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幼少期25


 目の前が見えるようになると、そこには皆で話していた家具とおまけに絨毯やカーテンの色までもが変わっていた。


「ーーーーー‼‼」


 まるで魔法……

 ってこれ、魔術よね!?


 ノアの方をバッと音がなりそうな勢いで振り向けば、自慢気に笑う可愛い可愛い弟の姿が写る。


「あのね、姉様に驚いて欲しくて、こっそり父様に教えてもらって練習したんだ‼

 絨毯とカーテンはこの色で良かった?」


 ピンク色の絨毯とカーテンが、絨毯はモスグリーンに深紅やゴールド・オフホワイトで縁に模様が描かれ、カーテンはオフホワイトにモスグリーンとゴールドで植物の蔓のようなものが刺繍されていた。


 同じ模様でも色の変化で随分印象が変わるものだなーと現実逃避をしかけたが、ハッと我に帰る。

 今私には確認しなければならないことがあるのだ。気持ちを落ち着けるために目を閉じゆっくりと呼吸をした。


「ねぇ、ノア……

 ノアは魔術師になるの?」


 心臓の音が頭まで鳴り響く、答えを聞くのが怖くて下を向き両手を握りしめて待った。


 しかし、なかなか返事が来ない。

 そーっとノアを見れば、不思議そうな顔をしていた。


「何で僕が魔術師になるの?」

「えっ?」

「だって僕はこの家を継ぐから、魔術師にはなれないよ?」


 当たり前のことのように言われるが、後を継ぐと何故魔術師になれないのだろう?


「何で魔術師になると家を継げないの?」

「うーん。わかんない‼

 それより、お部屋どう?気に入った?」

「もちろん‼とっても素敵になったわ。

 ありがとう、ノア」


 これ以上聞いても4歳のノアからは欲しい答えは出てこないだろう。魔術は父様に教えてもらったと言っていたから、後で聞いてみよう。ミモルにお父様のご予定を確認してもらわないと。




「アリア様、ノア様、そろそろ夕食の時間でございます」

 ミモルとメモルに促され、私達は部屋を出た。


「ノアはいつから魔術を習っているの?」

「5日前だよ‼姉様がお茶会の話をしてくれたでしょう?あの話を聞いて僕もやってみたいと思って、父様に相談したんです‼」


 たった5日で魔術を使えたことと自分が原因だったことに愕然とし、複雑な気持ちのまま食堂についた。




 ノアはまだ勉強中のため、敬語が安定していません。興奮したり、気が抜けるといつもの話し方に戻っちゃいます。

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