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幼少期7


 ノアが探しに来たお母様に連れられて部屋を出ていった後、私はレオナルド王子ルートをノートに書き出し、注意すべきこと、今からできることを探していった。


 もちろんノアと距離を置くのは無理だから、悪役令嬢回避作戦からは除外する。あんなに幼い子に急に姉から避けられたなんてトラウマを作っちゃいけない。心の闇になるかもしれない。

 決して、私が辛いからじゃない。


 誰に言うでもなく一人心の中で言い訳をしながら作戦を立てていく。



 悪役令嬢回避作戦 その1

 レオナルドに関わらない


 まぁ、王子と公爵令嬢が関わらないのはまず無理だ。

 学校は一緒になるし、公爵家の令嬢として恥じない行動をしなければならない。なので、友人にならず当たり障りのない距離感を持つってところが妥当かな?

 もちろん、私がレオナルドを好きにならないのは大前提だ。レオナルドルートの結末を知ってて好きになるとは思えないけどね。



 悪役令嬢回避作戦 その2

 レオナルドの婚約者候補から外してもらう


 これは至って重要だ。まだ6歳だし実際に婚約できるのは18歳になってからなのだが、婚約者候補は実在する。

 早すぎないかと思うが、レオナルドは王子。行く行くは王となりこの国のトップに立つ人だ。

 その妃となり陰日向と王を支えるのだ。候補者は多い方がいいし、探すのが遅すぎることはあっても早すぎることは決してない。


 問題なのは、その候補の筆頭に私がなってしまっていること。昨日までの私は王妃様に憧れていたから喜んでいたが、今は御免こうむりたい。

 ノアが廃人になる可能性が僅かにでもあるのなら、こちらから願い下げである。


 しかし、公爵令嬢が候補から外れられるのか?魔術師を除けば国で2番目に位が高い公爵家だよ?お父様もお母様も私が王妃になるべきだって言ってるし…。

 子供相手にどこまで本気で言ってるかは分からないけど、全くの嘘だってことはないはず。………たぶん。


 これは、折を見て探ってみよう。入学前までには探りたいから、あまりのんびりはしてられないな。



 悪役令嬢回避作戦 その3

 悪役令嬢の取り巻きとは仲良くならない


 確か取り巻きも初等部からの入学だから、こちらもレオナルド同様に知人程度の関係を作っていこう。これは、今どうにかできる問題じゃないから追々ね。




 悪役令嬢回避作戦 その4

 ノアを魔術師にしない


 これが一番重要かもしれない。

 レオナルドルートに入らなければならないはずだが、ゲームとこの世界がまったく一緒とは限らない。だから、今から警戒する必要がある。

 ただ、どう警戒すればいいのか分からないから困るんだよなー。


 この世界には魔法が存在する。みんな魔力を持って生まれてくるものの、力は非常に弱くそよ風が出せたり、火の火力をほんの少し強くできたりと役に立つことはほぼない。


 だから魔道具を使用する。それによって明かりはつくし、冷蔵庫やエアコンのようなものもある。

 電気やガスの代わりに燃料として魔石と呼ばれる石が使用されていること以外は日本と何も変わらない。

 ここは乙女ゲームの設定さまさまである。


 そんな中、まれに魔力が高く突風や火を起こしたりできるものがいる。それが魔術師で国に数名しかいない。


 しかし、もともと魔力が高くなくても、魔術師になれる方法がある。それは至ってシンプルで、知っていれば簡単になれる。

 ただ、それを知っている人が極端に少なく、国王様とスコルピウス公爵家の一部の者達だ。


 なぜスコルピウス公爵家の一部とはいえ知っているかと言うと、スコルピウス家は代々魔術師のなり方を受け継いでおり、過去に魔術師を何名も輩出して国に貢献してきた。

 その功績により公爵という爵位を承った魔術師の名門でもある。しかし、ここ何代もスコルピウス家から魔術師になった者はいない。なり方を知っているのにならないのは、理由があるのだろうか。


 魔術師に関しては分からないことが多すぎる、なり方があるのを知っているのはゲームの知識があるからだ。そもそも生まれ持った素質以外の方法でなれることだって、秘匿とされている。


 じゃあ、秘匿な情報をノアはどうやって手に入れた?


 ノアに魔術師の素質があるなら既にわかっているはずだし、ノアルートでもなっているはずだ。だから、情報を入手したと考えた方が説明はつく。


 アリアが自殺未遂をした時だって両親とも健在だったから魔術師のなり方を教わっていたとは考えにくいし…。


 考えれば考える程、わからなくなっていく。


 とりあえず、魔術師について調べてみよう。

 わかることはないかも知れないが、少しでもヒントになるものがあるといい。



 魔術師について考えたところで手詰まりなため、他に悪役令嬢を回避する方法を考えるが思い付かなかった。

 また、うーん、うーんと頭を悩ませているとお父様とミモルがやってきたので、慌ててノートを隠した。



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