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初等部編18


 今日は待ちに待ったお泊まり会の日。カトリーナもイザベラもお米を食べてみたい!って話になったので、お茶会からお泊まり会へと変更となった。

 今日は女子のみのお茶会&パジャマパーティー、明日の午前中はジンスが来てお米の試食会ということで話がまとまった。試食会には男子達も来たがったので両親に相談してから招待した。レオにリカルド様も連れてって良いか聞かれたのでokすればノアも参加したがり、気が付けば大人数となったが、ジンスは大喜びなので問題はないだろう。


 ジンスに両手を握られてお礼を言われた時に思わず払いのけてしまったけれど、怒ってないかな……。

 うーん。何であんなことしちゃったんだろ?

 何となく気まずくてあれから必要最低限の会話しかしてない。ジンスのことを考えるとソワソワする。



 コンコンコン


 部屋のドアがノックされた後、ノアがひょっこり顔を覗かせる。


「姉様、僕はこれから師匠と特訓してくるね。

 そのままリカルドと別邸に泊まってから、お米の試食会には間に合うように帰ってくるから僕のこと忘れちゃダメだよ!」


 ノアは最初こそ家に帰りたがったが、最近ではよくセバスと別邸に嬉々として泊まり込んでいる。リカルド様というライバルもできたようで張り切っているみたい。

「リカルドをけちょんけちょんにしてきたよ!僕もっと強くなって姉様を守るからね」

と言われた日には王族相手にまずいのでは……と肝が冷えたものだ。

 温室での一件以来リカルド様の環境も良い方向に向かっているようで良かったんだけど、最近ノアが遊んでくれなくて姉様は寂しいよ。従兄弟のガーディンとキャルロットもリカルド様にメロメロみたいだし……。

 うぅ……、ちょっとジェラシー。


 そんな私の気持ちを察したのか、ノアが部屋の中に入ってきて私の手をギュッと握る。


「姉様、僕は次期当主として姉様を守れるだけの男になるよ。だから、無理に家を出なくていいからね。むしろ、一生家にいてもいいんだよ?僕はいくら王様であろうと僕より弱い男は認めないから……」


「ノア……」

 ノアの手を握り返す。


 あぁ、ノアは今日も天使だ。にっこり笑うノアはスペシャル可愛い。


「ノア、姉様の心配はしなくていいのよ。私は身の丈にあった素敵な旦那様を見つけるわ。例え、権力がなくても力がなくても良いの。私が心から愛せる人を見つけたいの。

 だから安心して。あなたは私を守るのではなく自分と愛する人、そしてこの家を守って。お願いよ」


 にっこり笑ってノアに言えば変な顔をされた。


「アリアちゃんは何も分かってない……」


 何を言いたいのか、さっぱり分からないが久々のアリアちゃん呼びにテンションが上がる。


「うふふ……、ノアだーい好き」


 自分さえ自殺しなければ大丈夫だと思えた日から安心してノアのことを可愛がれるせいか以前よりも本音が出せるようになった。

 そんな私に嬉しそうにノアはすり寄ってくる。


「僕も姉様が好きだよ。世界中の誰よりも」

 そう言って私の頬にチュッと可愛らしくキスをしてドアへと向かった。


「じゃ、僕は行くけど早めに帰ってくるから、先に男供に会っちゃダメだからね。男はみんな危険なんだから!」


 ノアは来た時と同じようにドアから顔だけ覗かせて言うと私の返事も待たずに扉が閉まった。


 ノアは本当に心配性なんだから……。

 私は小さく笑うとカトリーナとイザベラを迎える準備をするために料理長のところへ向かうことにした。

 二人のために料理長には前世の料理を作って貰おーっと!!




久々のノア登場でした!!シスコンを拗らせてます。

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