4.問題発生
王太子は何をしに来たのだろう。会合が終わると、その足で港の視察に出て行った。結局最後まで一言も言わず、何なら宰相に紹介されても軽く頷いただけだ。いてもいなくても良かったね。
しばらくして、王太子が海に落ちたという連絡が入った。何で?
『王太子殿下が大型船を視察したいとおっしゃって、危険なので止めたのですが自分の部下に命令して強行されました。』
ああ、私が諦めたやつね、乗ってみたい気持ちはわかるけど、専門家がだめだと言っているんだから。部下も止めないとダメなのに。自業自得だね。
『それで今はどんな様子なのですか?』
『それがかなり水を飲んだようで、まだ気を失っている状態でして。』
泳げないの?泳げないくせに危険と言われても強行したの?なんて迷惑な奴。お腹に威圧を掛けて水を吐かせてやろうかしら。失敗したら殺しちゃうかも。やめておいた方がいいね。
『宰相とチャールズが同行していたんでしょう?彼らは何をしているのですか。』
『はい、王太子をこちらに運ぶのに立ち会っております。間もなくここにいらっしゃると存じます。』
『わかりました。』
少ししてチャールズがやってきて、事情説明を受けた。概ね聞いていた通りだが、乗る乗らないでかなり揉め、宰相が責任を取ると言っていたことが追加情報だ。
宰相が来たらそこは攻め処だな。
「慎二くん、宰相の言い分によっては痛めつけてもいいよね。」
「それはやめておこう。さっさと帰って貰う方が良い。こちらの責任はないことを一筆貰ってお帰り願おう。」
そんな打ち合わせをしていると、宰相とブラントン伯爵がやって来た。
『お騒がせして申し訳ありません。王太子が事故に遭われまして、それで国王陛下がお怒りです。』
は?ナニヲイッテイルノ。
『陛下がお怒りとはどういうことでしょうか。』
慎二くんは冷静だね。私は切れかけたよ。
『あのような巨大な船を知らせなく造船したせいで王太子が事故にあったとお怒りです。』
宰相は続けた。
『あの船を国に献上すれば、許さんでもないとおっしゃっています。』
『言いたいことそれだけですか?』
私は宰相の返事を待ったが、何も言わないので威圧を掛けてひれ伏せた。
チャールズ・ブラントン :警護副長




