会長は・・・#番外編#
会長は・・・の番外編です♪
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楽しんでいただければ、幸いです(*^▽^*)
「遅刻するよ!起きなさいっ」
布団を被っていても寒い部屋で、いつまでも爆睡している彼を起こす私。
「んー・・・寒い・・・寒い・・・」
「寒いとかじゃなくて、ちょ、うわっ」
寒さが苦手な彼は私を自分の元へと引き込んでまた寝息を立てる。
「ちょ、ちょっと!起きなさいっていってるでしょ!」
「やーだー・・・俺まだ寝る・・・」
まだ寝るも何も、あと10分程度で出勤時間なんですが・・・。
「んも・・・とりあえず私を解放してよっ」
私は彼の元から無理やり脱出して、床にヘタリと座り込んだ。
・・・・
元鈴架学園.生徒会会長.久仁江田鈴羽。
今は、ほぼ専業主婦(週2回喫茶店でバイト)やってます。
そして・・・さっきから私が必死に起こしている彼。
久仁江田哉也。私の旦那さん。
あれから4年。高校で付き合って以来、穏やかに日は流れ結婚に至りました。
いやまぁ・・・相変わらず怖いと不評判なんだけど・・・。
哉也は今スポーツジムのインストラクターとして、働いている。
これがまた、すごい評判で、毎日毎日奥様方に囲まれるのだとか。
この前は雑誌記者に質問攻めされて、へとへとで帰ってきた。
まぁ・・・そんなこんなで、あまり不自由なく、結婚生活を華麗に送っている私達であります。
哉也の起きない癖はいい加減なんとかしてほしいけどね・・・。
「かーなーや!いい加減起きなさいよ!?ホント、あと5分だよ!?」
とにかく哉也に時間が無い事を訴えていると、20回目ぐらいでムク・・・と起き上がった。
「・・・寒いんだけど・・・」
「ならリビング行くよ。リビングは暖房ついてるから。ついでにご飯食べて用意して、仕事行ってください」
「あいよー・・・」
やっと起きて、かったるそうにベットから離れてリビングへと足を運ぶ哉也。
と、リビングへ行くドアの手前で足を止めた。
後ろにいた私は、急に止まった哉也にぶつかる。
「いって・・・。もう、なに___」
文句を言おうとすると、私の唇に体温が伝わる。
5秒ほどその状態で。5秒後には、目の前ではにかむ...哉也の姿。
「おはようのKissねっ。おはようございます、会長っ」
そのはにかみかたは、意地悪だけど屈託ない。
そして相変わらずこういうときに会長と呼ぶ。
「・・・はぁ・・・もうなんか、慣れた・・・ダメだね、私・・・。うん、おはようございます」
呆れて、慣れてしまっている自分を貶すのに努める私だった。
というか、挨拶だけは相変わらずちゃんとするな、哉也は。
******
「んじゃ、行ってきます」
「いってらっしゃい、気をつけてね」
玄関まで丁寧に送る私。
部屋から送る事は絶対にしたくない。
あんた悲劇、二度と起こさないためにも、ね?
まぁ本心は、少しでも哉也の傍にいたのかもしれないけれど。
「さーてと!洗濯物ほして、部屋片つけて...。あ、本屋寄ってからバイト行こうかな?」
そんな自由気ままな予定を立てて家事をこなしていく。
面倒くさそうに見えて、案外楽しかったりする。
バイトも楽しいし。いやまぁ、制服は気にいらないんだけどねぇ・・・。
そんなこんなで、私達は自由気ままでとても楽しい生活をしている。
哉也のエロ魔人ぶりには呆れたものだけどね・・・。
自由気ままって、なんかすぐ壊れそうだけど、別に大丈夫。
私にも哉也にも、悲しくて残酷な過去があるけれど、そんなのをぶっ飛ばすぐらいに
幸せで楽しい未来があればいいのと同じ。
終わりよければなんとかって言うでしょ。
あぁ、ついでにイケメンもいればなおいいかなー・・・なんて。
こんなこと言ったら哉也は世の中の自分以外のイケメンを半殺しにしていきそうだな・・・。
やめとこ・・・。
ともあれ、結局は『終わりよければすべてよし!』なのだ。
あわよくば、これから先もずっと肩を並べて歩んでいけますように。
*―ある日の会話―*by哉也
「なぁ、鈴」
洗濯物を畳んでいる鈴に声をかけると、小首をかしげて
「ん?なに?」
と、俺ビジョンで行くと超可愛い顔で問い返してきた。
・・・イエローカード出していいですかね。
「哉也?」
「あぁごめん。鈴があまりにも可愛くてねー」
いつもの調子で言うと、鈴もいつもの調子で
「アホな冗談言ってる暇あるなら、筋トレでもしておきなさいよ」
と返ってきた。
たっくー。相変わらずそっけないなぁ・・・。
ま、そこが可愛いという説もあるのだが。(俺論)
「鈴ー」
「なに?筋トレするの?いってらっしゃーい」
「ちげーよ。俺はそんなことが言いたいんじゃなくてだな」
つか、なんで筋トレする報告を俺がしないといけないんだ。
本当に・・・こいつは・・・
「じゃぁなに?」
再び首を傾げる鈴。
あちゃー・・・もうレッドカードですよ、鈴羽さん。(俺ビジョンと俺論)
そんなことを思っていると、洗濯もの畳み終わった鈴が俺の横に座った。
お、丁度いい。
「俺が言いたいのわね__」
『そろそろ、家族を増やそうよ』
鈴の耳元で、そう囁く。
鈴は、首から耳までを真っ赤にして俯いた。
「鈴はいや?」
訊くと鈴は静かに首を振った。
「赤ちゃん・・・つくろう?」
再び問いかけると、ふわりと笑って頷いた。
そして、俺の耳元に近づいた。
・・・小さな小さな声で、俺に囁く言葉。
___もったいないぐらいに、可愛い言葉。
*END*
もう・・・こんなクオリティーでスイマセン・・・。
とにかく哉也をエロ魔人にしたくてこんなになりました。
すいません、すいません・・・。
最後の、鈴羽の言葉は皆さんのご想像にお任せしますね*