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初等部編5


「「おーほほほほほほほほ」」


 イザベラの高笑いに共鳴するように入口から笑い声がする。


 これは、もしかしなくても……。


 恐る恐る入り口を見れば、取り巻き1・2が高笑いをしながら登場した。

 二人ともイザベラ程ではないもののやり過ぎた感満載の制服を来ている。


 類は友を呼ぶってこういう時に使うんだったかな?とこれから更に目立つことになるだろう現実からそっと目を背けるが、予想通り彼女等はこっちにやって来る。


「「イザベラ様ー、ごきげんよう。

 イザベラ様の制服素晴らしいですわー。とてもお似合いですー。

 私達も頑張っては見たのですが、やはりイザベラ様には敵いませんわー」」


 相変わらずの話し方ですこと。常に語尾を伸ばしているとお馬鹿ちゃんに見えますわよー。

 おーほほほほほほほほ……。

 心の中で話し方を真似して高笑いもしてみたけど、やっぱりしっくりこない。ゲームの中では私も高笑いしてたんだけどなぁ。

 

 私にまるで気がついてないかのように取り巻き達はイザベラに話しかけているのでぼんやりとふざけたことを考えていれば、私の態度が気に食わないのか絡んでくる。


「あら、アリアさんもいらしたのー?あまりにも影が薄くて分かりませんでしたわー」


「そんな本当のことを言ってはいけませんわー。きっと本人も地味なことを気にしてますわー」


 取り巻き1・2もイザベラ同様に私のことをじろじろと見ながら言ってくる。

 でもね、私はあなた達よりも爵位が上なんだよね。それなのに、親もいるところでそんなこと言うと非常にまずいと思うんだけど。


 あーぁ。私の傍にいる両親から怒りのオーラが出てるよ。これは、どう収集つければ良いんだろう。

 面倒だし、このままでもいいかな?いいよね?怒らせたのは私じゃないし、場所を選ばずに喧嘩売る方に問題があるよね。


 放置の方向で決定していると、少し離れたところから取り巻き1・2の両親であるアクアリウス侯爵とヴィダー侯爵が慌ててやって来て、ペコペコとお父様に謝っている。

 その姿はまるで赤べこのようである。



 すっかり修羅場となってしまったこの目立つ集団から離脱したくて仕方がない。どうにか離れる方法を思案していれば、女神のように美しいカトリーナに声をかけられたので、これ幸いと思い両親に一言断りを入れてから無事に離れることができた。


「アリアの制服素敵ね。光の加減でスカートの裾とベルトに模様が浮き出て見えるんだもの。他の人には思い付かないデザインだわ。

 皆、自分を誇示するかのような制服へとカスタマイズするなかで制服の美しさをそのままに上品に仕上がってるんだもの。これは、イザベラ様達とは逆の意味で目立つわよ」


 楽しそうにイザベラ達をさりげなく批判するカトリーナに疑問を覚える。


「イザベラ様と何かあったの?」


「ううん。イザベラ様ではなくて、エラ・ヴィダーさんとちょっとね……。ここでは言いにくいから後で聞いてもらえる?」


 小声で言われたので、小さく頷いて返事をする。それに安心したように笑った後、カトリーナは私の制服を色々な角度から見て楽しんでいた。

 余程好みだったようで、入学式が始まるまでずっと制服にされている刺繍を見て何度もうっとりとしていたのだった。







 

イザベラ、一言も話さず……。取り巻きに乗っ取られました。


アリアの制服はワンピースの裾とベルトと襟に同色の光沢のある糸で小花や蔦が刺繍されています。

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