幼少期29
短いです。
部屋に戻ると私宛の手紙が来ていた。それは、レオからのもので……。
見なくて済むのなら、見たくない。レオが良い子なのは分かったけれど、やっぱり関わりたくない。
私が葛藤しているとミモルが不思議そうに
「開けられないのですか?」
と聞いてきた。
ミモルにバレないように小さく溜め息を吐いた後、意を決して封を開けて内容を確認すれば、レオの弟リカルドに会うという約束について書かれていた。
あんな約束しなければ良かった……と後悔しても今更である。
手紙を読み終えると、城へ行くことを両親に相談しなければいけないと思い、ミモルに父と母にリカルド様のことで相談があると伝えるようお願いした。
何でこんなに問題ばかり起きるのよ……。
精神的な疲労を感じながら、部屋に戻ってきたミモルと一緒に父と母の元へと向かった。
その話し合いから数日後、私は馬車に乗ってお城へと向かっている。
私の今日の任務はリカルド様からリカルド様付きの者の情報を聞き出すことだ。
レオとリカルド様はもともと仲の良い兄弟だったらしい。面倒見の良い兄を慕っていたそうだ。しかし、ある日突然避けるようになり、原因が分からないまま王様と王妃様にも最低限しか関わり合おうとせず、ほぼ引きこもり状態となってしまった。
原因は誰かが余計なことを言ったのだと予想が着いてはいるものの、その者が誰かは分からない。もしかしたら、複数の可能性もある。
なので、私の任務はその者を探ること。
6歳の子供に何させてるんだろう……とは思うが、父と母から信頼されているからこその頼みなのだろう。
正直関わりたくないとは思っていたが、彼の行く先を知っている身としては、できるものならどうにかしてあげたいとも思う。
まぁ、無理のない範囲でだけれどね。
次回はリカルド登場します。
幼少期編もようやく終わりが見えてきました。早く、初等部編に行きたいです。




