7.反逆2
『王太子がお出ましである。直ちに開門せよ。』
近衛騎士かな。声が良く通るね。
「しばらく放っておくよ。うるさいけど我慢してね。」
何か色々言っていたけど、無視を続けた結果、ついに諦めて…はくれず、
『最後通知である。直ちに開門せよ。開門なき場合、反逆とみなして門を破壊ずる。』
「そろそろ出番だよ。バルコニーに行こう。」
慎二くんにエスコートされ、バルコニーに向かった。慎二くんのエスコートなんて久しぶりだよ。何年ぶりかな。大抵はチャールズで、たまにトマスだったものね。道路工事に向かっての馬車の乗り降りだけだけど。
『我らを見下ろすとは不敬であろう、すぐ降りて来い!』
怒っているね。でも少しほっとしているようにも見える。結構な時間放っておいたからな。
すると慎二くん、
『お前たちは何者だ。王太子殿下がこちらに来るなどという前触れは受けていない。すぐに立ち去るなら見逃してやろう。』
何者って、レオナルドがいるから分かっているくせに。レオナルドを除けば王太子はまだ馬車の中だから見ていないし、うるさい騎士は誰だか知らないからいいのかな。
すると、騎士は王太子が乗っているだろう馬車に向かい、何やら話をしている。王太子、出てくるのかな。
出てきませんでした。
話していた騎士が、他の騎士たちに向かって命令した。あの人が団長だったのね、そうだと思ったよ。
『これよりこの屋敷の門を破壊し、乗り込む。総員準備せよ。』
「準備だってさ。小百合も準備してね。」
待ってました。で、どうすればいいんだろう。全員威圧で圧し潰すのかな。
「あの男が指示を出そうとしたら、死なない程度に威圧してね。早すぎてもダメだよ。」
団長が抜刀し、剣を高く持ち上げ、
『かか…』
その瞬間、急に倒れ込み、血を吐いた。騎士たちが団長の様子に慌てて立ち寄っていく。
あれ?そんなに強くやってないと思うけど。やりすぎた?
『これは反逆行為だ!』
騎士の誰かがそう叫んだ。すると慎二くんは
『誰とも知れぬ狼藉者を始末して反逆とは片腹痛い。もう一度だけ言う。今すぐに立ち去るなら見逃してやろう。』
トマス・ベラム :警護長
チャールズ・ブラントン:警護副長 ブラントン家次男




