18.反乱の兆し2
ブラントン邸に着くと、ブラントン伯爵以外にマーシャル伯爵が出迎えていてくれた。聞いてはいたけど本当にいるんだね。何を相談されるんだろう。
馬車から降りると、マーシャル伯爵が
『お疲れのところ、申し訳ないのですが、ご相談がございます。早速ですが、会談をさせて頂きたいのですが。』
と言い出した。すると、ブラントン伯爵がそれを止める。
『マーシャル伯爵、貴方も感じた通りお疲れだと思いますよ。他の方々がそろってからで良いではありませんか。』
他の方々?まだ他に誰か来るの?そんな疑問を浮かべると、慎二くんが代わりに
『他にもどなたか見えるのでしょうか。伺っておりませんが。』
と聞いてくれた。
『申し訳ありません。伝令を出してすぐ後に申し入れがあり、お伝えできませんでした。シドニー侯爵、ダドリー侯爵とラウザー伯爵が明日にもお見えになります。』
誰だっけ。まあいいや、あとで慎二くんに聞こう。
『そうですか。わかりました。相談事は同じと考えてよろしいですか?』
『はい、ほぼ同じです。』
微妙な言い方をするね。私が微笑んでいると、ブラントン伯爵が
『まずは客間にご案内致します。滞在時にいつもお使い頂いている部屋になりますのでご存じだとは思いますが、どうぞこちらへ。』
客間に落ち着いたので、さっき聞いた貴族について慎二くんに尋ねると、
「全員が東の果ての人たちだよ。シドニー侯爵が北東、マーシャル伯爵とラウザー伯爵が東、ダドリー侯爵が南東で、全員教皇派さ。」
教皇派と聞いて、私でも嫌な予感を感じる。まさか相談事って反乱の手伝いとかじゃないよね。でも各領地近くに王領があって、代官が駐在しているはずだから、もし反乱の兆しがあるなら王家は掴んでいるんじゃないかしら。
「もしかして相談事って反乱の誘い?もしそうなら王家にバレているんじゃない?」
「さあね。何の相談かわからないことを心配しても仕方ないさ。明日になれば分かる。でも仮にそうだとしても王家が知っていない可能性の方が高いと思う。」
「どうして?代官から何か報告があるんじゃないの?」
「多分ないよ。代官制度自体はよく考えられていると思うけど、代官が世襲で土着しているから制度が機能していないだろうね。
遠くの親戚より近くの他人って言葉があるように、疎遠な王家より近くの貴族家だよ。王家の配下かも知れないけれど、近くの貴族家に世話になっていたらどちらの味方になるんだろうね。
代官は世襲でも良いけれど、土着させちゃ駄目だ。転勤族にしていないのが失敗だよ。」




