20. 反乱の兆し4
将来のポンドール公国との貿易に備えて、タウンゼント港からテック領に向けての道路を整備することになった。セメントが出来てからは道路整備に私が出ることはない。
食料が豊富な領地と言うことが少しずつ広まっているので、移民も増えて来たから、人足には困らなくなってきたのもあり、ライアンたちがいなくてもそれなりに工事が進んでいるそうだ。いたらもっと早いのだけどね。テック港はやっぱり漁港になりそうね。
移民の半数はブラントン領から来ている人たちだ。ごめんよブラントン伯爵。麦播種機も渡したから麦の生産は増えて来たはずだし、テック領までの道ができれば、テック領からも来ると思うから許してね。領民の数を正確には把握していないだろうから気が付いていないかもだけれど。
シドニー侯爵たちの口ぶりからすると、タウンゼントはサイベリアン国の一部ではあるけれど別の国の認識みたいだったね。治外法権だと思われていなければ、貿易の抜け道に使おうなんて考えないと思うの。でもこれが原因で攻めて来られないかは心配だな。
「ねえ、慎二くん。貿易が始まったらサイベリアン国から攻められるんじゃないかな。」
「そうだね。もしかするとそうなるかも知れない。」
どうして笑顔でそんな怖い事が言えるの?戦争なんてなったら大変じゃないの。私が顔を引きつらせていると、
「そうなったらサイベリアン国王は終了だと思うよ。この国の半数はタウンゼント側に付くのは間違いない。そして残りがすべて国王に付くとは思えない。戦争で味方に付けるのに必要な理屈がないからね。
よほどの馬鹿でなければ攻めて来ないと思うよ。もし来たとしても、君とライアンとマーサで殲滅できるだろうし。」
私が?戦争だよ?怖いじゃない。
でも最近の私は何の役にもたっていなくて慎二くんに丸投げだから、もしそうなったらやるしかないのかしら。
「君が最前線に立って戦争に勝利したら、その時は…」
「その時は?」
「サユリ・タカツカサ・タウンゼント女王の爆誕だね。」
以前も女王になる話があったけど、私にそんなの無理だと思う。今のままで十分だし、今までやらずに済んだ社交とか?は面倒すぎるよ。
「そうならないようにするにはどうすれば良いと思う?」
「国王が馬鹿じゃないことを祈る位かな。断交しないように先に動くのもアリかもね。」
「どうするの?」
「国が断交を決める前にポンドール公国と交易を始めてみるとか。やってみるかい?」




