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第10章 火種の拡大
これで一応区切りました
月明かりも霞む森の奥、焚き火の煙がゆらりと揺れていた。
カイは妹リナの亡骸を思い浮かべながら、鋭い視線を前に向ける。
――黒牙団。
――擬態する魔物。
三つ巴の争いは、ついにこの地で激突した。
矢が飛び交い、刃が火花を散らす。
セラが矢を放ち、カイは短剣で黒牙団の兵士を切り伏せる。
一方で、仮面の下で獣の姿を現す魔物が、人間たちを蹴散らしていく。
だが戦闘の混乱の中で、黒牙団の隊長の一人が背後から銃口を向けられた。
「裏切り者か……?」
カイの目に映るのは、敵味方の混乱、そして新たな敵の影。
魔物は吠え声を上げ、両陣営を翻弄しながら姿を消す。
森は火を吹き、古い村跡は無残に崩れ落ちた。
戦いは終わらなかった。
ただ、次の戦いへの火種を残して――。




