 : スプーン上のIが「火」なら、ランプ。「イカ」なら墨か魚醤。 

 A552 : YU-KA。「b」の上のKA(*77)の字源は鏡と見られ、水銀の鏡か。


 なおメソポタミアの楔型文字でも「油」の記号は、円錐型の器に表面張力の強い液体が乗る「アイスクリーム・コーン」の様な絵文字から始まった由で、同じ表現方法。


(2)舟へん


 記号(A557)、(A558)、(A562)及び(A563)では、TAを左右反転させた ] が左側にあり「舟へん」。舟を「水に浮く竜」と捉える。サントリーニ島・アクロチリの壁画等から、ミノア人の船には、交易用の丸い船と、戦闘用の細長い船があったとされ、また日本の船名末尾に「丸」がつく事から、次の通り。


(A548)  上記(1)の解釈と異なり、舟へん ] に油で、当時のタンカー。

(A558) 舟へん ] にMA-RU(丸)で、交易船。


(A557) 舟へんにA-MA(海人?)で、潜水漁業用の舟。

(A562) 交易船(A558)の右端にRE(*27)。REを3つ股のモリに見立てて、漁船。

(A563) 舟へんで、右側、上下にMA(*80)- MA(*80)。MAが漕ぎ手を思わせるので、高速船。


(3)記号(*86)(カイコ)


 記号(*86)はカイコの幼虫で、合成記号(A565)及び(A566)で使われている。幼虫の上を虫が飛ぶ様な(A565)は「カイコ蛾」、船荷のイメージの(A566)は「絹」か。


(4)記号(A100/102)(人間)


 横縞のスカートの人物が、小さな三角を背負う姿の記号(A100/102)があり「人間」と解釈される。加えてこの記号を使った多様な合成記号(A570~A572)がある。この人物像の由来は星空に求められ、オリオン座+冬の大三角形(ベテルギウス、シリウス、プロキオン)と見られる。

 因みにエジプトのプトレマイオス朝(紀元前305年~前30年)のデンデラ遺跡から発見された天体図には、メソポタミア起源の黄道12宮とエジプト固有の星座が掲載されている。オリオン座の場所には、右を向き、左手に王権の象徴の長い棒(笏)を持ち、大股で歩く男が描かれているが、記号(A100/102)に良く似たイメージ。従ってミノア文明でも、オリオン座が人の姿と認識されていた可能性が高い。


(ア)人物のかざす「弓矢」は矢印で、太陽光線の射し込む方角を表す可能性がある。するとA570 は昇る太陽で「午前」、A571は真っ直ぐ前の太陽で「午後」、A572は沈む太陽で「夕刻」。


(イ) 人物像を「にんべん」と解釈すれば、A567は右側が北極星で「個」、A568は右側が鏡で「我」、A569は右側が本で「体」の漢字に相当するだろう。


(5)酒へん


 記号(AB131a)に関し、欧米の研究者は線文字Bでワインを表す事から、線文字Aでも同様の意味を持つと解釈した。確かにこの記号は「雨」にも似ており、屋根の下で液体が発酵し、泡が出る様子の図式化とも見られる。すると合成記号が、次の様に解釈可能。


 A591/A592 (AB131a)+ 右側にWA(AB54)⇒ ワイン(2種類は赤と白か)

 A593    (AB131a)+ 右側にSU(AB58)⇒ 酢

 A594    (AB131a)+ 上にRA (AB60)  ⇒ 蒸留酒

 A596    (AB131a)+ 上にKA(AB77) ⇒ 香水


(6)ろくろの合成記号


 線文字A・Bの共通記号(*180)は、右側の輪郭が壺などの土器の左半分に見えるが、これを一回転させれば3次元的な土器の形が現れるだろう。これを「ろくろ」と解釈し、RO-KUとすれば、合成記号が次の通り読める。


(A599) RO-KU(*180)の右下に、北極星を指す記号 [・] が描かれている。北極星の周りで、天体がろくろの上を回る様に旋回する姿で、時の流れを感じさせる。これをKI-ROKU(記録)と読めば意味と表現が一致する。


(A602)  RO-KU(*180)の右側にRO (*02)と書き、RO-KU-ROろくろ。ミノア人の土器はろくろを使っている。


(A600)  RO-KU-RO (A602)の左側のRO-KU(*180)の中にSA(*31)を書き込んだもの。SA(*31)がYの形であり、物を吊り下げる姿なので櫓滑車(ロ滑車)だろう。交易で栄えたミノア人は、船の貨物の上げ降ろしに滑車を用いたのだろう。


(A603) 左側にRO-KU(*180)、右側にAを横にした様な、自動車を持ち上げるジャッキの様な記号を書き、すぐ下に「・」を入れる。右側は宙に浮いた物体を表すので、(A600)と同様に滑車を表すだろう。


(A601) (A603)の応用で、左側のRO-KU(*180)の中にSA(*31)を書き加えたもの。この場合は左側がロ滑車で、右側が宙に浮いた物体を表すだろう。


(7)月


 記号(A709)は左右逆転した「D」であり「月」あるいは「1月」を表すと考えられる。すると関連の合成記号が、次の通り解釈可能。


(A709)の右側に短い横棒が梯子状に加わり、数が増えていく合成記号 :

(A709-2)2月 ;(A709-3)3月 ;(A709-4) 4月 ;(A709-6) 6月。


 仮にこの解釈が正しければ、暦の月を1から順番に数える言葉を反映しており、中国語や日本語が含まれるが、現在、地中海沿岸で使用される言語では一般的でない。


 3.新たな音価の代入


(1)植物の実の記号(AB120)は「MA」


 記号(AB120)に関し、Poppy Goddessの冠に乗る様なケシの(花の散った後に残る)実のついたガクと見做し、平仮名「ま」に似ているのでMAと読めば、合成記号が次の通りに読める。


(注)(AB120)はSIとも読めそうだが、(A575)がQI-SIとなり(A512)と重複する。


(A573) MA(AB120)+DA(*01) ⇒ まだ/だま(たま)

(A574) MA+TO(*05)  ⇒ まと

(A575) MA+QI(*21F)  ⇒ まき


(A576) MA + JA(*22m。線文字Bのヤギ) ⇒ まや/やま

(A577) MA + NU (*55) ⇒ まぬ/ぬま

(A578) MA+ QE (*78) ⇒ まけ


(A579) MA+ KU(*81) ⇒ まく/くま

(A580) MA+ RO(*02)  ⇒ まろ


(2)記号(AB122)は「MO」


 これも音声不明ですが、線文字BのMOに似ており、「両手に持つ」イメージ事から、MOと読めば、次の通り。


(A518) I(*28)+ MO(AB122)⇒ いも(芋)

(A587) MO+TU(*69) ⇒ 持つ(両手の持ち物を掲げる女性の構図)



 5.(線文字Aの基本形)+(追加的な支線)


 線文字Bとの共通記号で、余計な支線の書き込まれた記号が散見されるが、合成記号の一種なので、インダス文字を読む際のルールを参考に、追加的な支線を「い」/「や」/「し」/「の」と読み、「基本形の音価」+「い」/「や」/「し」/「の」と読み込む。

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