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ダンスはたくさんの花とともに

「お初にお目にかかります王子。お久しぶりですヒマワリ様。ボタン・アリウムでございます。」

「ナデシコ・アリウムでございます。」

「「よろしくお願いいたします。」」


二人はこの国では珍しい双子だ。

姉のボタンはただひとりの王妃候補、ナデシコは兄の婚約者だ。

私は以前女学校で二人と出会い意気投合した。

兄と王子の実態を知っていてダンスレッスンに協力してくれそうな人物は二人以外見当たらなかった。


「サクラ、これはどういうことだ。」

「私たちは何も聞いてないぞ。」

「王子、お兄様。お二人のことを唯一見放さなかった方々ですわ。私がお呼びしないわけないでしょう。」

「だが、」

「お二人のダンスのお相手が私なわけないでしょう。どう考えたっておかしいですわ。」


おもに身長的な意味で、だ。

私の身長は兄と同じ。

女性にしてはかなり大きい。

対して二人は平均的な身長をしている。

私だとダンスのレッスンがおかしい形になってしまう恐れがあるので適役を呼んだということだ。


「サクラもダンスしないのか?」

「私は結構ですわ。お二人とはどう考えても練習になりませんし。」

「なら、キキョウと練習すればいい。」

「は?」


今日もキキョウ様は入り口のドアに背を向けこっちを見ている。

だけどいつもと違い若干目が見開いているのがわかる。


「キキョウなら身長もサクラといいバランスだし、ただ立っているだけもつまらないだろ。参加しろ。」


こういうときだけ王子は命令口調になる。

普段は命令なんてしないのに。

そんなに巻き込みたいのか。

反論しようとした私の言葉はつづいたボタンとナデシコの賛成意見に飲み込まれむなしく宙に浮いたままになってしまった。

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