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水の国の交流譚  作者:
一杯目・五芒家編
6/11

信者

「…アリオト、次の試合はお前だろう。準備しないのか?」

「もう完了していますよ、メラク。貴方こそかの”紅き血”が相手でしょう?英気を養う時にここまで来て激励など、余裕が過ぎますよ」

「誰にものを言ってるんだ、アリオト。俺だぞ?」

「……はぁ、貴方のその考えはいつまで経っても理解できませんね、戦闘狂」

「褒め言葉ありがとな」

「この……!」


この2人は、信者である。神に祈り、神と契りを交わし、神とともに歩み、自らの罪を洗い流す。そんな宗教の信者。


「ルミナ…あの隷者なんだけどさー」

「……」


男がルミナの名を口にすると、女は口を尖らせ、無言で不満をにじませる。


「あー…お前はそういう奴だったな。悪い悪い」

「…はぁ。貴方だから許すんですから」

「おっ、ありがとさん」

「メラク、だいたい貴方は──」

「げ、始まった……」


時折、メラクはアリオトを少々弄る。それに怒ったアリオトがよくメラクに注意し、それをメラクは聞き流す。その繰り返し。半ばアリオトも諦めているのだが、依然としてメラクがそれを辞める気配はない。いたちごっこのような児戯なのだ。


「なあアリオト。あの隷者はどうするんだ?」

「……そうですね。この場の貴方が総指揮ですので…少々複雑ではありますが、貴方に従います。指示を」

「おー…えらく従順だな、珍しい」

「あくまでも上の決定に過ぎませんから」

「ドライだなあ…」

「今更でしょう?数百年前からずうっとそうでしたもの」

「にしてもだろ。お前は俺をどう見てるんだ」

「昔も今もおんなじですよ、メラク。貴方は子供ですから」

「んだとこの…!」


とある任務のつかの間の、2人きりの談話。その休息は確実に彼らを癒やしていた。たとえ何があろうとも、任務を遂行する…、それでいいのだと。薄らと2人の心に、そんな決心が灯る。


「──どうです?ファルカダインは」

「順調。あとはウロデルスとイルドゥンの2つだ」

「そう。そのファルカダインもミザールの手を借りたクセに」

「五芒家を舐めるなよ。お前はそもそも出かけてねえだろうが」

「500回ほど聞きましたよ、それ」

「お前まじで…ほんと…」

「大丈夫ですか?ストレスにはこのお茶が……」

「お前のせいだ阿呆が」

「ふふっ、知ってます」


息を潜めて獲物を穿つ。ただそれだけのことなのだ。

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