紫苑色の衣装
「皆様、本日は私の成人式典にお集まりいただきありがとうございます」
今頃キキョウと、サクラの結婚式が行われているはずだ。
準備が早く終わっていたらもう終わっているかもしれない。
一応そっちに出席している人たちも式典が終わり、パーティーになったころこちらに来る手はずになっている。
パーティーでは何もしない。
最後の仕掛けとサクラが言っていたのは俺が今はなしているスピーチに自分たちの結婚式が行われていることを含めて話せということ。
パーティーで二人がダンスを踊っているところを見ればそれが事実で、隣国の王子との婚姻は結べないことがわかるだろうと。
もともと宰相が一人で考えて、動いていたことだからパーティーの最中にそれとなく噂を流す。
お互いに思いあっていたが結婚はそれぞれの兄がしてからだと思っていた。
でも、隣国の王子との婚姻の話が上がり、サクラを手放したくないキキョウが両家の当主を説得し結婚にこぎつけたと
本当は芽生え始めたばかりでお互いに自分の気持ちの鈍感な二人は全く気が付いていなかったが。
この国で一番の騎士と、才女の結婚はきっと他国にとどく。
キキョウは国際親善剣術大会の優勝者だ。
隣国には確実に今日中に届くだろう。
僕の成人式典に隣国の大使も来ている。
宰相が思いあう二人を引き裂く悪者。
もともとあまりいいうわさを聞かなかった隣国王子との婚姻だ。
宰相の独断という形で何らかの罰を与えて終わるだろ。
俺の仕事はあと少し。
このスピーチを終わらせること。
そして、
思い切りキキョウをからかってやる。
まさかあいつが先に結婚するとは思わなかったがこれからなかなか面白くなりそうだ。
パーティーでそれとなく俺たちが考えた法案の根回しもしたほうがいいかも。
そう思いながらスピーチを終え頭を下げた。
思わずにやける顔を何とか戻しながら。




