幼女神の憂鬱
この物語はフィクションです。
熱心な信仰心のある方は気分を害される恐れがあるので即座に戻るを押してください。
―――神、ここでは神といっても立派な職業に就いている。
人に試練と奇跡を起こす運命を司る部署、世界構築を行う部署、世界のバランスを整える部署
様々な部署が存在するこの天上世界。
そこに魂の管理を行う部署が存在した。
これはそこに勤める金髪の美幼女の姿をした神の物語である。
―――魂管理課。
妾は神じゃ、名前はシルティ。
こんななりをしておるが齢■■■の立派な課長じゃ。
結構な上位神に名を連ねておる。
仕事は毎日書類で各世界に送る浄化された魂の総量を決済してその世界に生まれる肉体と魂のバランスを取ることじゃ。
少なければ魂魄生産ラインにて発注してもらうのが主な仕事なのじゃ。
今日もいつも通りの仕事で終わるはずじゃった・・・。
あの上司が会議室で馬鹿な事を言い出さなかったら―――。
「そwwwうwwwだwwww転生ものを作ろうずwwww」
「は?」
妾の上司はそう・・・一言で言うなら馬鹿じゃ。
一応それでも最高格の神なので誰もが言う事を聞かねばならぬ。
最近は下界のにちゃん?なるものにアクセスして仕事を他に押し付けておった。
仕事してる所、妾は見た事無いのう。
下界の人々の影響に染まっては騒動ばかり起こす困った上司…胃薬無いかの?
今回もきっとまたナニカに影響されたのだろう。
「いまいち状況が把握できぬのですが・・・。
理由をお聞きしても?」
妾にも上司に対する言葉遣いというものを弁えておるのじゃが・・・。
こやつに使うのは多分一生慣れぬじゃろう。
「うはwwwwおkwwww。
・・・ゴホン、下界にこんな小説が載っていたんだ。」
資料を見ると転生というジャンルで特典を人に渡して別の世界に送りつけるという小説内容じゃった。
人間の想像力は逞しいのう。
…うむ、現実逃避と責めんでおくれ。
「で、この小説がどうかしましたか。」
一縷の希望に縋って聞きなおす。
―――うむ、粉々に希望は砕かれるのは分かっておるのじゃ。
じゃが夢を見ても罰はあたらんじゃろ?(涙
「つまりだ・・・。
リアル転生物をやっちまえYO!you!」
そう言うと転生の為の手引き資料とかいうものを渡された。
用意周到なのじゃ・・・それをマトモな事に生かしたところ見たこと無いんじゃが。
「・・・わかったのじゃ。」
いつもの無茶振りが始まった・・・。
胃薬・・・無いかの?(涙
職場にトボトボと重い足を引きずって戻った私は早速手引書の通りに部下を動かす。
部下も「またか…了解しました」と即座に理解してくれる、私には過ぎた部下達じゃ。
書類によると私も同じようにその転生とやらをやらねばならぬらしい・・・。
魂の浄化前で一つ捕ってくるかのう。
魂とは人々が思うような人魂の形はしとらぬ。
どちらかというと不恰好なガラスみたいなものじゃ。
形(性格)と色(性根)と大きさ(年齢)で大体の生前が解るのじゃ。
この形を削って小さな丸いガラスの玉のようにすることで浄化されるのじゃ。
手引書によれば―――
形は問わないが歪なものが良い。
色は問わないが多少濁ったものが良い。
大きさは問わないが小さ目から中位のものが良い。
(・・・つまり面白そうな魂もってこいといっているのじゃな)
転生させる魂の心得。
魂を捕ったらサイコロを振る。
偶数なら魂との面接を行わない
奇数なら面接を行う。
(神がサイコロ振って運任せなど・・・人間には見せられんのう(涙))
その次は12ダイスサイコロを振る。
出た目は手引書の下記に沿って特典の数を決める。
次はルーレットで転生先を決める。
(一番当たりやすいルーレットは・・・リリ・・・カル、なんじゃそれ?
後転生先を自由に選ばせるとか新しく世界と転生専用の神界を作るとか・・・あやつ正気か?)
妾は勤め先間違ったかの・・・。
いや、生まれ先を間違ったかもしれん。
妾たちがその作業を血反吐を吐いてしてあやつは一人のうのうとそれを見るだけとか・・・不幸じゃ。
こんな転生プランがあるのなら妾も人間として生を受けたいのじゃ。
ため息を吐き手ごろな魂を拾い上げる。
魂の情報を脳に複写・・・ふむ交通事故かの。
サイコロを振り手引書に書いてある通り面談するために結界を開いて神秘的な場を表現する。
結界の作用で魂が覚醒し、ヒトガタを取り始めた。
面談の際、色々と言い訳や演技を考えながら妾は深々とため息を吐いた。
―――殴られるのは・・・嫌じゃのう。
おつかれさまでした。
ちょっと幼女のような神さまにひげからSOS信号を受信したので書いてしまいました。(嘘?)
多分転生ものの舞台裏ってこんな感じですよね・・・。
でも私は諦めない!(ぇ