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俺の俺による俺だけの為に!

 目が覚めるととても長い白みがある髪が目の前にあった。さらに、その髪の間から整った綺麗な顔が俺の顔を覗き込んでいた。

 あれ?この顔、どこかでみたことあるような・・・・・たしか昨日の帰り道と学校で・・・ああ、思い出した・・・・・白河だ・・・・・って!


 「うわああぁぁーーーーー!」

 「きゃっ!」

 「えっ、えっ、お、おまっ、おまえ、な、なんで、えっ!、ええぇぇーーー!」


 ああ、だめだ全然言葉が出てこない、えっどうして白河が俺の部屋にいるんだ!


 「ちょ、ちょっと、少し落ち着いてくださいみっともないですよ」

 「だれのせいだ!だれの!」


 ・・・・・とりあえず着替えを終えてお互いに部屋の中心にある白いテーブルを挟んで座った。


 「・・・で、まず、なんでお前は俺の部屋にいるんだ?」

 「へえー、流星くんって一人暮らししてるんですね?」

 「ん?ああ、俺の両親は俺が小学生のときに亡くなったからな・・・」


 そう言うとしんみりした顔で白河は口を開いた。


 「・・・そうですか。でも、流星くんには私がついていますから!」


 と今度は強気な顔をして言ってきた。いきなりそんなこと言われても・・・・・


 「・・・・・あ、ありがとう・・・・・ってそうじゃなくって!」

 「ちぃ!」

 「あきらかに舌打ちしたなおまえ!」


 こいつ話を流そうとしてたな!油断もすきもねえな!


 「・・・・・で、お前はなんで俺の部屋にいるんだ!」

 「どうしても言わないといけませんか?」

 「ああ!」

 「そうですか」

 「その前に忘れてないですよね?」

 「な、何をだよ」

 「昨日の事です」

 「忘れるわけねぇだろうが!」


 あれを憶えてられるくらいの頭はもってる!つもりだ・・・・・


 「じゃあ、あれも憶えてますよね?」

 「あれ?」


 それだけのヒントで思い出すわけねぇだろうが!とは言わなかった。いや、言えなかったの方が正しいかも・・・・・


 「昨日言った【私と一緒に過ごす】ということをです」

 「あっ!」


 たしかに白河は言った・・・というかそれが第一声だった!しかし・・・・・


 「あれって冗談じゃなかったのか?」

 「誰がそんなことを言ったんですか?というか最初からあれを言いたくて流星さんのところへいったんですよ」


 なんか騙されたみたいだな・・・・・はああーー・・・・・


 「じゃあ次にどうやって部屋に入ったんだ?」

 「ピッキングですよ?」


 早っ!言うのが早い!もうすこし躊躇を知れよ。


 「白河、お前もそんなことできんのかよ」

 「はい。見せましょうか?」

 「いや、いいよ実際に入ってきてるし、小鳥もできるし・・・」

 「ああ、小鳥さんもできるんですか」

 「ああ、」


 昔、小鳥が俺の風呂場のドアをピッキングして開けたことを思い出してしまった・・・・・あの日はたっぷりと叱ってやったな・・・・・

 おっと、危ない危ない、あのまま自分の思い出に浸るところだった。


 「そうですか、では行きましょうか?」

 「おいおい、マジか?」

 「はい!マジです!」


 真似するな!といいたかったがグッと飲み込んだ。今は時間が惜しい。


 「はあぁぁーーー」


 これだったら小鳥の買い物に付き合ったほうがまだましっだったかもしれないな・・・・・


 「それじゃあ九時に駅に来てください」

 「え!」


 てっきり、一緒に行くのかとおもった・・・。


 「あら、別に一緒にいってもいいですけど・・・?」

 「・・・いや、有難い」


 現在の時刻は八時半、三十分でも存分に用意ができる。


 「・・・・・そうですか・・・・・」

 「あきらかに不満な顔をするんじゃない!」


 おまえが言ってきたんだろ!

 

 ・・・・・・現在、九時・・・・・・


 「よし!出陣だ!・・・・・」


 ・・・・・ここ、来晴高校のある来晴市は駅が二つある、西駅と東駅だ、俺の家に近いのは東だったのでおそらく白河の言っていた駅も東だと思う・・・・・やっぱりな、駅の入り口にある時計の下で待っている・・・・・よし!いっちょやってやる!俺の俺による俺だけの為にやってやる!


 「よ、よう・・・待たせたな・・・」

 「はい!い、いえ私も今きたとこ・・・ろ・・・」


 白河は俺を見て絶句という顔をした。

 うん!まあ、あたりまえだよね!だって、ダサいからな!着てる俺でさえおかしいと思うしね!?家のクローゼットにこんな服があるなんて俺だって驚いたよ!

 だって、よくわからないキャラTシャツに、濃い紫のパーカー、ダブダブのパンツ、さらに目がちかちかするぐらい黄色のクツ、これを見てダサくないと思うほうが難しいだろう、他人から見たら「おまえ、ラッパーか!」とツッコミを決めたくなるだろう・・・・・

 しかし、こうでもしないと白河は俺のストーカーをやめないだろう。さあ!どう出る、白河!


 「・・・・・カッコイイ・・・・・」

 「は!?」

 「い、いや流星くんにとても似合ってますよ。もう完璧、パーフェクト!」

 「・・・じょ、冗談ですよね?」


 驚きのあまり敬語になったけど冗談と言ってくれ!じゃないと俺がもたないから!


 「いえいえ、そんなことありません!とても似合っています!」


 チクショー!まさかの逆効果かよ!


 「でも流星くんにはもっと似合う服があると思うんです!分かりました。最初は洋服を買いに行きましょう!」


 なに勝手に決めてるんだ!そしてなにがわかったの!?


 「さあ、いきましょう!」

 「痛い、痛い、痛い痛い痛い、ひっぱるな!」


 ・・・・・ダメだ、聞いてねえ。


 「あの・・・俺あんまり金、持ってきてないんですけど・・・」

 「大丈夫です!今日は初めてのデートですし、私がプレゼントします」


 デートじゃねえ!という暇もなく白河は商店街に向かった・・・・・しかしすぐに左に曲がった。


 「えっ!」

 「しっ、静かに!」

 「うぐ」


 なんでだ!と言う前に白河の掌が俺の口を塞いできた。すると、白河がもといた道を指差した。


 「どこいった?リュウくうぅぅーーん」


 小鳥!なんでここに?・・・いや、大体、予想つくけど・・・・・

 「ふうぅーー・・・」


 小鳥が通り過ぎるを見計らって大きく息を吐いて俺の口を塞いでた手を離した。


 「白河、いつから気が付いていた・・・」

 「最初からです」

 「そうですか・・・・・」


 はっきり言って少し呆れている・・・・・


 「それでは、デートを再開しましょうか」

 「は、はい・・・」


 そして小鳥が去ったあとの道路にでていった。

 

 まず、最初に入った店は白河の言った通り洋服の店だった。

 まあ、勝手に決められたんだけどな・・・・・


 「さあ、入りましょう」

 「・・・・・ああ」


 入ってすぐに目に入ったのは少しラフな服装のコーナーだった。


 「まず、このコーナーから見ましょう」

 「あいよ・・・・・」


 俺もいい加減この格好嫌だから着替えられるんだったら全然いいんだけど・・・・・白河のハイテンションについていけない・・・・・

 そしてその白河は俺の服を選ぶのに夢中だ。まわりを全然気にする素振りがない。

 俺はさっきから店員や店のお客さんの視線が刺さっているので選ぶんだったらはやくしてほしいという心情だったりしてる。


 「なにかお探しですか?」


 一人の見た感じ二十代の女の店員が話しかけてきた。

 ただ、顔が引きつっている。目は俺に「早く帰ってください」と言っている。

 「い、いえ・・・はは・・・・」


 俺はその視線を無視して答えた。

 そのせいかわからないが「帰ってください」という視線が強くなった。


 「あ!すいません。メンズのパンツって何処にありますか?」


 そう言った白河の手にはこのコーナーで選んだであろう服が十枚ほどあった。

 まさかそれ全部俺が試着するのか?


 「はい。それでしたら奥の方にあります」


 店員が白河の質問に答えた。店員の言っていた奥の方を見るとパンツが実際にズラーっと並んでいた。


 「ありがとうございます」


 白河が店員にお礼を言ったので俺も見習って頭だけを下げてパンツのコーナーにむかった。

 そして白河はパンツのコーナーでも周りを気にせずパンツを選び始めた。

 俺も変わらず店員とお客さんから視線が突き刺さっている。

 それから数分後、白河は同じく十着ほどの服を選び終わったらしく店員に試着室を聞きに行った。〔なぜかスキップで〕

 やっぱり、あれ全部試着するんだな・・・・・


 「流星くん、向こうのほうに試着室があるらしいです」

 「そ、そうか」


 白河のテンションはまだ高い。

 最初にあったときのギャップがすごい。


 「流星くん、それじゃこの服を着てください」

 「ああ」


 白河からいままで選んできた合計二十着の服を受け取る。

 やっぱり、二十着もあると意外と重い。


 「私にもちゃんと見せてくださいね?」

 「え?」


 俺が自分で選んじゃダメなのか?と言おうとが言う前に白河は試着室から離れて行った。

自分の服でも選びに行ったのだろうか。


 「おお」


 白河の選んだ服の一着を手に取ってみると意外とセンスが良かった。

 今、俺が着ているこの服をカッコイイなんて言ったからてっきりかなりセンスが独創的何かと思ったけど。

 もしかして一周回ってかなりのセンスなのか?

 

 「おーい、白河ーー」

 俺は試着室から顔だけ出して白河を呼んだ。そして、少し遅れて・・・・・


 「はーい」


 と澄んだ声が聞こえてきた。最近よく聞く白河の声だけど・・・・・


 「どうかしましたか?」

 「おまえが着たら見せろって言ったんだろ?」


 俺は抗議をした。


 「あ、着替え終えましたか?」


 白河が思い出したように言った。自分で言っておいて・・・・・


 「まあ、とりあえず一着だけな・・・・・」

 「本当ですか?それでは見せてください!」


 急にテンションがさらに高くなったような?別にいいけど・・・・・


 「・・・・・分かった」


 ハッキリ言ってあんまり人に見せたくないんだけどな・・・・・

 俺は勢いよくカーテンを開けた。


 「おお」


 白河はなぜか感嘆の声を上げた。

 なんでそうなるんだろうか?

 白河の選んだ服は黒いジャガードデザインカットソーにさらにその上からブラックのジャケット、パンツはグレーのガーゴパンツとなった。


 「・・・・・どうだ?」


 俺は恐る恐る聞いてみた。


 「会計済ませてきていいですか?」

 「は!?いやいや、ちょっと待て!」


 そんなに似合ってたか?

 俺はまあまあこういうのは好きだがこれからどんどん暑くなるのにこれはあんまりよくないんじゃないか?


 「そ、そうですねまだまだ次がありますし・・・・・」


 俺はそういう意味で言ったわけじゃないんだが・・・・・


 「あ!そうそうこれも合うかもしれませんね!これも着てみてください!」

 白河は五着ほどのパンツと上着を持って言った。

 おまえ、どこから出したんだ?いや、値札が付いているからこの店のだと分かるけど・・・・・


 「はい。どうぞ」


 さらに五着追加された・・・・・

 


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