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女王陛下になりました?  作者: 甘木
5.女王陛下になりました?
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閑話 バッテリー

ep.6 の伏線回収です。

 恐れていた出来事がついに現実となってしまった。私の相棒である携帯用おしり洗浄機が動かなくなったのだ。いくら充電しても充電できていない。かろうじてチョロっと出た後はスイッチオンオフを繰り返しても、少し滴り落ちるだけである。


「どうしよう。おしり洗浄機が使えなくなっちゃった。多分バッテリーがダメになったんだと思うんだけど、何とかならない?」

「それは無理だよ。バッテリーを作る技術なんてここにはないし、修理できるものでもないから、諦めなよ。要は水鉄砲みたいなものだろう。それなら多分作れるからそれで代用するしかないね。」


 なんてことでしょう。おしり洗浄機は私にとって慎二くんと同じ?位大切なものなのに、あきらめろって言うなんて酷過ぎる。

「今バッテリーで動いているものはいずれその運命だって、以前言ったと思うけどな。このパソコンだってそのうち使えなくなるから、できるだけ中の情報を書き出しているんだ。」


 うん、そうだね。最初は慎二くんがやっていたけど、最近は慎二くんが読み出して、それを書記が記録している。おかげで書記の人が知識を得て、結果的に人材育成ができるようになった。

 手当たり次第に書き出しているのではなく、必要となりそうなこととこの地で出来そうなことを優先してやっていると言っていたが、PC内の情報すべてをバッテリーがダメになる前に書き出すのは無理だろうと悩んでいたのは知っている。


 バッテリー問題が解決できれば慎二くんにもっと余裕ができるのにと考えたら、少し落ち着いた。

 私のおしり洗浄機問題でこれ以上慎二くんに言っても無駄ね。水鉄砲か。良い感じに作れるのかなぁ。



「もうバッテリーがダメになったのなら、ちょっと試してみないか?」

「試すって、何を?」

「光浄化。だいぶ前に伝えていると思うけど、君のスキルに光浄化ってのがあるって言っただろう。光浄化は回復系のスキルだから、もしかするとバッテリーも回復できるかもしれない。これができればバッテリー問題が解決する。ダメもとで試してみないか?」


 うん、やる、やるよ。一度諦めたんだから、万一の可能性に賭けるのに抵抗なんてない。初めてやってみるんだから、生き物にやるよりは気が楽だし。

 早速おしり洗浄機からバッテリーを取り出し、試してみることに。


 “治れ”と思いながらバッテリーを見つめる。何も起こった感じがしないので、しばらく続けてみたが、これと言った変化が無かった。


「ダメみたいだね、何も起こらないよ。」

 少しがっかりだ。実は結構期待していたのに。

「いや、ちょっと待って。なんか始める前よりきれいになっていないか?」

 そうかなぁ、何も変わってないと思うんだけど。


「一度バッテリーから目を離して。もう一度見てごらん。」

 慎二くんの言う通り、目を離し、もう一度よく見てみると、確かにそんな気がしてきた。

 なんか新品を見ている気がする。

「使ってみよう。待った、トイレに行かなくていいよ、動きを確かめるだけだし、まずは充電してみないと。」

 私が立ちあがるとすぐにそう言った。やだ恥ずかしい。

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