22. ポンドール公国
20日も待たずに次の交易船がやって来た。ポンドール公国まで片道10日?帆船だから風向きもあるから行きも帰りも同じじゃないか。人手で漕ぐ分もあるから同じなのか?よくわからないけど、そんな事より、公国のそれなりに偉い人が一緒に来ている。ウェリントン左大臣だってさ。
「左大臣ってどれだけ偉いの?」
「天皇制で言えば、太政大臣の次に偉い人だね。太政大臣はいない事の方が多いから、事実上天皇の次に偉い人かな。」
国のナンバー2なのか。と言う事は、宰相クラスね。
あれ?そう言えばソマリもサイベリアンの宰相だったよね。偉い人扱いしていなかったな。あれと同じでいいのかな。
「突然の来訪だから、ブラントン伯爵並みの歓迎でいいと思うよ。相手もそこまで期待していないはずだ。もし歓迎度合いに不満を見せるならソマリ扱いにしよう。」
私がわかりやすいのか、それとも鑑定で知ったのか。
「鑑定していないよ。」
やっぱり私がわかりやすいらしい。
港の官邸は素通りしてタウンゼントの邸宅へご招待。やっぱり邸宅内にトイレがあることや、それが水洗であることに驚かれた。
左大臣の名前はダニエル・ウェリントン。時計屋さんね。
私でも手が届くブランドだから、お気に入りだったのを思い出して第一印象が良くなったよ。
左大臣が来た理由は、サイベリアンがポンドール公国との関係を見直したいと考えていることがわかったので、タウンゼントとの関係を新たに構築したい、それもできるだけ早く、という話だった。事務方で話を進めるのも惜しい位に急いでいることを示したいんだって。
だから今回の話はポンドール公国にとっては渡りに船だったみたい。
サイベリアンの内部事情がダダ洩れね。多分東部の誰かからの情報よね。私たちのこともある程度は知っているみたい。慎二くんの鑑定が威力を発揮しそうね。
『私たちを国扱いして頂けるのであれば、是非進めたいと存じます。』
慎二くんは(多分)鑑定を使って嘘がないと判断して答えた。
『もちろんそのつもりです。今後ともよろしくお願いします。』
ウェリントン左大臣がそう返事をしたのを聞いて、私は微笑みを返した。
ダニエル・ウェリントン :ポンドール公国 左大臣




