あなたの神技はコピーする能力です
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「夏原十真さんあなたの神技はコピーする能力です」
白い光の中で誰かが呼んでいる。
聞いたことがない綺麗で透き通った声だ。
そう思っているとどこかからまた別の声が聞こえてきた。
聞き覚えのある。いや、毎日聞いている声が
「十真!!十真!!」
うるさい。耳がはちきれそうだ。
「十真!!!早く起きなさい!学校遅れるわよ!」
そう言われるとふと我にかえり飛び上がるようにベッドから起き、スマホで時間を確認した。
「8時、、、やべぇぇぇえええええ!!!!!!!!」
俺の名前は夏原十真、ピッカピッカの高校1年生だ!特にこれといって自分に特別な能力があるわけでもないし、趣味とかもなく、部活もやってないし、最強の帰宅部だ。だが子どもの時から思っていることがある。
それは、自分に特別な能力があれば人生は楽しくなるんじゃないかということだ。
スポーツ選手や俳優、お笑い芸人だってそうだその人たちは何らかの優れた能力を持っている。
この世は平等って言葉があちこちにあるが、全くもって不平等だ。この世界の神は何をしてるんだとつくづく思う。
俺は世界の物理法則が変わらないかと待ち望んでいるが、もしも超能力などがある世界になったとしても、自分の無力さは変わらないと心のどこかで思っている。
結果、俺はこの世界にとって不必要だ。
って本当は認めたくない。だから俺は今という時間を楽しんでいる。
俺は急いで制服に着替えながら階段をおりリビングのドアを開けた。
「なんで、今日は起こしてくんないんだよ!琴音!!」
琴音とは中3で髪型はショートカットの俺の妹、夏原琴音である。
「だって、お兄ちゃん起きないんだもん、それに高校生になったんだから自分で起きなよ~、いつまでもこの可愛い妹に起こされてたら社会人になってから大変だよ~?じゃあ行ってきま~す」と眠い目をこすりながら学校に行った。
「可愛いくねぇ~」
と言いながら食パンを二口で完食してバックを持ち、いってきますと言いリビングを出ようとしたときテレビのニュースが目に入った
「何者かが人を連れ去った?」
ニュースはそう取り上げていた、そして現場を見るとコンクリートがめくれあがり、近くのビルは廃墟のようになっていた。
「物騒よね、犯人はまだ、捕まってないらしいのよ」と母親が横から入ってきた。
「でも、人を連れ去るだけでこんなになるのか?」俺は疑問に思っていた。人を誘拐するのにここまで回りに甚大な被害を及ぼすだろうか。
そう考えていると尻を思いっきり叩かれた。
「あんた、それはそうと学校は?」
「あぁぁぁ!!!!思いっきり忘れたてたぁ!!!」
俺は家を飛び出した。
「これはまじで遅刻コースだ!」
自転車をとばし全速力でこぐも生憎赤信号だ。
「なんでこういう時に限って赤になんだこいつ!」
そう言って俺は信号を睨み付けた。
止まっていると一つ先の交差点が騒がしかった。
「なんだ?事故かなんかかな?」
信号が青になりまた全速力で自転車をこぎ、その騒がしい交差点に近づいていった。近づくにつれてなぜかすれ違う人たちは、逃げるようにその交差点から離れていた。
「兄ちゃんそっちにはいかないほうがいいぞ!」
スーツをきたサラリーマンが強ばった表情で言った。
「なにかあったんですか?」
「化けもんみたいなやつがいきなり現れて人一人殺したんだ!!」
「え!?」
そんな話信じられないと思ったがこの逃げ惑いようみて真実だということを悟った。
と同時に俺はこの道は琴音の通学路ということが一番最初に頭に上がった。
悪寒がした。
「おじさん!中学生くらいの女の子みなかった!?」
「交差点にはいた気がするが」
逃げてきた人の中に琴音の姿はなかっただとすると!!
「くそっ!」
俺はその場から逃げようとしていた自転車の向きを変え交差点に全速力で自転車をこぎはじめた。
「そっちは危険だ!!」というサラリーマンの声は俺には届いていなかった。
交差点に着くとコンクリートはめくれあがり、その化けもんっていうのにぶつかったであろう車がスクラップのようになっていた。
「これは、さっきのニュースで見た状況と同じだ!?」
俺はさらに悪寒がした。
「琴音!どこだ!?」と回りを見渡しても琴音の姿はなかった。
俺はうつむくと見覚えのある靴が凹んだガードレールのしたに見えてその靴を手に取り確認した。
「これは琴音の!?じゃあ琴音はどこに行ったんだ!?」
「何者かが人を連れ去った?」ニュースの記事が頭をよぎった。
とその時俺は背後から殺気に満ちた目がこちらをみているのに気づき振り向くと、身長3メートルを優に越える1つ目の化けものがいた。
その瞬間俺は腰が抜け地面に尻をついた。
「マダ、ニゲテナイオロカナヤツガイルトハナ」
なんだ!?こいつ!人間じゃねぇ!?
と思っていると琴音の足が化けものの後ろに見えた。
だが、その時冷静な判断ができなかった。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い
死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ
頭の中に同じ言葉が恐怖として繰り返されていたからである。
動け!俺の足!動いてくれよ!と思っても足は動かない。
「シネ、ニンゲンオマエハフヒツヨウダ」と化けものは手を高くあげ、振り下ろした。
「あー終わった俺の人生短かったな」と目をつぶり覚悟を決めた。
だが、俺が心の隅で思っていた自分自身が不必要という言葉を化けものにも言われ、俺はここで死んでも誰も悲しまないと思った。
そう思い最期の時を迎えた。
少しすると俺はまだ、自我があることに気づいた。。
「あれ、痛みがないな殺されるのが一瞬すぎて痛みがなかったのか?」と目を開けてみると化けものが目の前にいて、振り下ろされた手が当たりそうなところで止まっている。
「え、これは、、、なんだ!?」
意味がわからなかった。
「夏原十真さんですね?」と誰かが俺の頭に直で話しかけている。
「その顔はかなり困惑していますね?無理もありませんいま、私の能力で時間を止めさせてもらってます。」
「時間を止める?」何を言ってるのか理解ができなかった。
「そうです、そして今この時をもってあなたは第10特異点に選ばれました!」
「特異点?」
「そう!特異点です!そして夏原十真さんあなたの神技はコピーする能力です!」
その時、この台詞はどこかで聞いたことがある気がした。
「では詳しいことは、事がすんでからということでそろそろ私の能力がきれそうです。では!」
「ちょっと待って!特異点?コピーする能力?意味わかんないし!俺は何をすればいい!?何が目的なんだ!?」
「もぉ~めんどくさい人ですね~、とりあえずそこの化けものを倒してくれればいいんです!」
「なっ、めんどくさいって、せめてどういう能力でどう使えばいいのか教えてくれよ!」
「はぁ~、しかたないですね~、一回しか言いませんよ?あなたのコピーする能力は見たことのある技をイメージするだけで出せるんです。」
「見たことのある技?」
「そう、例えばあなたが見たことのあるマンガやアニメのキャラが使う技など自由自在に使うことができるんです。」
「それって結構強いんじゃないか?」
「当たり前です!それが神技というものなのですから!」
「なるほど、なんとなくわかった。ありがとう!えーと」
「あ、名を名乗っていませんでしたね、我が名はウィング健闘を祈ります夏原十真さん」
「ありがとう!ウィング!」
とお礼を言った瞬間に時間が動き始め、後ろで大きな音がなった。
「ナニ!?キサマドウヤッテ!」驚いている様子だった、それよりも俺は粉々になったコンクリートを見て背筋が凍った。
「うわ~こえ~、あんなんくらったらひと溜まりもないな、はっ、いかんいかんビビってどうする気を取り直して、」
「覚悟しろ!化けもの俺がお前をぶっ殺す!」あー言っちまったと後悔した。
「ブッコロス?ハッハッハッオモシロイコトヲイウジャナイカニンゲン、イイダロウセイイヲモッテコロシテヤル」
「それはどうもありがとう、だけどな俺はお前に負ける気がしねぇ!」と勢いよく飛び出した。
「くらえ!ファイアーパンチ!!!」
ひょんなことから化けものを倒すことになった俺、夏原十真!
これからどんなことが待っているのか楽しみでしょうがない!
読んでくれてありがとう!不定期投稿だけど見てくれると嬉しいな!