19. 反乱の兆し3
シドニー侯爵が口を開いた。
『我らの隣国であるポンドール公国のことはどの程度ご存じでしょうか。』
私はまったくご存じないです。慎二くん、よろしく。そう考えて慎二くんを見ると
『貴殿らの貿易相手国でしょうか。その程度の知識です。』
と答えた。へー、そうなんだ。そもそもそんな国があることも知らないよ。
『そうですか。タウンゼントからは遠いですし、内政に勤しんでいらっしゃいますから已むを得ないでしょうか。』
あれ?あなた方は領地に籠って社交をしてきていませんねって言う副音声が聞こえた気がする。嫌味だったのかな。
気付かないふりで聞いてみた。
『それで、相談事とポンドール公国は関係があるのですか?』
『実は王家がポンドール公国と断交を検討しているのです。』
断交か。そもそも私たちには関係ない話の気がするんだけど。断交したらここに来た人たちが困ると言うのはわかるけど、それで何を協力すればいいのかしら。
『なるほど。そう言うことですか。』
慎二くんは何を求めているか分かったみたいだ。私はさっぱりだよ。
『港を使うなら、ダグラス侯爵領の港を使えば良いではありませんか。1年後にはテック伯爵領にもできます。』
『断交となればどちらの港も使えません。タウンゼント港であれば王家が断交したとしても、関係ないのではありませんか?それにタウンゼントとポンドール公国の繋ぎが出来て、公爵にも理があると考えますが、如何でしょうか。』
なるほどね。迂回して交易を続けようってことか。でも効率が悪くなるから成り立つのかな。
『確かにそうでしょうが、そうなるとボーレット侯爵、ピンシャー伯爵、ハーウッド伯爵らの了解が必要だと思いますが、そこはどうなっているのでしょうか。』
『その方々は問題ありません。今までもダグラス領の港を使って交易していた分がありますので、我々の領地からダグラス領へ物を運ぶ経由地でしたから。
タウンゼントまでとなると、ダグラス領とテック領も経由することになるので、公爵の了解を得られ次第、ダグラス侯爵とテック伯爵に了解を得ます。』
テック領は南西隣なのは知っていたけど、その隣がダグラス領なのね。他の位置関係はよくわからないから後で教えて貰おう。
了解しても良いの?そう考えて慎二くんを見たら頷いたので、
『わかりました。その時が来れば協力致します。』
と言って微笑んでおいた。
これって王家の意向を無視することになるよね。私たちは元々無視していたから良いんだけど、この人たちは王家に反抗していることになるんじゃないのかな。知らんけど。




