30 ある少女の独白
【ある少女の独白】
ルーナは、わるいこ。
おかーしゃまは、「ほんとうのおかーしゃま」じゃないの。
でもルーナは、そのことをひみつにしてる。
ほんとうのことをいったら、おかーしゃまは、いなくなっちゃうかもしれない、から。
だって、おかーしゃまは、おばけちゃんにそっくりなの。
おばけちゃんは、みんなにきらわれてる。
だからルーナは、おかーしゃまがおばけちゃんだってことを、いわないってきめた。
みんなはおばけちゃんこわがるけど、ルーナはおばけちゃん、こわくないよ。
――ううん、やっぱりちょっと、こわいけど。でも、こわくても、だいすきなの。
だって、おかーしゃまはさみしそうで。
でも、おてては、いつもあたたかくて。
ルーナがこわいゆめをみたとき、わるものをおいはらってくれた。
「もう大丈夫」
「大好きよ」
そういって、あたまをなでてくれる。
だから、ルーナは。
おかーしゃまに、そばにいてほしいの。
もし――。
おかーしゃまが、おかーしゃまじゃないって、
ほんとうのことをしってるのに、ひみつにしてるのが、わるいことなら。
ルーナは、てんごくにいけないのかもしれない。
でも。
ルーナは、てんごくにいけなくてもいいよ。
おかーしゃまと、いっしょにいられるなら。
ルーナは、わるいこで、いるよ。




