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幼少期:リカルドside3


 また、魔力が溢れる!!と思ったが、すぐにガーディンといる時と同じように溢れた魔力が消えた。


「ふむ、感情の起伏ですぐに魔力が溢れるようですな……。魔力制御の練習がかなり必要でしょう。

 リカルド様、これをお使いください」


 渡されたのは片手に収まるサイズの透明な立方体。


「坊っちゃん、手本を見せて差し上げてください」


 そう言って、ノアへと立方体を投げた。それを視線を向けることなくキャッチし、あっという間に虹色に染めた。全ての色が等間隔に染まる。

 思わず見いっているとセバスは立方体を更にもう一つ投げた。そして、それもなんなく虹色に染めた。


「リカルド様にも立方体2つを等間隔に染めてもらいます。まずは、一つから始めてみてください。上手くできるようになったら二つ目に入りましょう。

 最低限二つできなければ、お城には3週間過ぎても帰れませんので頑張って下さい」


「……スコルピウス家の子息はどれくらいでできるようになったんだ?」


 俺が聞けばあからさまに嫌そうな顔をしながら「3日」と答えた。

 思ったより簡単なのだな……と安心し、魔力を込めると3色しか色がない。


 思わず立方体をまじまじと見る。

 ……壊れてるのか?


 そんな俺の心を読んだかのように「壊れてないから」と言って、少し離れた場所から綺麗に7色に染められた。


「……ただやってるだけじゃ、いつまで経ってもできないよ。きちんとイメージしないと。

 イメージして魔力をコントロールできれば、こんなことだってできる」


 そういうと、立方体の中がまるでスノードームのようになった。


「お前、すごいな!!」

 

 感動して思わず叫んでしまった。

 どうなっているのか知りたくて上から下からと様々な角度で眺めていると、笑い声が聞こえた。


「ノアでいいよ。僕もリカルドって呼ぶから」


 つい先程までとは違い柔らかな表情で俺を見ていた。

 ……これって、もしかして!!期待で胸が膨らんだ。


「俺たち、友達か?」


 初めて友達ができたんじゃないだろうか。王子としてではなく、俺個人の!!


「いや、友達じゃないけど。せいぜい、知り合いってとこじゃない?」


 辛辣な言葉にショックを受けている俺の姿を見て益々楽しそうにしているノアを恨みがましく睨み付ける。


「僕は出会ってすぐの人を友人とは言わないよ。そんなこと言ったら、挨拶した人みんなが友達になっちゃうからね。

 僕の立場上、僕と仲良くしたい人間ははいて捨てるほどいるんだ。友人は厳選しないと痛い目みるよ。

 これはリカルド、君にも言えることだ。人を見る目も僕達はこれから必要となるんだよ」


 なるほど……。確かにノアの言うとおりだ。

「でも、俺は俺の直感を信じる。俺はノアと友達になりたい」


 驚いたように俺を見た後

「……考えとくよ」

とどこか嬉しそうにノアは言った。






あともう一回で幼少期編のリカルドsideも終わる予定です。

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