14. トイレ問題
いやぁ参ったまいった。テック領の道がこれほど酷いとは思わなかった。ブラントンはまだましだったけれど、タウンゼント以外はみんなこんな感じなのかな。
なぜ今テック領に向かっているかと言うと、テック伯爵御一行がタウンゼント港を見に来て、そのままテック領への帰りにご一緒することになったのだ。
この調子で港まで行ったら、私のおしりは割れてしまう。そんなことを慎二くんに言ったら、
「それはもう手遅れだね。」
うん、知ってる。そんなことより、道の整備って、どうしてこんなにできてないの?旅行が楽しくないんですけど。サスペンション有りのこの馬車でこれなら、無くて乗っている人の気が知れない。
私の考えを察した慎二くんが、
「テック伯爵はもっと揺れているよ。でも、それが普通だと思っているから。多分歩いて付いて来ている兵士が一番良いかも知れないね。」
そう言えばライアンたちは最初は一緒に乗っていたのに、ブラントン領の途中から歩いているね。
「騎馬の人じゃなくて?」
「そう思うのなら乗馬の練習してみるかい?慣れれば確かに歩きより楽かもしれないけれど、最初のうちは歩きの方が楽だと思うよ。」
そんな不毛な話をしているうちに、テック伯爵の屋敷に着いた。立派なお屋敷だ。ブラントン伯爵の屋敷とそん色ない。港に行く前にここで一泊するそうだ。
屋敷に招かれ、やっと客間に落ち着いたが、トイレがなー。ブラントン邸のトイレはいわゆるおがくずトイレなのだが、ここは汲み取り、と言うか深い穴で、定期的に場所を移動させているトイレが屋敷の外にあるのだ。
ブラントン邸のおがくずトイレも、提案の結果できているので私たちのおかげでもあるのだが、貴族でも壺や桶にするのが普通で、平民は野原が普通だというのを忘れていた。そういう意味ではこれでも進んでいる方なのだ。
「もうこれを最後に、タウンゼント以外の土地には行きません。トイレの改善無くして新たな訪問なしです。」
「そうだね。小百合はそうすれば良いよ。もし行くことがあれば俺が代行する。ただ、王都にはいつか行くことになると思うから、それだけは一緒に行くよ。」
そういえば王城もここと同じだったね。嫌だな-。




