尋常点ベルゼ?
楽しんでください!!
「ファイアーパンチ!!」自分の身体能力が確実に上がっていることに気がついた。
化けものに向けた拳は確かに力がこもっている感じがした。
「これは、いける!」
拳は化けものに直撃した。だが化けものは微動だにしなかった。
「ナンダソノヒンジャクナパンチハ?キタイシテソンシタ」
(嘘だろ!?なにも発動しねぇ!?)
「キエロニンゲン」化けものの攻撃が横っ腹に直撃して俺は数十メートル吹っ飛ばされた。
「いてぇ~!ってあれ?思ったより痛くない?それほどに身体能力が上がったってことか?」俺は身体能力が思ったよりも上がっていてほっとした。
「それにしてもなんで能力が発動しなかったんだ?イメージが足りないのか?」俺はあの時小さい頃にテレビで見ていたヒーローの必殺技をイメージしていた。
「くそ!考えていても仕方ねぇ!どんどんいくぜ!」俺はまた化けものに向かっていった。
「マダ、イキテイルノカ!?ホントウニナニモノダ!?」
「俺は特異点!夏原十真だ!!」
「ナニ!?トクイテンダト!?」
(イメージしろ!ファイアーパンチをあの頃憧れたあの技を!)
「いくぜぇ!ファイアーパンチ!!!」
俺の拳は炎をまとい烈火のごとく化けものに直撃し数十メートル吹っ飛ばした。
「グァァァァアアアア!!!!」
「で、でたぁー!」
俺の一撃だけで化けものは瀕死状態になっていた。
(あれ?俺ってもしかすると強いんじゃないか?)
「はっ、琴音は!?」と回りを見渡すと道路の端に琴音が横たわっていた。
「琴音!おい琴音!大丈夫か!?」
俺は琴音を抱き抱え必死に呼び掛けた
「お、にい、ちゃん?」琴音はか細い声をだしながら目を開けた。
「琴音!」俺は琴音を抱きしめ、確かな温もりを感じ、なぜか涙が止まらなかった。
「お兄ちゃん、どうしたの?なんで泣いてるの?」
俺は涙が出ているのに言葉がでず、ただ琴音を抱きしめていることしかできなかった。
「もう、本当にお兄ちゃんは私がいないと駄目なんだから。」この生意気な口調にいつもはつっこむがそんなことはできなかった。
「私ね?お兄ちゃんが助けに来てくれるって信じてたの」と俺の頭を撫でながら琴音はそう言った。
ふと、昔のことを思い出した。
小三の時の夏祭りで俺は迷子になった。その時ベンチで一人泣いていた時に琴音が俺を見つけ出してくれて、今と同じように頭を撫でて俺を泣き止めようとしていた、その時に涙が止まらなかった。
今の感情はあの時に似ていた。一人孤独で恐怖と戦い、暖かい温もりに包まれる。
自然に涙は消えていた。
そして、はにかみながら
「駄目な兄貴で悪かったな、お前をもうこんな目にあわせない約束だ。」 俺は小指をだした
「もう、私たち中3と高1だよ?」といいながら恥ずかしそうに小指をだして約束を交わした。
そして俺は琴音と一緒に化けものところに行った。
「クソッ、トクイテンナドニデクワストハウンガワルカッタ」化けものは今にも死にそうな声で壁にもたれかかったまま、自分の不運を恨むように言った。
「最期に聞きたいことがある」
「ナンダ、」
「お前の目的はなんだ?」
数秒沈黙が続き化けものは口を開こうとした。
だが、横から入るように声がした。
「我ら悪魔が人間界を支配し、天界を滅ぼすことだ。」声がする方に振り向くと、そこには、黒い翼が生え、眼鏡をかけた色白の男がいた。
「誰だ!お前は!?」
「我か?いいだろう名乗ってやる、我が名は
ベルゼ、魔王テラスにつかえる第2尋常点」
「魔王テラス?尋常点?」俺は頭の上に?しかでなかった。
「それはそうとしくじったなゲタン、お前を今この時をもって、魔王軍から追放する。」
「オレハマダッ!」化けものは立ち上がろうとしたが、
「目障りだ消えろ。」ベルゼという男が言葉を放った瞬間に、何かに押し潰されたように化けものは消えた。
「嘘だろ?一瞬で!?」驚きを隠せなかった。
「では、夏原十真と言ったかな?また、どこかで会うだろう、では、さらばだ。」
ベルゼは一瞬にしてその場から消えた。
「あいつはなんなんだ」色々な考えが頭の中を巡ったが、確実にわかったことがあった。あいつは敵ということだ。
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