6.反逆1
国王は当初の予定より1日多く滞在して帰って行った。港に1日の予定が3日になったのは、往復に掛かると考えていた時間がそれぞれ1日短縮したからだ。連れて来ていた騎士200人のうち120人も一緒で、王太子のために80人残している。
王太子の体調が戻るまで滞在していたかったようだが、王都に予定があるため先に帰らざるを得ない。王太子は溺れて水を飲んでの体調不良なんだから、2日も休めば帰れるだろうに残りやがった。本当に迷惑な奴。
ブラントン伯爵も騎士の半分を連れて王と一緒に帰って行った。入れ替わりにレオナルドがやって来ている。残りの騎士と王太子を連れて帰るためにだ。ご苦労様である。
私と慎二くんは、王を見送ったあと、レオナルドが来たのを確認したのち領都に戻ることにした。
王太子を残して戻った理由は3つ。
ひとつは私が王太子の態度に我慢できないと慎二くんが判断したこと
もう一つはレオナルドがひと時王太子の側近として王城にいたことがあること
最後は王太子が何かやらかすのではと、慎二くんが考えていること
慎二くんは王太子のことを怪しんでいるのね。
「王太子だけじゃない。王もそうだ。多分本気で船を奪おうとしていただろう。ブラントン伯爵もそう考えているから、兵士を連れてタウンゼントに来てくれるよ。」
「兵士?騎士じゃなくて?」
「そう、兵士。騎士だと王族に立ち向かう時に躊躇するからね。」
王太子が攻めて来る可能性があるとブラントン伯爵も考えているということね。じゃあさっさと領都に戻って準備しなくちゃね。
「こちらからは手を出さないからね、出されてからは良いけれど。」
OK貰いました。
レオナルドから電信があった。今日帰るんだって。やっとか。5日間何をやってたんだろうね。船乗れたのかな。
行と同じ道を進むのなら、この屋敷に近づくことは無いので、もし来るのなら何か企んでいることになる。はたして来るだろうか。
「来たね。」
本当に来たよ。
「ここの王族ってのはバカばかりだね。王は宰相を隠れ蓑に利用して好き勝手しているけど、王太子はそれもないからもう一段バカだね。もう少し様子を見るから、君はお茶でも飲んで待っていて。」
『王太子殿下の御成りである。』
『お待ち下さい、ここに来る予定は無かったはずです。戻り、王都に向かいましょう。』
近衛騎士とレオナルドが言い争っている、レオナルドは止められなかったんだね。
レオナルド・ブラントン:ブラントン家長男




