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初等部編38


「いや。飲んだことはないけど、聞いたことがあるんだ。確か体に良いとか……」


「おっ!よく知ってたな。この国では流通してないけど、ジャポニクスではよく飲まれてるらしいんだ。緑茶はガン予防や二日酔いにも良いし、リラックス効果や美容効果も期待できる。まぁ、カフェインが入ってるから寝る前とか妊娠中には向かないけど」


 レオが緑茶を知っていたことが余程嬉しかったのか、ジンスはいつもより早口で話しているが、興味を引かれるようなワードを織り交ぜて話すことは忘れていないようだ。

 そして、美容効果と言われれば当然この人が黙っているわけもなく……。


「ジンスさん、美容効果について詳しく教えてくださらないかしら!!」


 美意識高い系女子代表のイザベラは物凄い勢いで食い付いた。多分この瞬間はレオのことすら頭から抜けてると思う。目を爛々と輝かせてとても生き生きしている。

 イザベラはジンスの目論見(もくろみ)通り美容という言葉に釣られてるなー。そんなことを思いながらカトリーナの方を見れば彼女もわくわくした顔をしている。

 そういえば、カトリーナもイザベラ程じゃないけれど意識高い系だったな……。いや、クラスの女の子達もみんな美容関係の話は大好きだよね。私が前世の今頃の年齢って確か公園で遊んだり自転車を乗り回してたような……。

 うーん。貴族の女の子だからなのかな?幼いわりに美容関係に敏感だなぁ。


 私がぼんやり考え事をしている間にもジンスの美容講座は始まっていた。


「ーーー細胞が老化することでシミやシワができるんだけど、ビタミンEにはその老化を抑える働きがある。それで、緑茶にはビタミンEが入ってるから美容にも良いってわけ」


 どこから出したのかイザベラとカトリーナはメモを取りながら聞き入っている。


「ジンスさん、質問ですわ。ここまでのお話も大変興味深かったわ。けれど、正直まだ私達にはシミとシワの話は早すぎますの。他にも美容効果ってないのかしら」


 確かに、6、7歳の子を相手にその話はないよなー。ジンスのことだからこの後にイザベラ達を満足させる話が出てきそうだけど……なんて思っていたらやっぱり話しには続きがあった。


「イザベラ嬢、質問どーも。勿論、イザベラ嬢とカトリーナ嬢が満足できそうな美容効果の話もある。

 緑茶にはカテキンも入ってるんだけど、カテキンは紫外線による細胞の酸化を防いで、細胞の元気を維持することで、美白を維持し、日焼けからの回復を早くしてくれる。つまり、たくさんお茶を飲めば肌が黒くなりにくくなる。

 貴族の女性達がいくら日傘をさしたり気を使っていても窓から入ってくる紫外線は防げないだろ。だから、緑茶を飲んで美白の維持をするというわけ。まぁ、効果は個人差もあるだろうけど」


 へぇー。知らなかった。緑茶にそんな効果があったんだ。貴族の女性にとって美白は超が付くほど重要だし、これは売れるだろうな。もともと私は緑茶を毎日でも飲みたかったけど、今の話を聞いたら更に購買意欲が刺激されたもん。きっと二人もかなり手に入れたいと思っているんだろうな。


「買いますわ!!どこで買えるのかしら。ジンスさんから?それともスコルピウス公爵家からかしら?」


「残念ながらまだ販売はしてない。これからお米と同様にフォックス領の名産品にしていく予定なんだ。もし、流行らせるのを後押ししてくれるなら特別に今日の土産に渡すよ。勿論、カトリーナ嬢もね」


 ジンスの言葉に二人は目を輝かせ、二つ返事で引き受けていた。これで間違いなく緑茶は社交界で瞬く間に流行の最先端となるだろう。お米に関しては人が食べないというイメージから浸透しにくいだろうけど、徐々に男性中心に受け入れられていくんじゃないかな。

 だって、レオもフランチェスコもプリオスもご飯に夢中だもの。私達が緑茶の美容効果に聞き入っている間もどんな食べ物と合いそうだとか話し合ってたものね。そっちの話しにも交ざりたかった……。






 

 

緑茶ってこんなに色々な効果があったんですね。調べてみて面白かったです!

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